325章Side:真輝 後編 煌めきのオーバーディサイド!アイデンティカルエッジヴァハムート
「エッジヴァハムート!」
「…! 真輝かっ!?」
鎧を身に纏えた真輝はドルエの砲撃を掻い潜りながら飛行し、落下するエッジヴァハムートに近付いた。
「当てる角度を考えろ…!」
真輝は自分に当たりそうな弾は両手のクローで爆発しないように弾き飛ばし、遠方で爆発させた。
「何て無茶を…!」
ドルエのフルバーストの中、ディアスは鎌のビームキャノンを、司令はデバイスを操作してウイングユニットの二門のビーム砲で真輝に当たりそうな砲撃を撃ち落とす。
「ほら!こっちだ、鎧娘!」
「手の鳴る方へってやつだ!」
シルエット大将軍もシルエリオンで大地を駆け、マジックブレードグリムスも竜巻を発生させてドルエの注意を引き付けてくれた。
「よし、この距離なら…!一旦戻れ、エッジヴァハムート!」
真輝は左手に持ったスマホを前に出し、エッジヴァハムートをスマホの中に戻した後、急いで今いる場所から離れた。
「また出て来い、エッジヴァハムート!」
真輝はスマホからまたエッジヴァハムートを実体化させて強制的に体勢を立て直させた。
道人たちのデュエル・デュラハンとは性質が異なり、実体化の制限時間がないからこそできる荒技・裏技だった。
「助かったぞ、真輝!私の性質をよく理解したエスケープ方法だ!」
「俺が一緒に戦えるようになったからこそできる事だな…!」
「しかし、これからは戦闘中の私の出し入れが激しくなりそうだ。」
「ははっ!だな!」
真輝とエッジヴァハムートと話した後、未だにフルバーストし続けているドルエの方を見た。
「さて、真輝。次のヘッドチェンジだが…お前がその姿になれたという事は…。」
「おうさ!愛歌ちゃんと潤奈ちゃんがなれたっていうオーバーディサイド、俺たちもできるのかもな…!」
真輝はそう言うとエッジヴァハムートにスマホを見せた。
「しかし、私はディサイド・デュラハンではないのだがな…。」
「そうか?デュラハンとパートナーが強く結ばれていたのなら、それはもうディサイド・デュラハンって事でいいんじゃないかい?細かい違いなんてねぇさ。」
「…ふっ、やれやれ。お前が自信満々にそう言うと本当にそんな気がしてくるな…。」
「俺とお前はナックルヴェヒーモスだった頃からの仲だからな!これからも末永くよろしくってな、相棒!」
真輝がそう言うとスマホが発光し始めた。
『オーバーディサイド、解放。』
「ほら、地球さんもOKだってよ!行くぜ?」
「あぁ!」
真輝とエッジヴァハムートは高く飛び、互いに見つめ合った。
「煌めくぜ!俺、ヘッドチェンジィッ!」
真輝は鎧をエメラルドに強く発光させるとエッジヴァハムートの新たな頭に変わった。
エッジヴァハムートは頭を右手で掴み取った。
「頭着!」
エッジヴァハムートが新たな頭を付けると幻影の真輝とエッジヴァハムートが出現。
二人の背後に大きな根源幻獣バハムートも現れ、羽で二人を包んだ。
エッジヴァハムートはエメラルドの風を纏い、鎧が新調された。
以前のエッジヴァハムートより更にエッジが効いた鎧となり、角や肩が鋭く尖った姿になった。鎧には差し色として金色のラインも追加される。
鏡のように綺麗な刀身をした剣を右手に持った。
「過去・現在・未来!そして、根源!全ては俺たちにとっては同一の波動!アイデンティカルエッジヴァハムート!」
アイデンティカルエッジヴァハムートは神々しく、高貴なエメラルドの光を発して宙に浮かんだ。
「どる…。」
ドルエもつい見惚れ、鎧の冷却を開始した。
「行くぞ、コンサートはもう終いだぁっ!」
アイデンティカルエッジヴァハムートは目を点滅させて真輝の言葉で喋ると自身をエメラルドの竜巻で包み、一瞬の内にドルエの懐に出現した。
「どる!?」
アイデンティカルエッジヴァハムートは左手の甲で強くドルエの顔を叩いて仰け反らせた。
