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第19話旅立ち

 

「ハァ疲れた。やっと、この城から出れるのか、城にいる方が楽だけどクラスの一部がめんどくさいからな」


 それに、せっかく異世界に来たんだから観光!

 いや、有名になるのも手だな。

 まぁ、今度ゆっくり考えるかーー、よし、今日の所はもう寝る、何があろうと寝る。


 よし、おやす「コンコン」「歩ちゃん起きてる?」


 この声は、日向……うん、寝たふりだな。


「ドンドン! 」「歩ちゃんーー!」


 羊が一匹、羊が2匹……ひつ「メキッ!」


 えーと、何の音ですか……。ドアを叩く音じゃないよな、何か道具で殴ってるだろ!


「歩ちゃんいないのかなーー? 確かめないと」


「待った!」


 あ、ヤバ「アースウォール!」


「歩ちゃんなんで? 何で無視したの?お仕置きが必要かなぁ」


 ヤバいわーー、声のトーンが怖すぎる。

 てか、寝たふりでここまで怒るか!?


「いくよ、歩ちゃん? レイ」


 え?ちょっと待って!それ、光の中級攻撃魔法!


「ギャー!!!」


 危なっ、全力で魔力を込めたアースウォールを貫通してる。


 わーい、壁に焼き焦げた穴が。


「歩ちゃん何で無視してたのかな?」


「あー、今日はちょっと疲れてて聞こえなかったんだ」


「最後は聞こえてたのに?」


 なんで覚えてんだよ!


 このままではヤバイ。ここは漢らしく!!


「すみませんでした! 寝たふりしてました!」


 そう、漢らしくグダクダ言わず謝ろう!


「まぁ、本当のことみたいだし今回は許してあげるよー、でもね、次はないよ?」


 ふっ、チョロ「失礼なこと考えてる?」


「考えるわけないだろ?」


 これが、女の勘。よくある心を読むやつか。


「ところで、何しに来たんだ?」


「あ、忘れてたよー、今日の訓練無茶苦茶になっちゃったから、明日また連携の訓練をすることになったのを伝えに来たんだよ!」


 今日はクラスメイトが俺に攻撃してきてたからな、連携の訓練どころではなかったしな。


 てか、俺はあと10時間後くらいに城出るんだけど。


 言うべきか?いや、言ったら何となく想像つくし王の奴に伝言を頼む方がいいな、王が大変だろうけど俺には関係ないしな。


「あー、連携の訓練か、連携の訓練出来なかったし頑張るか!」


 また、会った日にな。


「うん? そうだね、じゃあ歩ちゃん寝るの邪魔してごめんね?」


「いや、すぐ寝れるから大丈夫! おやすみ〜」


 ふぅー、最大の難関は乗り越えた!

 うん、俺嘘は言ってないよな?


 てか、フェンてめえ何寝たふりしてんだ!

 主人がピンチの時に助けるもんだろ!?


「グルルル(主様は僕のことを放置したもん!)」


「放置したことを怒ってんのか?」


「キャン!(やっぱり、放置したんだ!)」


 あ、ひっかけられた。


「悪かった、悪かった。でも明日からは構えるから許してくれよ」


「キャン!(じゃあ、明日からずっと構ってよ?)」


 こいつ、コロコロと感情変わるなーー、話し方も初めは可愛らしかったのにグイグイ来るようになったな。


「あぁ、構う構う」


「キャン!(本当?……じゃあ明日は久しぶりにご主人様が、構ってくれるんだ、えへへ)」


 あ、可愛いとこまだあるようで安心した。

 うん、ツンツンばかりは豆腐の心を抉っていくからな。


「よしよし、かわいいなぁ、フェンは」


「(ご主人様のナデナデだ〜〜、気持ちいいな〜……!明日からはこれがずっと!!)」


 うん、喜んでるのは分かるな、てか寝ないとやばいもう夜中になる!


