第27話剣聖ムラサメの登場
「チャキッ!」
「 ブシュー!!!!」
あれ?攻撃が来ないぞ、どういうことだ?
《貴様は……剣聖ムラサメ!》
「光栄だな、魔王の一人に名を知ってもらえてるとは」
あれ?数秒前に死を覚悟して目を閉じてたら、目の前で刀を持った人が牛魔王と戦ってるんだけど。
「大丈夫かい? 青年」
「死にかけてますけど、一応」
「なら、良かった。下がってるといい。コイツの相手は私がしよう」
「大丈夫何ですか? コイツのパワーは」
「大丈夫、現にもう右腕を切った」
《ブシャー!! ゴトッ!》
そう言うと、アユムが必死に与えたダメージでは切ることが出来なかった牛魔王の右腕が肩から滑らかに切られていた。
なっ、一瞬のあいだに腕を切り落としたのか……俺じゃまともな傷も与えれなかったのに。
《ウググッ! 今回は相手が悪いな…逃げさせてもらうぞ》
「あ! 逃げた!」
牛魔王は相手が悪いと悟り、きた通路を引き返しながら壁を壊し逃げていった。
「さて、青年名は何という?」
「俺はアサヒ アユムです。本当に助かりました」
「礼はいい、少し前から実は見ていたからね」
見ていた?何のために。
「何のためにって、顔をしているね」
「私の、剣技を君なら覚えれるのではないかと思ってね。少し戦い方を見せてもらっていたよ」
「どういうことだ」
「私はね、こう見えても女なんだ」
確かに、美少年にも美少女にも見えて、ぱっと見はわからないけど。
身体は丸みがあるし、髪の毛もひとつむすびにしている。それで、あっ女性かなと思える。
だけど、それがどう関係して?
「そして、剣の頂点という意味の剣聖でもある。女らしくない私は、彼氏ができたことがなかった」
「うん、それで」
「そこで、君を見つけた! 戦い方ははっきり言ってど素人、だけど私色に染めれるイケメン、しかも今死にかけの状態!」
「これなら、カッコよく助けたら惚れると思って、さらに私の剣技を世に残せて一石二鳥って考え!」
「助けてくれて、ありがとう。じゃ」
「待ってーー! お願い行かないで29年生きてきてやっと見つけた、希望なの!」
「離してください」
「で、でも! 私が助けないと君死んでたよね!」
「うっ、それを言われるとな」
「でしょ! だから私と一緒に行こう!」
「いや、知らない人について行ってはダメと」
「剣聖の剣技を使えるようになるんだよ!?」
「剣技…俺にも使えるのか?」
「素質はあると思うから大丈夫だよ! みっちり、教えればね!」
「でも、俺仲間が心配して」
「大丈夫だから! もう君死んでることになってるから地上で」
「はぁーー!? どういうことだよ!」
「剣聖の力を舐めないでよね」
「で、どうしたの」
「えっと、君の仲間がダンジョンにいたから、残念ながら君たちの仲間はって言っておいたから」
「ふざけんな!! どうすんだよ!」
「私とくればいい!」
「仲間は、どう言ってた」
「何人かは、私のことを怪しんでたけど、一応信じて帰っていったよ」
マジで、どうすんだよ……。
「あのね、私は何も自分の欲望だけで君を振り回してるんじゃないよ」
「それは、一体」
「君は、はっきり言って弱いよ。だから仲間を守ることも自分を守ることも出来ない」
「そんなの、俺が分かってる!!」
「分かってるなら、大人しく私について来なさい。あなたに、私の全てを教えるから。そして、私はイケメンと一緒に。ナイスよ私」
「前半部分だけ聞いたらいいんだけどな。後半本音ダダ漏れだぞ」
「別にいいの! それで来るの? 来ないの?」
俺がもっと強ければみんなが、怪我することも、死にかけることもないんだ。
前々から誰かに戦い方を教わりたいと思っていたんだ、それが剣聖なら断る理由はないな。
救ってもらった命だしな。
「あぁ、俺を強くしてくれよ」
「よろしい、よしろくねお弟子ちゃん」
もう、誰かを危険な目にはあわせない。




