第20話試験開始
「さて、これからどうするか」
まぁ、せっかく自由になれたんだから、この世界を色々見て回りたいよな〜。
それには、やっぱりお金……だよなぁ。
どこの世界でも、共通で言えることは、とりあえずお金さえあればどうにかなるだ!
よし、お金を稼ぐために冒険者ギルドに入るか!
俺の持ってるスキルなら、経験さえ積めばギルド最強も夢じゃない。
妄想が膨らむな!目標は大きい方が追いかけていて楽しいしな。
俺は、この世界に来て数ヶ月の間、この世界について必死に勉強した。
だから、どうしようかなんて迷ったりしない。
よし、冒険者ギルドに行って冒険者登録だ!
◆
「ここか? すれ違う人に何度も聞いてやっとたどり着いた……」
ギルドについて、調べたけど場所を調べるのを忘れてた。
まぁ、やっと着いたって理由にはこの食いしん坊が理由でもあるんだけどな……。
「キャン?(どうしたのー?)」
ほほう、この食いしん坊。屋台で買った肉に噛り付きながら、俺の心配をするとは。
自分の食欲を満たしつつ、俺の機嫌取りってとこか。
これを、自然にするんだから憎めないよな。
「意外とキレイだな……」
こんな朝早くにたくさん人がいるな〜〜。
よく見ると、いたるところにモンスターがいるな。
お?あれはゴーレムだ!あっちにはオーガだ!
凄い、ダンジョンで嫌という程魔物には会ってるんだけど、あの時は命のやり取りをしてたからな。
見て楽しむ余裕なんて一ミリも無かった。
いやー、見てるだけで一日中過ごせるけど。今は冒険者登録が先だな。
「あの、すみません。冒険者登録がしたいんですけど」
「なら、こちらの登録書に名前をお願いします」
漢字で書いた方がいいのか?
「すみません、この3種類の文字でどれが読めますか? 」
「全て読めますよ? 」
あ、平仮名も片仮名も漢字も分かるんだ。まぁ、通じないよりはいいけど。
もしかしたら、あっちに伝わる文字に変わってる可能性もあるよな。
まぁ、どれで書いても同じなら一応片仮名にしとこうかな。
「記入終わりました」
「アサヒ アユム様ですね。では、登録を」
「あ、すみません、これ推薦状なんですけど。いつ渡したらいいのか分からなくて」
忘れてたわけではない。決して!
「推薦状ですか? 一体誰の……。え? 国王様!?」
「すみません、国王様の推薦状なのは確認出来たのですが、推薦された人がその力を持っているのか。試すのが決まりなんです」
えーー、すぐ終わると思ってたのに。
「そうなんですか、分かりました。では、どうしたらいいんですか? 」
「推薦された人は、シルバーの冒険者と戦い勝つことが出来ればシルバーになることが出来ます。負けた場合はブロンズからです」
「あの、シルバーとかブロンズってなんですか?」
「すみません、説明していませんでしたね。シルバーなどは冒険者の階級のことです。要するに冒険者のランクです。階級は下からホワイト、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ダイヤモンド、ブラックでシルバーは一人前のレベルですね。ダイヤモンドから上は国を相手にできるほどの力があります。是非目指してくださいね?」
国と戦えるって、それって人なのか……?
「分かりました、今から戦うんですか? 」
「はい、地下の訓練場で戦ってもらいます。シルバーの人で暇な人を探して来ますので、先に訓練場に武装して向かってください」
「分かりました」
武装って、短剣しかないんですけど。まぁ、何とかなるだろ。
◆
訓練場って、ここ広すぎないか?
「アユム様お待たせしました。こちらが戦う相手のロックさんです」
「アユム君だっけ? 俺はロックよろしくね」
「あぁ、よろし……なぁ、そこのでかいの何? 」
「あぁ、こっちは相棒のストーンだよ」
名前聞いてないわ、こいつ入り口にいたゴーレムだよな。
てか、岩と石って……なんか……うん。
「俺この、ゴーレムとも戦うんですか? 」
「いえ、モンスターには戦闘に向き不向きがあり、戦闘に向くのだけが一緒に戦います。それに、今回はアユム様の実力を見たいので」
「そうですか、ならフェンを預かってくれますか?」
「分かりまし…キャッ! 」
「キャン(ご主人以外嫌だ!)」
「おい、お前ずっと起きてたのか? 」
おかしいな、肉を食べたあと暇だから寝てるって言ってたよな?
「キャン(やっぱこの人のとこに行くーー)」
「仕方ない奴だな」
今日は肉禁止な?
「ロックさん、すみません。はやくやりましょう」
「構わないよ、賑やかでいいじゃないか」
「では、アユム様ロック様準備はいいですね? 」
「はい」
「あぁ」
「では、降参した方の負け! 試験開始! 」
「速攻で終わらすか。炎の大蛇!」
歩が上位魔法炎の大蛇をロック目掛けて放つと、ロックは一瞬驚いた様子を見せるが、すぐにストーンウォールとウォーターウォールを出現させ受け止めて見せた。
「チッ、耐久戦が得意なようだな」
「やるね! アユム君いきなり上位魔法を撃ってくるなんて」
よし、壁を強引に壊すか。
「ロックさん死にたくなかったら、集中した方がいいよ」
「え? それどういうこと」
ロックが疑問そうに考えてる間に、歩は目くらましにファイアーボールを10発ほど放ち。
「え、ちょ多いよ! ストーンウォール、鉄壁 」
身体強化と縮地で一瞬で距離を詰めて、怪力スキルで強化された拳で思いっきり、ロックの腹を殴ろうとする。
「ちょ、それはまずい! 頑丈!」
「無駄!」
「ゴキッ!!」
「ウッ……ッ!?」
己の防御力を上げても、尚歩の攻撃力が上回り耐久に自信のあるロックでも悲鳴を上げた。
ロックは骨が折れたようで、立ち上がることが出来なかった。
「しょ、勝者! アユム様! 」
「ゲホッ、ウグゥ……まさか、負けるなんてね」
少しやり過ぎたかな、回復してやるか。
「ハイヒール」
「痛い……あれ? 痛みが」
「ロックさんすみません、やり過ぎました」
「いや、勝負だからね。守りには自信があったんだけどね〜それにしてもアユム君は回復魔法も使えるんだね」
「まぁ、一応」
「アユム様の実力は理解しました。これが、シルバーのプレートです。こちらに血を垂らしてください」
持っていた短剣で指先を切って、血をプレートに一滴垂らすとプレートは小さな輝きを放った。
「はい、これでいいですか」
「はい、これでアユム様だけのなので安心してお使いください。これは、ステータスプレートの代わりにもなります。隠したい情報は隠したいと念じれば消えますので」
「ありがとうございます」
さて、冒険者にもなったし、何個かクエストこなしてお金が貯まったら獣人の国にでも行くかな。
いや、初めは死なないように魔物のスキルを奪う旅に出るか?
「アユム君少しいいかな? 話があるんだけど? 」
冒険者登録をして一息ついた歩は、次の目的地をどこにするか考えている時に話しかけてくる人物がいた。




