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悪魔王を倒す  作者: きなこだいふく
第1章 ハルト編
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第1話 進む

 僕は魔導剣士になる。

 理由はただ一つ、魔王を倒すためだ。

 魔王を倒せるぐらい強い魔導剣士になって、おじいちゃんでも倒せず、封印と言う手段を取らせるまでに強い魔王を倒す。

 

 魔王の封印が解けるのは、80〜85年の間。

 そして今年は封印してから80年、もしかしたら明日にでも復活するかも知れない、それはないか。

 もしそうなら人間は勝てないだろう…

 

 だから僕は地元から結構離れた エネーシャ・(剣術・魔法)学校に入学する…そのためには入学試験を通過する必要がある。だけど…

「やべぇ!遅刻だ!」

 こんな大事な日に限って寝坊をしてしまった…


 家を飛び出し、 試験で使う木剣と水や学校までの地図が入ったバックパックを背負いながら、固まった土の上を全力で走り抜けた

「こ、これ走って間に合うか?ちょっと危険だけど、近道使うか」


 もう少し走った所で道が2つに分かれている。

 左は安全だが、このままでは間に合わない

 右は魔物が多く、危険だが何事も無ければ試験に間に合う。


「ええい!危険だろうが構わない!……え?」


 体が止まった…右折して少し進んだ先に、大きな岩が佇み道を塞いでいた。昨日のルート確認の時には存在しなかったはずだ…


「どっどうしよう、一旦引き返そ…え?」


 引き返そうと、後ろを振り向いた時、後ろにも大きな岩が道を塞ぐように佇んでいた、さっきまで無かったはず…


「ん?文字が書いてる…」


 汚い字だ、僕が言えることでは無いが…


『後ろを向け』

「後ろ?……え!?」


 岩が壊れて道が見えていた。怖い…気味が悪い、でも、進まなければ遅刻だ…気を取り直し、また走り出した。

 このまま行けば試験に間に合う。少し安心した所で、前方から歩いてきた大柄の男3人が道を阻み、低い声で俺の身体を震えさせた。


 「なぁ兄ちゃん、俺ら金に困っててさぁ、お金貸してくんない?」


ドスの効いた声…威圧感…ギロリと睨むような眼差し腰には短剣、盗賊ってやつか?…逃げなければ…


「すいません、ちょっと急いでるので…失礼します!」

「待てよ、兄ちゃん」

 グッ!

「うわぁぁぁ!」

 デカい手で服を引っ張られ、引き戻された…まずい、このままでは試験も受けれないし、大怪我もするかも知れない。

 恐怖で目に涙が浮かび、冷やかな汗が身体を伝う、ドクンッ ドクンッ と心臓の音が聞こえる


「人が困ってんのに助けねぇなんてひでえガキだなぁ、俺達が教育してやんねぇと」

 男はニヤニヤ笑いながら、他の男2人と目配せで会話をしている。

(はっ早く逃げないと)


 その時だった

 

 ガコンッ

 1人の男の頭に木剣が打ち込まれる

「アガッ!」


 男の1人が、驚いた様子で声のした方向に振り向く

「なっ、なん――痛え!」

 倒れたもう1人の男の前には1人の少年が立っていた。

 僕と同じくらいだろうか…


 残りの男は、2人もやられたのを見て、流石にマズイと思ったのか、「お、覚えとけよ!」とセリフを吐き捨てながら走っていった。


「た、助かりました…ありがとうございます」

「良いってことよ、じゃあ俺これから試験だから」


試験?試験… 試験!今から会場に走っても間に合わない…終わった。


「どうしたんだい?」

「あっ、あーちょっとピンチと言うか…その、何と言うか…」

「もしかしてだけどさ…君もエネーシャ学校の試験受けるの?」

「う、うん」


 少年は僕が焦る姿を見て、少し考えてから提案した。

「じゃあ俺の馬に乗っていくか?」

「え?」

「人の脚でここからじゃ走っても間に合わないだろ?それに俺の馬めっちゃ速いんだぜ!」


 少年が人差し指を馬に向けて指す。そこには、白く綺麗な毛並みをした高貴な馬が真っ直ぐの眼でこちらを見ていた。


「じゃあ、お言葉に甘えて」

「おう!あ、でもそのかわり条件がある」


 条件?何を言われるのだろうか、遅刻しなくて済むなら、大抵の事は出来るが。

「条件って、何ですか?」

「条件、それは……俺の友達になる事だ!」

 友達……友達か、そういや僕には同年代の友達は居なかったな…相手の事はよく知らないけど、恩人だしな…

「…良いですよ!」

「本当か!?」

「うん」


 少年は目をキラキラと輝かせて腕を引っ張り、僕を馬に乗せた。

「よし。少し急ぐぞ!しっかり俺につかまってろよ!友よ!」

 ヒヒィィン!!

 パカラッ パカラッ 

 

 馬が走り出した。パカラッ と音を奏でながら、風を切って走る

 少年の言った通り、この馬は本当に速い。さっきまでの僕の全力の走りが情けなく思える。僕も馬で通学すれば良かった。まぁ馬なんて持ってないんだけどね。


「そう言えば、名前言って無かったな!」

「本当だ!僕はハルト・ルガーノって言います。」

「俺はアラン・テレーク アランで良いよ。あとタメ口で良い」

「じゃあ僕もハルトで」 

「因みに、馬の名前は【ペガサス】だ」

 

互いに自己紹介を終えた所で軽く雑談

「ハルトは剣術科と魔術科のどっちを受けんの?」

「僕は魔導剣士になりたいので両方!と言いたいところだけど、生まれつき魔術は初級と中級だけ使え無いから剣術科を、魔術は滑り止め的な、でも剣術で入学しても魔術の練習は欠かさずにやる予定だよ。アランは?」

「俺は剣術。兄さんみたいになりたくてな」

「兄さん?」


 それからアランはお兄さんの話をしてくれた。とても強くて優しい、兄さんもこの学校に入っていたから自分も入ったと教えてくれた。

 因みにアランは二刀流だが、お兄さんは大剣を使っていたらしい。

「あ、もうすぐ着くぞ」


 前を見た先には、エネーシャ学校が建っていた。僕の住んでいる村よりもずっと大きいのに、シミ一つ無い校舎、70年程前に僕のおじいちゃんとその仲間の英雄達、一流の建築士達を筆頭に建てられた、世界最大規模の学校……入る前から、見惚れてしまう美しさと威圧感があった。


「何とか間に合ったね、本当にありがとう!」

「あぁ!気にすんな!あ、ペガサスはここで待っててくれ」

 僕とアランは試験会場に入った。

 中には100人近くの受験生がいた。合格者数上限は試験での成績が上位の25人。

 25人……沢山のライバルがいる中で、僕はこの中に入れるだろうか、緊張でぶっ倒れそうだ。

「お互いに頑張ろうな!」

「うん、アラン…」

 少し緊張が和らいだ…試験開始まで少し時間がある、バックパックから木剣を取り出して、誰もいない所で深呼吸…そして少し素振り…気分が落ち着く…よし、大丈夫…イケる。

「そろそろ試験開始時間か…」

 今日この瞬間…僕の人生で最も大事な試験の幕が上がる…

 ちょこっと説明

 今回はハルト・テレーク(現在時点)について


 ハルト・テレーク 3月5日生まれ 15歳

 髪は黒色 眼は緑色

 身長160.5cm(現在) 体重56.8kg(現在)

 好きな食べ物 甘い物全般

 特技 カードシャッフル 

 スキル:???


 生まれつき初級、中級の魔法が使えない、現在は上級のみ使用可能

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