「フェン俺はもう寝るから何かあったらメイドさんを頼るんだぞ?」


 そういえばメイドさんの名前知らないな〜まぁ、メイドさんはメイドさんだからな。


「フェンおやすみ〜」


「キャン!(おやすみなさい〜)」


 ◆


「ふわぁ……。今何時?」


 四時半か、てかこの世界にも時計があることに驚きだよな〜高価なものらしいから、こういうとこにしか、ないみたいだけどな。


 よし、とりあえず王のとこに行くか


「よっと、フェンも持って行かなくちゃな、俺の持ち物は短剣くらいだな」


 あとは、迷宮で拾いまくった魔石だな、モンスターの皮とかは記念に少しずつ持ってきた、何がレアなのか分からなかったし。


 まぁアイテムボックスに入るだけ適当に入れただけなんだけど。


 よし、行きますか。


「ガチャッ」


 この城も、今日でお別れか。

 うん、そんなに悲しくはないな、これからの期待の方が大きいな。


 おっと、着いたな。


「コンコンコン」


「俺だ入るぞ」


「うん、いいよー」


「約束通り来たぞ」


「うん、約束の5分前だよ。偉い偉い!」


「はぁ、サッサッと済まそうぜ、時間を早くした意味がない」


「それもそうだね、これが推薦状だよ、冒険者ギルドに渡すといい」


「ありがとう、じゃあ行くか」


「いや、あっさりしすぎでしょ! まだ、終わってないよ、あとは金貨20枚と、何がいい?」


「そうだな、できるなら服を変えたい、城の服だと目立つ」


「あー、それもそうだね、よし分かったメイドに服を用意させようどんなのがいい?」


「動きやすいなら、多少変でもいい」


「分かったよ、ついでにその長い髪の毛も切って整えようか?」


 あー、髪か特に気にしたことなかったな。まぁ、新しい旅が始まることだし切ってみるか。


「あぁ、頼む」


「よし、分かったよ、メイド長いるかな?」


「ドアの前で待機しております」


「なんでかな?」


「呼ばれる予感がしたからでございます」


「そうか、予感は当たりだよ、歩くんに似合う服を探すのと、髪の毛を切って整えてあげてくれるかな?」


「かしこまりました、歩様行きましょう」


「あ、はい」


 この人が、メイド長か仕事できる人って感じの人だなぁ。


 まぁ、この人に任せるか


 ◆


 一時間後


「失礼します、陛下。歩様の支度が整いました」


「うん? 君が歩君……え!? すごいイケメンじゃん

 暗闇が一気に明るくなった感じ?」


 こいつ、おちょくってんのか?


「バカにしてんのか?」


「いえ、歩様は整った顔立ちをしてらっしゃいますよ」


「本当ですか? 昔から髪は長かったから、顔立ちを褒められたことなんて無かったんですよ、ありがとうございます」


「おい! 歩君? 態度が違いすぎないか!?」


「いえいえ、そんなことないですよ、陛下はすごく頼りにもしてます」


「ふふ、そうだろそうだろ」


「そんな頼れる陛下にお願いが、この手紙を書いてある名前の人に渡しておいてください、後俺は城から逃げ出したことにしておいて下さい」


「それくらいなら、任せておけ」


「頼みましたよ、では俺はこれで」


「あぁ、そなたの旅が成功することを願っているぞ!」


「健康に気おつけてください、歩様」


「大丈夫ですよ、短い間ですけどありがとうございました!失礼します」




「陛下が色々としてあげるとは、よほど気に入ったんですね」


「まぁね、面白そうだしね、これからも頑張ってほしいね」


 ◆


「お、歩様お出かけですか?」


「いや、もうここにはおそらく帰って来ませんよ、旅に出るんだ」


「そうですか、良い旅になると良いですな」


「はい、ではお仕事頑張ってください」



 俺の旅がやっと始まるんだ!


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