第11話絶体絶命
「ファイアーボール!!」
「ゴブ? ゴブーー!!」
クソッ、倒しても倒しても出てくるな。
しかも、性格悪すぎるだろ!指揮を取っている奴。雑魚の魔物から攻撃させやがって。
しかも、一匹ずつ僕が倒せる奴から出してきてる。
僕の体力を削るのが目的か、ゴブリンならまだいいけど。ドラゴンいるんだよな……そこに、やっぱりここで死ぬのかな。
「嫌、諦めないぞ!! 僕が死んだら今は悲しむ人もいる。それに卵持ってきたから死ねない!!」
僕が死んだら、卵がどうなるか分からない。
いつ孵化するか分からないからって、持ってくるんじゃなかったな。
だって、迅達がいるし。こんな、場面に遭遇するなんて思わなかった。
「ブヒィーーー!!」
うわっ!
豚のような面構えの背丈二メートルくらいの魔物オークが持っていた斧を振り下ろしてきた。
「ファイアーボール!!」
あっぶな、魔法間に合って良かった。
「プギィーー!」
ファイアーボールとオークの衝突で巻き起こった砂けむりの中から、皮膚の表面を焦がしながらもオークが向かってきた。
倒しきったと思っていた歩は、オークが接近してきているのに気づくのが遅れてしまう。
成人男性の頭ほどの大きさの拳が歩のお腹をとらえる。
「グヘッ!?」
あまりの、衝撃にその場にうずくまってしまう。
痛い!痛い!痛い!
「オエッ……くそが」
「くそ豚が焼き豚にしてやる!! ファイアーバレット!」
「ブヒィーーー!!」
オークもまた仕留めたと思いブヒブヒと笑っていたのもあり、いきなり飛んできた火の矢をかわすことができず火だるまになってしまう。
豚の丸焼き完成!
て、そんな場合じゃない!
「ヒール」
ふぅ、回復魔法覚えてて良かった。本当に痛かった、まだ吐き気が……。
どうしよう、このままだといつか魔力が無くなる。
どこか逃げるとこはないのか?
「ゴブー! ブヒィー!」
邪魔すんな「グラビティ、ファイアーバレット!!」
「ブヒィー! ゴブーー!!」
「ハァハァ、いいコンボ魔法出来たな」
闇魔法で動きを止めて、火魔法でトドメを刺す。
ゴブリンとオークはさっきのを見て警戒してるようだし、後はドラゴンが見逃してくれるかだな。
お!あそこの岩と岩の間なら通れるか?
だが、どうやって行くかだよな
「カタッカタッ」
「次はスケルトンかこいつって死ぬのか? 短剣で切ってみるか」
「ヒュンッ!」
ポーチに隠し持っていた短剣を取り出し勢いよくスケルトンの首に向かって振りおろした。
「カンッ」
確かに捉えたスケルトンの首から聞こえた音は、とても軽かった。
oh……俺スケルトン倒せないんだな。
「カタカタカタ」
スケルトンもまたオークと同様笑っているのか全身をカタカタ鳴らしていた。
「バシィーン!!」
もう一度斬りかかろうとしていた僕の顔に平手打ちをされたような衝撃がはしった。
「痛い!! ヒール」
理解するのに一瞬の時を必要としたけど、どうやら僕は目の前のスケルトンにビンタをされたようだ。
まだ、少し痛いんだけど。
もう決めた、走って岩穴通って穴の入り口を全魔力を使った魔法で壊して。
逃げる。それだけだ。
「スケルトンに効くかわかんないけど、これしかないしな」
「ファイアーボール!」
スケルトンに向かって放った魔法は見事直撃して白かった骨は黒くなっていた。
「カタッ? ボロッ、ボロボロ」
あ、しっかり焼けてた。
スケルトンの骨が表面から崩れ始めたのを見て、今がチャンスだと思い走り出した。
だけど、それを魔物達が見逃すはずが無かった。
「よし、逃げる「グサッ!」
「え、ゲホッ……ゲホッ、どうなってんだ……」
なんで血が……急に感じた胸の痛みと溢れ出てくる血を見て。冷や汗を垂らしながらも、後ろを振り返るとそこには、二メートルくらいの巨大なスケルトンと弓を引いているスケルトンアーチャーがいた。
スケルトンナイトか、クソッBランクの魔物だ。
それに、スケルトンアーチャーまで。
「ゲホッ、こんなとこで…死ぬもんか!!」
「ファイアーバレット、ファイアーバレット
ファイアーバレットー!!」
ハァハァ、クソッなんで無傷なんだよ……。
スケルトンナイトは全ての攻撃を持っていた盾で完璧に防いでいた。
このままだと、死ぬ。卵だけでも逃さないと。
「お前みたいな骨にまけるか! ファイアーボール!」
ファイアーボールを敵に放つのではなく、地面に向かって放ち故意に砂煙を発生させた。
体のダルさや、傷に顔を歪めながらも卵だけはの一心で穴の入り口にたどり着いた。
早く卵を……「ドゴォッ!」
卵を穴の中において安心するのもつかの間、再び歩の体を衝撃が襲った。
「ゲホッゲホッ! は? なんで壁に張り付いてるの?」
あぁ、そうかスケルトン達か早すぎるだろ。
ハァ、卵一つ守れないのか僕がいくら鍛えても無意味だったのか。
うん?スケルトンナイトが別の方向に移動してるぞどういうことだ?
