第2話 入学試験 前編
「すみません、先生」
「えっと、君は…ああ…ハルトさんですね。何でしょうか?」
「僕は、魔導剣士を目指してこの学校を受験したんですけど、この試験で剣と魔法を一緒に使うのって…」
「大丈夫ですよ。この試験はポイントを稼いで成績上位に入れるかが問われます。2つとも使用されても、素の実力ですので、問題ありません。ですが、魔道具やスキルの使用は禁止です。
「はい、ありがとうございます。」
受験者が集まってきた、人数の最終チェック、持ち物検査の時間だ。
勿論、違反となる物は持ってきていない。
「受験者の数、大丈夫です。」
「持ち物検査終わりました。違反者はいません。」
検査が終わった、最後に試験内容の最終説明だ。
「これから皆さんには、この転移魔法陣に入ってもらい、こことは別のフィールドで3時間の間、魔物、モンスターを狩ってもらいます。学校側が管理しているフィールドですし、魔物も低級〜中級のといった強力なモンスターではございません。 また、我々試験官は皆さんの行動を魔石水晶で監視して、狩ったモンスター分のポイントを記録します。低級モンスターが1P、中級が5Pとなります。 以上が皆さんがこれから行う試験の内容です。」
(とりあえず、モンスターを狩って狩って狩りまくれば良いってことだ。魔法を使えば遠距離戦も出来るし、かなり有利に何じゃないか?)
「次に注意事項の説明です。 試験で使う武器は基本学校側が支給した物のみです。それからもし、他の受験者を故意に怪我させた場合、戦闘が行えないよう武器を壊した場合は、即失格となりますので、ご注意下さい。注意事項は以上で終わりですが、質問等はありますか?」
2人の受験者が手を上げた。
「他の受験者と協力するのはダメなんですか?」
「構いませんが、もしそれで、喧嘩等が発展して怪我をする事態に陥った場合、学校側は責任を持ちません。また、手を組んで他の受験者を貶める様な行動をされた場合は、即失格です。それから、魔物を倒したポイントはトドメを刺した方に入ります」
「ありがとうございます」
「他に質問はありますか?」
…………
「無いようなので、試験を開始します。皆さん魔法陣を踏んで下さい。」
一体どんな地形でどんな魔物がいるのかワクワクする。そして少し怖い。まあ、剣も魔法の練習も頑張ってきたし、大丈夫だ…
僕は魔法陣を踏み、知らない場所に転移した。快晴の草原。人の気配はしない。とにかく動いて、魔物を探して、見つけ次第積極的に戦おう。
「ん?あれは…岩の様なウロコを纏った狼…岩纏狼だ!確か、中級の魔物だったはず。でも、早速狩ろう」
岩纏狼に接近し、剣を抜こうとしたが、奴もこちらに気付いている。
グルルルル…とこちらを獰猛な目線で睨みながら、攻撃のタイミングを伺っている。
「やあああああ!!」
ガキン!
「うぐっ硬い…」
岩の様な硬いウロコに身を包んでいるだけあって、防御力は一級だ。一度下がって体勢を立て直し、策を考える。
(剣では無理だ…じゃあ魔法で攻撃するか)
手を前に突き出し、身体の魔力を手の先に集中させる。
「大いなる灯火よ、今我敵を撃ち倒し、炎の道を突き進め! 『ヒートアサルト』!
