313章 合わされ奇跡!潤愛のダブルオーバーディサイド!
「潤奈、フォンフェル!」
「…! 愛歌、トワマリー…!」
インフィニティアトワマリーはシュヴァルティアフォンフェル弐式の元へと飛び、オーバーディサイドしたディサイド・デュラハンが空中で二体並んだ。
「…愛歌も、オーバーディサイドを…。」
「もち!潤奈のお父さんを助けたいって気持ちがあたしたちをこの姿へと導いてくれた…!ありがとう!早く終わらせようよ、こんな戦い!」
「…うん!」
インフィニティアトワマリーはシュヴァルティアフォンフェル弐式と共に目を点滅させながら愛歌と潤奈の声を発声した。
「ジョオウ…!マブシインダヨ、ジョオウガァッ…!」
「…! ハクヤ?ルアンソン?」
DRルアンソンの身体に張り付いているハクヤが目を真っ赤にし、急にルアンソンの声で話し始めた。
「ジコクヲマモレナカッタ、ジョオウサマガヨォッ…!」
「確かにあなたの言う通り…私は自分が竜人だと周りにバレてしまったからと言って、動揺して統率を執る事ができなかった愚かな女王…。愛すべき民たちも守る事ができなかった…。」
インフィニティアトワマリーは悲しそうに自分の左手を見て話した。
「でも、もうあんな悲劇は二度と繰り返させない…!私はそのためにこうしてディサイド・デュラハンに生まれ変わったのだと信じてるから…!」
インフィニティアトワマリーは左手で握り拳を作り、虹色に輝かせる。
「愛歌と一緒なら、私はどこまでも強くなれる…!」
「そうよ、トワマリー!あたしたちはずっと一緒!」
「この力は、その証…!出でよ、我が遠き理想郷!虹の王城よ!」
インフィニティアトワマリーが左拳を上に上げると背後にあった七つの虹が変化し、大きな城の幻影となった。
「コ、コレハ…!?」
虹の城が出現した途端、妖精たちが宙を舞い、宙には色んな花が舞って花びらが散り始める。城には武器を持ったたくさんの兵士たちが姿を見せた。
「この城は私から満ち溢れるディサイドの力が実体化可能とした幻の城!もう私には手が届かない過去の城…!ルアンソン、前世で私が相対せなかったあなたの罪!今度こそ、私自らが裁いてみせる!」
「ヤッテミロ、ムノウナジョオウサマァッ!」
DRルアンソンは自身が発する炎と雷を竜の形に変え、オーバーディサイドした二人のデュラハンに向けて放った。
「回れ、私の大型リング!愛歌、私と一緒に!」
「任せて!」
インフィニティアトワマリーは両手を動かし、七つの大型リングを操作する。
大型リングは高速回転して電磁バリアを纏い、向かって来る無数の炎竜と雷竜の動きを阻害した。
「今のトワマリーにはあたしの視点も加わってるんだからっ!防げぬものなど何もなし!」
「…私もフォンフェルと一緒に!」
「加われ、我らが手裏剣!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式も二つの大型可変型手裏剣を操作し、大型リングと一緒に炎竜と雷竜を消滅させていく。
「…よし、このタイミングなら行けるかもしれん…!トワマリー、フォンフェル!奴の気を散らせて動きを少しの間止めてくれんかっ!?俺に策がある!」
「わかったわ!」「御意!」
大樹がそう言うとインフィニティアトワマリーとシュヴァルティアフォンフェル弐式は大型リングと大型可変型手裏剣をDRルアンソンの周りに飛び回らせた。
DRルアンソンが飛び回る大型リングと大型可変手裏剣を鬱陶しがって何度も拳を振った。
大型可変手裏剣は蜘蛛型になったり、鳥型になったりと多彩に姿を変えて避ける。
「何か閃いたんだね、大樹?」
「まぁの…!」
