311章 純真のシュヴァルティア
「あれが、オーバーディサイド…?」
潤奈と合体し、オーバーディサイドへと至れたシュヴァルティアフォンフェル弐式。
二人は以前、フランスでのビーストヘッドの試練でイーグルとヴィーヴィルに目指すように言われた境地にここに至って達する事ができた。
「凄まじい潜在能力だ…!これならば…!」
「…うん、行けるよ!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式は潤奈が話す際だけ頭部の目をチカチカ点滅させた。
「シュヴァルティアの神髄…今、見せる!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式は身体から紫のオーラを放つとあっという間にその場から消え、近くにいたディヴェロップメントフォックスの一体に飛び蹴りをお見舞いした。
「斬り裂け、シュヴァルティアマフラー!」
シュヴァルティアフォンフェルは蹴りをお見舞いしたディヴェロップメントフォックスを蹴り上げ、高く上空に飛びながら光彩の紫マフラーをムチのように振り回してディヴェロップメントフォックスたちを蹴散らして見せた。
「御意にぃっ!」
「貴様、さっきから聞いていれば御意に御意にと…!意味がわかっていっているのかぁっ!?」
「御意にぃっ!?」
シュヴァルティアフォンフェル弐式の激昂に対し、ディヴェロップメントフォックスたちは恐れを見せた。
シュヴァルティアフォンフェル弐式は着地すると大きな可変型手裏剣を出現させた。
「潤奈!」
「…うん!手裏剣に纏うはアヤメ、舞うが蝶が如く!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式が巨大可変型手裏剣を投げると蝶型に変形し、ディヴェロップメントフォックスたちの周りを不規則に飛びまわる。
「私の出番ですね!」
手裏剣から刀を持った何人ものアヤメが投影され、現れては消えを繰り返し、ディヴェロップメントフォックスたちに斬撃をお見舞いした。
ディヴェロップメントフォックスの分身たちは次々と消滅していく。
「御意に、御意にぃっ!」
油揚げに姿を変えて透明化し、何とか生き残ったディヴェロップメントフォックスの分身二体が尻尾を武器に変えて、シュヴァルティアフォンフェル弐式に向かって襲い掛かって来た。
「…続けて現れて、手裏剣!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式が両手の刀でディヴェロップメントフォックスの攻撃を防いでいる最中に潤奈が叫ぶともう一つ巨大可変型手裏剣が出現した。
「…手裏剣に纏うはヴィーヴィル!荒々しく吠える黒き飛翔!」
投げられた巨大可変型手裏剣は四枚刃から八枚刃となり、ヴィーヴィルの姿が投影された。
ヴィーヴィルが吠えると超音波が発生し、ディヴェロップメントフォックス二体の身体にヒビを入れ始めた。
「御意!?」
「これぞ私と潤奈、アヤメとヴィーヴィルの集大成…!個の力にして、その実は集の力なり!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式は投影されたアヤメとヴィーヴィルと共に刀と牙、翼で二人と一匹で舞うかのように斬撃を加えてディヴェロップメントフォックス二体を消滅させてみせた。
「…すごい…!仮面の力のおかげなのか、私に肉体的な負担が一切ないのがわかる…!このディサイドの力が尽きない限り、制限時間もない…!」
「えぇ、おかげで潤奈の身体の事を気に掛けず、遠慮なく力を振るう事ができる!」
「御意にぃ~っ…!」
ディヴェロップメントフォックスは意地になったのかすぐに分身体を補充し、尻尾を武器に変えてシュヴァルティアフォンフェル弐式に向かって突撃した。
両手にハンマーを持ってやけくそ気味に振り回して来た。
「悪いが、多人数を相手にするのは得意なんだ…前世の頃からな!いや、もう相手にするまでもないか!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式はヴィーヴィルを纏わせた巨大可変型手裏剣を右手で掴み、二つに分離させて刀モードに変えた。
纏わせたヴィーヴィルのオーラは二つの刃に宿ったまま、シュヴァルティアフォンフェルは襲い掛かるディヴェロップメントフォックスたちを蹴散らして見せた。
「我、全身まさに刃物なり…!」
「…斬!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式はマフラーや両手に持った刃、アヤメが宿った大型可変型手裏剣で速攻でディヴェロップメントフォックスの分身たちを消して見せた。
「御意に!?」
「このシュヴァルティアに込められた純真の輝きからすれば、お前の分身体などすぐ消えるまやかし同然と知れ!」