槍の様な形をした炎は、目にも留まらぬ速度で岩纏狼の身体を突き抜ける。
ギャオオォォォン…
「よし!(初討伐だ!このままいくぞぉ!)」
試験開始から30分が経った…低級3体、中級1体。ここは、他の場所に比べて、魔物の数が少ないのか?と疑問に思う程、魔物と遭遇しない。
「せめて群れで行動してくれてると有難いんだけどなぁ…」
とりあえず、魔物に遭遇することを目標に、走り続けた。5分ほど移動した先は、草原では無くデコボコとした岩が広がるフィールドだった。足が着きにくいが、大量の魔物がいる。
「よし!ここでポイントを稼ぐぞ!」
基本的には低級が殆どだったが、中級も少数ながらいた。
「氷河の集う所に、原子の命は跡を絶たん…『アイスストライク』!」
氷の槍が、周囲の魔物に降り注ぐ。一体、また一体と魔法の餌食になっていく。
「結構狩ったけど、今ポイントはどのくらいだ?もう途中から数えるの忘れちゃってたよ。20くらいかな? いや、こんな事を考える暇があるなら、もっと狩らないと!」
試験開始から1時間が経過した。序盤は終わり、中盤戦に突入って所か…最初に比べて、魔物との遭遇率も上がったし、移動したのは正解だったようだ。
「そろそろ1時間くらい経ったか?体力もかなり使っちゃったし、温存と回復の為にも、他の人の獲物を漁夫の利するってやり方で稼ぐか…おっ、丁度いい所に!」
誰かが魔物と戦っている。中級の魔物が5体程いる。全部倒せば25Pだ…
「大いなる灯火よ、今我敵を撃ち倒し、炎の道を突き進め! 『ヒートアサルト』!」
「な、なんだ!?」
魔物を貫通して、一気に3体倒した。15ポイントGET!
(よし、この方法なら楽にポイントを稼げる。)
「ふざけんなよ…(いや、これも戦略か…3体もやられちまった…)なら、すぐさま残りの2体は俺が倒す!」
(ここから魔法を撃ったらあの人に当たるな…別の所に行くか…)
卑怯な手段ではない…立派な戦略だ。ここから先、1時間ぶっ続けで魔物と戦うかもしれない。その時に備えて体力などを温存して置くのは良いことだ…
「ここらへんの魔物は狩り尽くしたかな?そろそろ別の場所に移動するか…」
僕はまた別のフィールドに行くべく、移動を開始した。10分くらい歩いた先、森に着いた。いかにも魔物の生息地といった森だ。木が多いから見通しも悪い…木の上から虫型の魔物が降ってくるかもしれない…不安ではあったが、ポイントを稼ぐ為なら仕方がない。
しばらく森を歩い所で、カサカサと音がする。
キシェァァァァ!!
手のひらサイズの蜘蛛が飛び出して来た。毒々しい黒紫色の身体、赤色の眼、間違いない『ヴェノムスパイダー』だ。毒を使ってくるが、そんなに強力な毒じゃない。せいぜい数十分程の間、ピリピリするくらいだ。
「はあぁぁぁぁ!」
ジャキン!
僕は容赦なく一刀両断。決まった…
もう少し奥に進めば、中級があるかもしれない。
そう思い僕、この森の奥地へ向かった。
「こっこれは…」
大量のモンスターの死体だ…それも全部中級の魔物、この大顎の蛇は…『D−スネーク』だ。
「誰が狩ったんだ?」
僕はより奥に進む…そこには1人の人影があった。二刀流…アクロバットな身のこなし…
「アラン!」
「ふんっ!」
グサッ! バタッ…
「ふぅ、ん?おお!ハルト!」
「さっきぶり!」
「ああ!まさかこんなに早く再会するとはな…あ、せっかくだし一緒に狩らないか?」
「勿論!」
沢山魔物を倒していた受験者の正体は、アランだった…試験ももうすぐ終盤に差し掛かる…アランと共に、魔物狩りだ。
「魔物のトドメを刺すのは交代制でいいか?」
「うん、それで良い」
入学試験中盤の後半、ラストスパートに向けてより消耗を抑える。全てを出し切るのは、終盤戦に突入してからだ。
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ちょこっと説明
今回は、アラン・テレーク(現時点)について
アラン・テレーク 9月5日生まれ 15歳
髪色はシアン 目の色は黄色
身長 165cm 体重 68kg
好きな食べ物 しょっぱい系
特技 剣を用いた戦い
スキル ???