「どるぁっ!」
鎧が開き、中からショルダーキーボードを持ったドルエが出て来た。
ドルエは鎧を操作してアイデンティカルエッジヴァハムートに無数のミサイルを発射した。
「近距離でミサイルとは驚かされるな…!」
アイデンティカルエッジヴァハムートはアイデンティカルブレードで十字に斬ると十字の鏡が出現した。
「どる!?」
無数のミサイルが鏡に当たると反射。ミサイルは反った後、ドルエに向かっていった。
「どるぅ〜っ!?」
ドルエの周りで爆発が起こるのでドルエは両腕を交差して防御した。
「今が間違いなく…!」
「反撃の時だ…!」
ディアスは鎌のビームキャノンを放ちながらドルエに接近。同時にビームコウモリも発射した。
マジックブレードグリムスもドルエに斬り掛かる。
「どるぁっ!」
ドルエはショルダーキーボードと鎧を合体。ハンマーに変えて振り回しまくり、ツインテールビームも放ってディアスとマジックブレードグリムスの接近を許さなかった。
「やれやれ、お転婆なお嬢さんだな…!」
アイデンティカルエッジヴァハムートはアイデンティカルブレードで円を描き、丸い鏡を作った。
鏡に映っているのはアイデンティカルナックルヴェヒーモス。
両腕が自分の身体より大きく、二本角が生え、鎧に金色のラインが刻まれた赤い獣型デュラハンが映っていた。
現実世界のアイデンティカルエッジヴァハムートと鏡の世界のアイデンティカルナックルヴェヒーモスが入れ替わった。
「どる!?」
「どうだ!バハムートとベヒーモスは同一存在っていう元ネタから来る力だ!」
「こいつに言ってもわからんだろうがな!」
アイデンティカルナックルヴェヒーモスはその自慢の右拳でドルエを殴り飛ばした。
「どるぁっ!?」
「この好機、逃す手はないな!」
アイデンティカルナックルヴェヒーモスはシルエット大将軍がいる方向へとドルエを吹っ飛ばしていた。
「人馬一体!」
シルエット大将軍がそう言うと愛馬であるシルエリオンと合体してシルエット綺刃将軍となり、斬馬刀をバッターのように持ち構えた。
「どるぅっ!」
ドルエはツインテールビームをシルエット綺馬将軍に浴びせながらハンマーを地面に叩き付けて急ブレーキしようとした。
「そらっ!」
シルエット綺馬将軍は斬馬刀を投げた。
回転した斬馬刀がドルエに向かって飛んでいく。
「どる!」
ドルエは一旦鎧を展開し、盾のようにして飛んで来た斬馬刀を弾いてみせた。
「隙あり!」
マジックブレードグリムスが剣で竜巻を発生させ、ドルエを竜巻の中に閉じ込めた。
「火、水、雷ぃっ!」
マジックブレードグリムスは竜巻の中にエレメントをトッピング。
竜巻の中だけが異常気象に見舞われる。
「どるぁっ!」
ドルエはツインテールビームをまるでカッターのようにして振り回し、自分を閉じ込めていた竜巻を切り刻んだ。
「まだ舞ってろ!」
ディアスはビームコウモリをばら撒き、鎌から二枚の刃を外してビーム死神に持たせた。
ディアス得意の一対多の戦法がドルエを翻弄する。
「どる!」
ドルエは鎧と合体し、ミサイルとビームによるフルバーストを開始。ビームコウモリとビーム死神二体を次々と消滅させていく。
「ナックルヴェヒーモスの突進力と固さならぁっ!」
アイデンティカルナックルヴェヒーモスはドルエのフルバーストを物ともせずに力強く突進。
角を巨大化させ、電流を走らせてミサイルを誘爆させていく。
「どっ…せぇい!!」
「どる!?」
アイデンティカルナックルヴェヒーモスは大きな角でドルエを持ち上げ、ドルエの巨体を軽々と持ち上げて上空に投げてみせた。
角から電流をまた発生させ、ドルエを電磁球体の中に閉じ込めた。
「今だ、全員一斉攻撃!」
司令がそう言うとディアスは鎌のビームキャノンを撃ちながらビームコウモリも発射。
マジックブレードグリムスは炎、雷、水の竜巻を作ってドルエに向かわせる。