ビーストヘッドが解除された後、大樹はカサエルをヘッドチェンジさせなかった。どうやら大樹なりにこの状況の打開策を考えていてヘッドを温存していたようだ。
「よぉし、俺も!」
「あたいも力を貸すさね!」
大樹の事を信じた道人はブレードフェザーを、SWダーバラは鉄扇もDRルアンソンに飛ばして更に動きづらくさせた。
「大樹、一体何をするつもりさぁっ?」
「今、俺たちは人質を取られて困っている…。今のこの状況ならば、余計な考えを取っ払う事ができて、ある一点への想いへの集中…。俺たちはあの力を純粋に扱う事ができるんじゃないかと思ったんじゃ…。」
「…なるほどさぁっ。わかった!もうそれ以上言わなくても大丈夫さぁっ、大樹ぅっ!ただでさえ、あのヘッドはデリケートだからさぁ!」
「うむ!今の俺らに必要なのは曇りなき想いただ一つじゃ!」
大樹はそう言うとデバイスからカードを実体化させ、カードを左手に持った。
「フィールドトラッカー、ありがとうさぁっ!」
「ご武運を。」
カサエルは新たなヘッドチェンジをする前にフィールドトラッカーと分離して元に戻った。
「チャンスは一瞬、煌めきも一瞬…!千差万別の考えを抱く俺とカサエルの想いは今この時はただ一つ…!【奇跡自在】、発動じゃぁっ!」
大樹は二つあるディサイドヘッドの内の一つ、【奇跡自在】を発動させた。
十秒しか付ける事ができない奇跡を起こせる頭を。
「人質を離すんじゃぁぁぁぁぁーっ!!」「人質を離すさぁぁぁぁぁーっ!!」
大樹と【奇跡自在】カサエルの気持ちは一つとなり、同じ言葉を叫んだ。
【奇跡自在】ヘッドは輝き出した。
「ナ、ナニィッ…!?」
DRルアンソンに取り込まれていたハクヤは急に姿を消した。
「…! パパ!?」
「大丈夫じゃ、愛歌ちゃん!」
大樹はそう言うと地面に倒れているハクヤを指差した。急いで大樹はハクヤの元に駆け寄る。
カサエルは元の姿に戻ってしまった。
「カサエル、もうヘッドチェンジは使えん!フィールドトラッカーとまた合体するんじゃ!」
「わかったさぁっ!もう一回合体さぁっ、フィールドトラッカー!」
「了解。」
待機していたフィールドトラッカーとカサエルは再合体し、またフィールドカサエルとなった。
「ナイスだ、大樹!よし、これで…!」
「もう遠慮はなしって訳!」
道人と愛歌は人質が解放されたのでつい歓喜の声を上げた。
「行くよ、みんな!」
「おう!」「えぇ!」
道人が掛け声を出すとこの場にいるみんなが一斉に返事をした。
人質は解放され、ようやくフィフスドラグーン・ジークヴァルグたちは遠慮なく己の誇る攻撃力を発揮する事ができるようになった。
「一番刀は俺がもらったぁっ!行くぜ、ソル譲!」
「えぇ、勝機はもう目の前だ!」
飛行形態となったソルワデスはヤジリウスを乗せ、DRルアンソンが発する炎と雷を避けながら飛び回る。
ヤジリウスは両手を交差。背中のアームを移動させて両肩に鞘を配置し、抜刀の構えを取る。
「獲物がでかいと助かるぜ!シャァッ!」
ヤジリウスは勢いよく二本の刀を抜刀させ、罰の字の次元の斬撃を飛ばした。
罰の字の次元の斬撃はDRルアンソンの胴体に当たった。
「グオッ!?」
「もう一撃ぃっ!」
ヤジリウスは抜刀し終えた刀をすぐにまた鞘に入れ直し、ソルワデスは大きく旋回してまたDRルアンソンへと向かう。
「秘剣…!八式アスタリスク斬りぃっ!」
ヤジリウスはもう一度抜刀し、またDRルアンソンの胴体に罰の字の次元の斬撃を飛ばして当てた。
二つに重ねられた罰の字は八の字アスタリスク(✴︎)となって、DRルアンソンの胴体に刻まれた。
「グゥォァッ…!ジャマ、ジャマァッ…!」