「御意にぃーっ!!」
本体だけになったディヴェロップメントフォックスは透明になれる油揚げを活用して消えたり現れたりしてシュヴァルティアフォンフェル弐式へと駆ける。
懲りずにまた分身体も現し始めた。
「悪いが、お前の相手をするのに時間を掛けていられないのでな…!これで終わらせる!」
ディヴェロップメントフォックスは尻尾のハンマーと槍を投げた後、両手に持った剣と棍棒で襲い掛かる。
弾き返されたハンマーと槍を尻尾で巻いて回収し、連続攻撃をシュヴァルティアフォンフェル弐式に繰り出して来た。
分身体たちもたくさんの武器を投げては振り回しを繰り返してシュヴァルティアフォンフェル弐式を包囲した。
「フォンフェル!」
飛行形態のソルワデスが飛んできて二門のビームを連射し、群がったディヴェロップメントフォックスたちを散らせてくれた。
「援護しよう!」
「ソルワデス…!感謝する!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式は飛行形態のソルワデスに飛び乗った。
「悪いが、分身は私も得意でな!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式は三体に分身し、周りに鎧姿の潤奈やヴィーヴィル、アヤメの幻影も出現させた。
「…分身体をそれぞれヘッドチェンジ!シャドー、【夢幻】、イノセンス!」
潤奈がそう言うと分身体のフォンフェルたちに新たなヘッドが装着された。
「…アヤメにダンゾウ!」
アヤメもヘッドチェンジし、ダンゾウアヤメに変化した。
「必殺のシュヴァルティアコンビネーション!お前はもう地面には立てず、その頃を思い出せない…!」
フォンフェル【夢幻】が印を結んで竜巻を発生させ、ディヴェロップメントフォックスをその中に閉じ込めた。
シャドーフォンフェルが大型手裏剣で、イノセンスフォンフェルが刀とマフラーで竜巻の中にいるディヴェロップメントフォックスを斬り刻む。
「御意にぃーっ!!」
ディヴェロップメントフォックスはハリネズミのように尻尾を武器に変えてみせ、足掻いて来た。
「これより私は【ハクヤ】なり…。」
「御意!?」
ダンゾウアヤメがそう言うとディヴェロップメントフォックスは攻撃の手を止めた。
ダンゾウの能力により、ディヴェロップメントフォックスの目には今のアヤメは主人であるハクヤに映っている。
「…アヤメ!」
「潤奈!」
潤奈は槍の高速突きで竜巻の中のディヴェロップメントフォックスを八つ裂きにし、ダンゾウアヤメも現れては消えを繰り返して刀で斬り刻む。
最後にヴィーヴィルが大口を開け、ディヴェロップメントフォックスに噛みついて上空にぶん投げた。
ディヴェロップメントフォックスが吹っ飛んだ先には飛行形態のソルワデスに乗ったシュヴァルティアフォンフェルが既に待ち構えていた。
「統合せよ、我がシュヴァルティア!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式の右腕に持った刀に潤奈、アヤメ、ヴィーヴィル、自分の分身三体を集めさせ、虹色に輝く竜のオーラを刃に纏わせた。
飛行形態のソルワデスは宙でUターンし、宙に浮いて無防備なディヴェロップメントフォックスに飛んで向かう。
「前世から現代まで私は今までの出会い全てに感謝する…!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式はディヴェロップメントフォックスを通り過ぎ、人型形態に変形したソルワデスと共に地面に着地した。
ディヴェロップメントフォックスの周りに虹色のオーラが漂う。
「…斬ッ!!」
シュヴァルティアフォンフェルがそう叫ぶとディヴェロップメントフォックスを上半身と下半身が真っ二つになった。
宙に舞った虹色のオーラの形が変わり、ヴィーヴィルの大きな顔となってディヴェロップメントフォックスを大口で食して消滅させた。
「凄まじいな、あれがシュヴァルティアフォンフェルか…!」
「こっちはこっちで大変だから、よくは見られなかったけど…!あっという間にあの厄介なディヴェロップメントフォックスを倒しちゃった…!」
暴走するDRルアンソンの相手をしているフィフスドラグーン・ジークヴァルグと道人は戦いの最中でもシュヴァルティアフォンフェル弐式の圧倒的な力を見ており、驚きを隠せなかった。
「これで邪魔な狐は片付いた…!後は道を誤った竜使いのみ…!」
「…まだまだ行けるよね、フォンフェル?」
「御意!前世の後悔も、発作の事も今の私たちにはもう関係ない…!まだ未知数なこの力、存分に振るってみせよう!」
シュヴァルティアフォンフェル弐式はディヴェロップメントフォックス討伐後、そのままDRルアンソンとの戦いに加わった。