「痛っ、今のうちに休むか。卵は無事かな? あ……卵が無い」
なんでだ、卵は穴の中に置いてたはずなのに。
まさか!!
「スケルトンナイトやめろー!!」
「カタッカタッカタカタカタ」
アイツ卵を、クソッ俺が大事にしているのを見てたからか!
アイツ、持ってる剣を卵に!
「クソッ間に合え! ファイアーボール」
歩は、普通に走るのでは絶対に間に合わないと!咄嗟に大量のファイアーボールを自分の真後ろに放ちその爆風でスケルトンナイトのところに高速移動した。
「ブシュッッ」
スケルトンナイトの持っていた剣が歩の腕をとらえ傷を刻み。
血しぶきをあげる。
「うぁぁーー! 痛い痛い!」
クソッ間に合ったけど、剣までは防げなかった。
「ゴブゴブ、ブヒィブヒィ」
クソッ笑いやがって!お前らの仲間はファイアーボールでやられたろ!
「でも、良かった卵が無事で!」
初めて味わう腕の痛みに悶絶しながらも、卵の無事を喜んでいると「ピシッ!」いきなり、卵に一筋のヒビがはいった。
卵が!割れる!
「…………」
あれ?止まった。そりゃないよ〜
普通ここで割れるだろ!!
「仕方ないか、マイペースだもんな守るしかないか」
結局、死ぬ気で卵を守るしかないな!
「ブヒィーーー!!」
「ゴブーーー!!」
「カタカタカタカタ」
「ガーーー!!」
多すぎる!ファイアーバレット!ファイアーボール!
「ドゴォッ、バキッ、グサッッ!!」
流石に、数には勝てずゴブリンの蹴りオークの打撃スケルトン達の剣撃をまともにもらってしまう。
クソォ、勝てない……。
「だけど諦めてたまるか! 僕は、嫌俺は大切な相棒を守るんだ!!」
まだ、孵化すらしてないけどな!
「ピシッ!!!」
え?卵にまたヒビが……。
「パキパキッ! ポンッ!」
つ、ついに!孵化した、これでドラゴンとかならもしかして!
「キャンッキャンッ!!」
現れたのは真っ白な毛並みを持った小さな小さな一匹の狼だった。
白い毛並みの狼かい!!
でもかわいい!イヤイヤそんな場合じゃない!
とりあえず「ハイヒール」
卵の孵化で忘れていた痛みが戻ってきてた。
うん?なんかステータスみたいなのが見えるんだけど。
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・名前なし Lv1
・種族 フェンリル
・攻撃力G
・防御力G
・敏捷力S
・魔力S
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スキル
・噛み付くLv1・敏捷力強化Lv1
・風魔法Lv1・回復魔法Lv1
・威嚇Lv1・咆哮Lv1
・風耐性Lv1
・頑丈Lv1
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ユニークスキル
・獣人化 ・神獣のオーラ
・全言語理解・
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固有スキル
・風神の風
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称号
・アユムの相棒・神獣の加護
・風神の加護
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え?あの狼、フェンリルなの!!
称号にもあるから、本当なのか。
たくさんスキルあるな〜〜羨ましいよ
この、敏捷力強化?身体強化みたいなものなのかな?
あれ?スキル名おしたら……。
敏捷力強化
(敏捷力のステータスを10分間ワンランク上げる)
強奪しますか?
はい/いいえ
こんな表示出たんだけど?どうなってるの……。
まさか、「ステータスオープン」
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固有スキル
・魔物の主
(魔物のステータスを強奪出来る。鑑定の代わりもする。対象の魔物のステータスを見たいと思うと見れる。だが認識していないと見ることはできない。自分より弱い魔物は攻撃不可)
解放条件・称号に相棒が発現するほど魔物と親密度を高める
解放条件・職業が魔物使い
・???
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oh……。てか、解放条件魔物使いであることとか俺以外無理じゃん。
これがあれば、最強になれるんじゃないか?
俺はこのスキルを使ってまずは相棒とこの窮地から抜け出す!