DRルアンソンはやけくそになったのか、自分の周りを飛び回る大型リングなどに対して空振りパンチを繰り出し始める。
炎と雷も更に激しく撒き散らし始めた。
「さぁ、みんな!各々のとびっきりの一撃を叩きこむさぁっ!」
フィールドカサエルはローラーダッシュで公園を駆け抜け、消化弾や水流をDRルアンソンに向けて放出し、サポートに回ってくれていた。
「よし!共に行くぞ、道人!」
「うん!」
「暴れようぜ、俺の主たち!」
フィフスドラグーン・ジークヴァルグは右手にディサイドヴァルムンク、左手にディサイドレーヴァテインを持ち、尻尾にHoffnungレーヴァテインを巻く。
道人は右手にメタリー・ルナブーメランを投げた後、両手にカジートブレードを持った。
「スラッシュ!」
「スラッシュ!」
「シュナイデン!」
フィフスドラグーン・ジークヴァルグと道人はDRルアンソンの周りを飛び回り、すれ違いざまに斬撃を叩き込んでいく。
フィフスドラグーン・ジークヴァルグも道人もオリハルコンの鎧なのでDRルアンソンの反撃など痛くもかゆくもなかった。
道人はカジートブレードによる亜空間移動も活用し、現れては消えてを繰り返しながら斬撃をお見舞いする。メタリー・ルナブーメランも亜空間移動で回収して何度も投げ直してぶつけた。
「私たちの身に纏え、ヴィーヴィル!」
シュヴァルティアトフォンフェル弐式は全身にヴィーヴィルのオーラを身に纏った。
「…手裏剣の操作は私が受け持つ!だから、フォンフェルは遠慮なく思いっきり暴れ回って!」
「御意!行くぞ、アヤメ!」
「はい!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式は四体のアヤメの幻影を連れ、DRルアンソンに向かって突撃。
フィフスドラグーン・ジークヴァルグと道人の攻撃に加勢した。
「いいね、いいねぇっ!この団結力!」
SWダーバラはDRルアンソンの足元に着地した後、DRルアンソンの周りをぐるぐる回りながら上昇。
宙に舞うビーム刃の鉄扇と右手に持った鞭でDRルアンソンのボディに打撃を与えていく。
「喰らえ、フィフス・ガイア・ブラスター!」
フィフスドラグーン・ジークヴァルスは胸と両羽、両肩の竜の顔からフィフス・ガイア・ブラスターを放ち、DRルアンソンの胸の顔を中心に直撃させた。
道人がサポートし、カジートブレードで亜空間の裂け目を使ってフィフス・ガイア・ブラスターの発射方向を無理矢理変えてDRルアンソンの背中に当てた。
「アヤメ、共に!」
「遂にヴィーヴィルを纏えた私の力、とくと見よ!」
よろけるDRルアンソンに対して容赦なくシュヴァルティアフォンフェルとヴィーヴィルのオーラを纏えたアヤメは手裏剣、クナイ、刀による斬撃を目に止まらぬ早業で繰り出して見せた。
大型可変型手裏剣は蜘蛛の形になったり、刃を増やしたり、分離して増えたりと潤奈の操作によって多彩な変化を見せながら飛び回る。
「グオォァッ…!?ハ、ハクヤァッ…!ナニヲ、シテイル…!?ハヤク、メヲサマセ、ハクヤァッ!オレニ、モットチカラヲォッ…!オレニ、アタラシイヘッドヲォッ…ヨコセェッ…!」
「…! ルアンソン…。」
DRルアンソンはシュヴァルティアフォンフェルたちの攻撃を受けながらインフィニティアトワマリーの出現させた虹の城に右手を伸ばした。
「アレハァッ、オレガ、テニイレルハズダッタ、シロ…!アソコニハ、トミモアル!メイセイモアル!シアワセノ、ナニモカモガアッタ…!トワマリー、オマエノ、アイモォッ…!」
「…もう終わりにするよ、ルアンソン…!私たちが引き摺ってしまった誤った関係を…!今を生きる人たちの暮らしにまで影響を与えてはならないから…!」
インフィニティアトワマリーはそう静かに言うと左にブルームウィッチの箒、右にクラウドウィッチの箒を出現させ、DRルアンソンに向かって飛んだ。
「私の力は涙と共に…!多彩な姿は私たちの強さ!だからこそのインフィニティア!まずはブルームウィッチの力!」
エタニティアトワマリーはブルームウィッチトワマリーに変身し、DRルアンソンの周りを飛び回って箒針や星型・パンプキン・キャンディー型の爆弾を投下。
機械の鳩二羽、コウモリ二羽、黒猫二匹を攻撃に参加させた。
「続けて、クラウドウィッチの力!」
ブルームウィッチトワマリーはクラウドウィッチトワマリーに姿を瞬時に変え、空に暗雲を出現させて雷や太陽光線、雨もDRルアンソンに浴びせた。
「城に眠りし我が兵たちよ!我が武器を持ち、姿を見せよ!」
トワマリーはインフィニティアの姿に戻り、宙にヌンチャクやストリングス、クローズゲートを出現させた。
クローズゲートはDRルアンソンの周りに配置される。
「進軍開始!」
宙を浮いた兵士たちは突撃し、ヌンチャクを振り回したり、ストリングスに大型リングを結び付けてヨーヨーのようにしたりとでDRルアンソンに攻撃する。
クローズゲートも活用し、DRルアンソンを全方位から攻撃した。
「今の私たちなら、イーグルの力で暴走したりはしない!」
インフィニティアトワマリーはリベルテ=イーグルトワマリーとなり、高速移動。
DRルアンソンに飛び蹴りを喰らわせ、顔面をクローで殴った。
その後、後ろへと宙返りしてインフィニティアトワマリーの姿へと戻った。
「来て、前世よりの再現剣!インフィニティアブレード!」
城から現れた無数の妖精たちが一本の剣を運んできた。インフィニティアトワマリーは右手でその剣を掴み、刀身をDRルアンソンに向けた。
「オーバーディサイドが作りし虹の力よ、今ここより我が剣に宿れ!」
インフィニティアトワマリーはインフィニティアブレードを持った右手を上に上げ、城から出た無数の虹の光を刀身に集わせた。
「ト、トワマリィィィィィーーーーーッ!!」
DRルアンソンは電流を纏わせた大きな火の玉を作り、インフィニティアトワマリーに飛ばした。
「私は今度こそ、我が妹を守って見せる!そう決めた!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式たちはDRルアンソンが発射した電流を纏わせた火の玉を斬り刻み、消滅させた。
インフィニティアトワマリーが持つ剣は虹色の輝きを放っており、もはや刀身は見えず、光の刃と化していた。
「行っちゃえ、トワマリー!!」
「ルアンソォォォォォーン!!」
インフィニティアトワマリーは両手にインフィニティアブレードを持ち、縦一閃。
直撃したDRルアンソンは光に包まれ、どんどん装甲が剥がれ落ちていく。
「…あなたとはもっとちゃんと話をしていれば、こんな悲しい再会はしなかったかもしれない…。さよならは言わない…。またね、ルアンソン…。」
光の中、ボロボロになったルアンソンは元のサイズに戻って行く。
「…へっ、何だよ…。もう何も見えねぇや…。また、つまんねぇの…。」
竜の頭を失い、胸の顔にも次元の斬撃を喰らったルアンソンはもはや何も見えないようだった。
「二度目の生を得られても、結局前と…そう変わんないじゃんか…。せっかく、現世に…復活できたってのに…もっと二度目の生を謳歌して、遊んでれば良かったかなぁーっ…。更なる絶望を見たのは、俺の方だったか…。こんなんじゃ、何度蘇っても…意味…ない…や…。トワ、マリー…。」
ルアンソンは光の中へと消えていく。光が収まった後、もうルアンソンの姿はなかった。




