312章 愛情のインフィニティア
「やったね、フォンフェル、潤奈…!」
ディヴェロップメントフォックスを倒したシュヴァルティアフォンフェル弐式と合流した道人は二人の健闘を讃えた。
「…うん、でも…。」
「あぁ、今のこいつには迂闊に力を振るう事はできないな…!」
DRルアンソンの身体にはハクヤが捕らわれている。
ハクヤの死は友也の死を意味するので道人たちはシュヴァルティアフォンフェル弐式が戦っている間は様子を見て策を練っていた。
フィフスドラグーン・ジークヴァルグやSWダーバラ、イモータルティアトワマリーが宙を舞ってDRルアンソンの注意を逸らしてくれている。
その間に残念ながらショットサーベルルブランは先に時間切れとなって愛歌のスマホに帰ってしまった。
「とにかく、どうにかして奴の身体からハクヤを引き剝がさないとどうしようもない…!」
「くっ、このまま手をこまねいていてはせっかくのフィフスドラグーンの姿が…!」
こうしている間にもフィフスドラグーン・ジークヴァルグの時間切れは迫る。道人とフィフスドラグーン・ジークヴァルグにも焦りが見えた。
DRルアンソンは周りに炎と雷を発して無差別攻撃をして来たので話をしていた道人とシュヴァルティアフォンフェル弐式たちは散開した。
「…私たちがディールマーシャルからマーシャルを助けた時の手を使えれば何とかできるかもしれない…!」
「えぇ、幸い邪魔だったディヴェロップメントフォックスは私たちが倒した…!」
「…でも、ディールマーシャルがコードでマーシャルの身体を繋いでいたのに対して…!」
「こいつはハクヤの両手両足を体内に取り込んでハクヤをぶら下げた状態だ…!そこが厄介ですね…!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式と一体化した潤奈はDRルアンソンが放出する炎と雷を避けながら策を練っていた。
敵の攻撃で離されずに会話できるのは一つの身体に複数の意思を宿せるオーバーディサイドだからこその強みだ。
「分析…!分析するんじゃ、俺ぇっ…!」
大樹も鎧の機能を使って何とかこの状況の打開策を編み出そうとしていた。
「大樹、あっしの【鉄絆法師】の力で…!」
フィールドカサエルはホバーで動き回りながら水流やペイント弾を発射してDRルアンソンに当てて注意を逸らしていた。
「いや、ルアンソンにトワマリーやフォンフェルの記憶を与えて思い出させるのはかえって逆効果な気がするぞい…!憎しみの力で更にパワーアップしそうじゃ…!」
「そうさぁっ…!せっかく愛歌たちの助けになろうと来たのにあっしながら不甲斐ないさぁっ…!」
フィールドカサエルは自分の無力さを嘆き、両拳を震わせていた。
「…あれなら、何とか…。しかし、でも…。」
「大樹、何か策があるのさぁっ?」
「い、いや、まだ考えさせてくれ…!タイミングが大事なんじゃ…!」
大樹には何か考えがあるようだった。最後のヘッドチェンジを出し惜しんいるのもそのためのようだ。
「くっ、このままじゃ…! …パパ…!」
こうしている間にもイモータルティアトワマリーの時間切れも迫って来る。
愛歌は涙を流しながらデバイスを見ていた。
「…諦めないで、愛歌!」
「…! 潤奈?」
愛歌は潤奈の声が聞こえて来たシュヴァルティアフォンフェル弐式の方を見た。
「…大丈夫、あなたのお父さんは死んだりなんかしない…!愛歌に私と同じ悲しい思いは絶対にさせたりなんかしない、させるもんか…!私たちが絶対に助けて見せる…!」
「潤奈…。」
潤奈の愛歌への励ましの言葉には自身の故郷を滅ぼされた悲しみの重さが乗っていた。
愛歌は眉を強め、流れる涙を両手で拭いた。