「一閃!」
シルエット綺馬将軍はバリアを展開し、フレンドリーファイアを避けて斬馬刀でドルエを斬ってみせた。
斬り終えた後、振り返り様に斬馬刀を回転させて投げ当てた。
「どるぁっ!?」
いくらドルエの装甲が固いとは言ってもディアスたちのオールレンジ攻撃はさすがに効いていた。
「さぁ、ミラージュコンビネーションでトドメと行くぜ、エッジヴァハムート!」
「おう!」
アイデンティカルナックルヴェヒーモスは両拳を地面に叩き付け、土を宙に舞わせた。
舞わせた土は複数の鏡と変わっていく。
「どる!?どる!?」
電磁球体に閉じ込められたドルエは周りに現れた無数の鏡に映る自分を何度も慌てて見る。
「さぁ、ヴァハムートとヴェヒーモスの舞をその目で見よ!」
アイデンティカルナックルヴェヒーモスは高く飛び跳ね、近くの鏡を使ってアイデンティカルエッジヴァハムートに変化。
アイデンティカルブレードでドルエを横一閃した。
「どるぁっ!?」
アイデンティカルエッジヴァハムートはそのまま上昇し、上空にある鏡を使ってアイデンティカルナックルヴェヒーモスに変化した。
両手を組んで下降し、ドルエにダブルスレッジハンマーを喰らわせ、角から電流を放った。
「まだまだ続くぞ!」
またアイデンティカルナックルヴェヒーモスからアイデンティカルエッジヴァハムートに変わり、翼から光の粒を発射。
光の粒はドルエに当たると炸裂し、火花を散らした。
「これ、まさに無限鏡…ってな!」
その後もアイデンティカルナックルヴェヒーモスとアイデンティカルエッジヴァハムートの姿を使い分けながらドルエに次々とダメージを与えていく。
「な、何て恐ろしい技だ…。」
「力のヴェヒーモスと速さのヴァハムート…。一人で…いや、三人のコンビネーションによるものか…!」
ディアスとシルエット綺馬将軍も真輝たちのオーバーディサイドの力を見て驚いていた。
「さぁ、これで終わりだ!」
「煌めけ、俺たちのブレード!」
アイデンティカルエッジヴァハムートが剣を上に上げると残った鏡を全てアイデンティカルブレードに吸収させ、更に刀身を輝かせた。
「根源解放ぉっ!」
アイデンティカルエッジヴァハムートは背後に根源幻獣バハムートの幻影を出現させ、吐き出した炎でアイデンティカルブレードを焼いた。
「その身に受けろ、波動の刃!はぁぁぁぁぁーっ!!」
アイデンティカルエッジヴァハムートは両手にアイデンティカルブレードを持ち、突撃。
バハムートの炎で燃え盛る刃を手に、ドルエに真っ向から竹割りをお見舞いした。
「どる…!」
ドルエは咄嗟に自分の頭を投げ、残った全身は切り傷を基点として広がって鏡面となった。
そのまま地面に落下し、割れた鏡が地面に散らばった。
「どる、どる!」
頭だけになったドルエはツインテールを足のようにして逃げ出した。
「…! あいつ、私たちと違って頭に意思があるのかっ!?」
「星系によってはデュラハンの意思が宿る場所が異なるのかもしれんな…。」
「逃さん!」
シルエット綺馬将軍と会話したディアスはビームコウモリを発射してドルエを追わせた。
「どる、どる!」
ドルエは逃げ回りながらツインテールビームでビームコウモリを撃ち落としていた。
「あいつ、あんなになってもまだ抵抗するとはやるではないか…。大した奴だ。」
「いや、関心してる場合か!」
マジックブレードグリムスの近くに着地したアイデンティカルエッジヴァハムートが突っ込みを入れた。
「エッジヴァハムートの言う通りだぜ。」
「あぁ、ドルエを追いながら早くガイアヘッドと交戦している道人君たちと合流しよう。」
真輝と司令の話を聞いたディアスとマジックブレードグリムスは共に頷いた。
マジックブレードグリムスは時間切れで司令のスマホに戻り、アイデンティカルエッジヴァハムートたちは逃げるドルエを追った。