「強いな、潤奈は…!そうだよね、パパの娘であるあたしが真っ先に諦めかけてどうするんだって話よ…!よし、あたしもその言葉に応えないとね…!」
愛歌は目を瞑り、トワマリーのデバイスを両手で持ち、胸に当てた。
「応えて!そして、見せて!あたしたちのディサイド!あたしたちの強き決心をこの状況を打開できる力に…!」
愛歌がそう言うとデバイスが光り出し、仮面がデバイスの中から出て来た。
「…! 間違いなく、絶対に!これはこの状況を打開できるあたしたちの力!ありがとう、プライドスライド!」
愛歌がそう叫ぶと仮面が愛歌の顔に付き、ピンク色の鎧を身に纏った。
王冠を付け、楽器のフルートを右手に持ち、女王のような姿となった。背中にはピンクの羽が生えている。
「愛歌、姿ガ…!きゃアッ!?」
「トワマリー!」
イモータルティアトワマリーは姿が変わった愛歌に気を取られた隙を狙われ、DRルアンソンに右手で殴られて吹っ飛んでしまった。
「キシャァッ!」
DRルアンソンは宙に舞って無防備となったイモータルティアトワマリーに対して断頭剣を振ろうとする。
「トワマリー!!」
愛歌はその場から飛び、イモータルティアトワマリーの救援に向かった。
「させんぞ!行くぞ、みんな!」
フィフスドラグーン・ジークヴァルグたちはDRルアンソンがイモータルティアトワマリーに対して断頭剣を振れないように顔を主に攻撃し、気を散らした。
鬱陶しがったDRルアンソンは周りに電流を散らした。
「飛べ、あたしの音符!」
愛歌が仮面の口部分にフルートを付けて鳴らすと無数の音符が出現し、DRルアンソンを攻撃した。
「トワマリー!」
愛歌は右手を思いっきり伸ばし、落下するイモータルティアトワマリーの元へとどんどん近づく。
「あ、愛歌…!」
イモータルティアトワマリーも愛歌に向かって右手を伸ばした。
「トワマリー、待ってて!あたしは今、あなたの頭になる!」
『オーバーディサイド、解放。』
愛歌の鎧がピンク色に輝きだし、愛歌とイモータルティアトワマリーはお互いに右手を掴み合った。
イモータルティアトワマリーは姿勢を整え、元のトワマリーの姿に戻った。
「行くよ、トワマリー!あたしがいる限り、トワマリーの頭はなくなったりしない!絶対にぃっ!ヘッドチェンジ!!」
愛歌が縦に高速回転するとトワマリーの新たなピンク色の頭に変化し、トワマリーは両手で新たな頭をキャッチした。
「頭着ッ!」
トワマリーは両手で持った頭を自分に付けると幻影の愛歌と前世のトワマリーが出現し、互いにハイタッチ。そうすると周りに新たな鎧のパーツが出現した。
両肩・両腕・両足と装着され、背中に折りたたまれたウイングも装備される。胸部装甲もつき、右手に大きなフルートのような杖を、左手に装飾剣を持った女王の姿となった。
「女王新生!インフィニティアトワマリー!」
インフィニティアトワマリーは折り畳まれた羽を思いっきり広げ、背後に七つの虹を出現させてみせた。
同時に宙に大型リングが七つ出現した。
「やった、愛歌とトワマリーもオーバーディサイドを…!?」
「あぁ、良きディサイドだ…!」
道人とフィフスドラグーン・ジークヴァルグたちも愛歌とインフィニティアトワマリーのディサイドが生み出した新たな姿を見て驚嘆した。
「ウゥッ、ジョオウ…!トワマリィーッ…!」
「トワマリー、もう…!」
「わかってる、愛歌…!この戦いも長き因縁も、ここで終わりにしよう、ルアンソン…!」
ルアンソンとの決着を口にするインフィニティアトワマリー。
愛歌がトワマリーの新たな頭となったからか、インフィニティアトワマリーの発声機能は正常な状態となっていた。




