306章 竜使いと狐の神髄
「そろそろ時間切れだよね…!」
愛歌はドラゴンキラーナイトの時間切れが迫っている事を意識しながら周りのデュラハンたちの戦いを見ていた。
「くっ、油揚げは一体どこに…!?」
VCBハーライムは今付けているヘッドが時間切れになる前にディヴェロップメントフォックスの一体に殴り掛かり、多数の小型ブーメランと合わせてリズムよく攻撃していた。
VCBが解除されると同時にディヴェロップメントフォックスの身体を蹴って飛び上がる。
「道人!」
「任せて!」
道人はスマホを操作し、ハーライムにブーメランヘッドを装着させた。
ヴァリュアブルチェンジブーメランはジークヴァルがオリハルコン化した後にハーライムが引き継ぐ形となって残った二分分経過で解除。ハーライムの実体化時間は三分なので後一分。ブーメランヘッドは一分分しか使えない事になる。
「よし、カサエル!ビースト状態を継続するぞい!」
「わかったさぁっ!」
「ビーストヘッドに命ずる!二回目のヘッドを犠牲にし、ビースト状態を延長じゃぁっ!」
『HEAD BYTE』
『皆』=狸夢操士カサエルはビーストヘッドを継続して使う形となった。
ドラゴンキラーナイトトワマリーのヘッドの時間切れももう近い。
「ちっ、しゃらくさいねぇっ!」
ダーバラは空中で飛び回る機械飛竜四匹の相手をしている。
鉄扇で機械飛竜の吐く炎を防いでいた。
『道人、ガイアグレートの突破力ならば…!』
ガイアグレート・ジークヴァルが道人に念話を送って来た。
『うん、みんなの連携力なら…!一気に九体の狐たちを消滅させられるはず…!それで本体をあぶり出す…!』
「行くよ、ジークヴァル!みんな!」
「あぁ!まずは一つ!」
ガイアグレート・ジークヴァルはまず自分が相手をしているディヴェロップメントフォックスを二振りの剣で罰の字で斬って消滅させた。
「道人!」
ガイアグレート・ジークヴァルはディサイドレーヴァテインを道人に投げ渡し、受け取った道人はメタリー・ルナブレードとの二刀流になった。
宙に浮く四つのブレードフェザーと共に駆ける。
「足をやってぇっ!」
道人は二つのブレードフェザーで二体目のディヴェロップメントフォックスの二本の足を斬ってダルマ状態とし、燃える刀身のディサイドレーヴァテインで胸を貫いた後、メタリー・ルナブレードをブーメランに変形。
刺さっているディサイドレーヴァテインを押し込む形でメタリー・ルナブーメランを叩き込んで消滅させた。
「これで二体!」
道人はメタリー・ルナブーメランをそのまま投げ飛ばしていて、ソルワデスがキャッチした。
「三体目は私が!」
ソルワデスはメタリー・ルナブーメランをブレードに変形させ、両手で持って三体目のディヴェロップメントフォックスをぶった斬ってみせた。
両肩からニードル弾を連射し、三体目のディヴェロップメントフォックスをまるでハリネズミのようにさせて消滅させた。
「四体目は!」
「俺だぁっ!」
ヤジリウスの声を聞いたソルワデスはメタリー・ルナブレードをヤジリウスに向かって投げた。
跳び上がったヤジリウスは右足でメタリー・ルナブレードを蹴って方向を修正し、左足を思いっきり上に上げた。
「どっせい!」
ヤジリウスは左踵にメタリー・ルナブレードの持ち手を当ててそのまま下降。
踵落としで四体目のディヴェロップメントフォックスの頭をメタリー・ルナブレードで突き刺して消滅させた。
「ハーライム!」
「あぁ!」
ディヴェロップメントフォックスの前にガイアグレート・ジークヴァル、後ろにダブルブーメランハーライムが配置し、互いにすれ違い様に五体目のディヴェロップメントフォックスを斬り裂いた。
その後、二人はダブルブーメランとジグザグブーメランを投げ、残りの四体のディヴェロップメントフォックスたちの行動を妨害した。
「喰らえ、ガイア・ブラスター!」
ガイアグレート・ジークヴァルはガイア・ブラスターを発射しながら六体目のディヴェロップメントフォックスの一体に浴びせながら接近。
六体目のディヴェロップメントフォックスはガイア・ブラスターを浴びている最中に背後からジグザグブーメランが直撃した。
のけ反った六体目のディヴェロップメントフォックスに対してディサイドヴァルムンクを突き刺した。
「まだまだぁっ!」
ガイアグレート・ジークヴァルはディヴェロップメントフォックスが消滅する前に、ディサイドヴァルムンクに突き刺したディヴェロップメントフォックスをハクヤの近くにいる七体目のディヴェロップメントフォックスに向かってぶん投げた。
宙に舞う札に守られたハクヤは構えを取り、護衛をしていたディヴェロップメントフォックスから距離を取った。
「カジート、私の手に!」
「おう!」
ガイアグレート・ジークヴァルはぶつかってぐったりしている二体のディヴェロップメントフォックスに向かって跳び、左手にカジートブレードを持った。
「しゃぁっ!」
ヤジリウスは両肩の鞘から抜刀し、次元の刃を飛ばして二体のディヴェロップメントフォックスに当てた。
ガイアグレート・ジークヴァルはそれに続く形で斬撃強化がされたディサイドヴァルムンクの横一閃で二体まとめてディヴェロップメントフォックスを消滅させた。
「出でよ、亜空間!」
ガイアグレート・ジークヴァルはカジートブレードを振り、宙に亜空間の裂け目を作って飛び込んだ。
八体目のディヴェロップメントフォックスの右に亜空間の裂け目が発生し、そこから現れたガイアグレート・ジークヴァルは飛び蹴りを喰らわした。
「御意にぃっ!?」
「これで!」
「八体目だ!」
ガイアグレート・ジークヴァルは逆手に持ったディサイドヴァルムンクを八体目のディヴェロップメントフォックスに突き刺し、背後から道人が両手で持ったディサイドレーヴァテインで真っ向から竹割りをお見舞いした。
「俺たちも!」
「道人たちに続くさぁっ!」
『皆』=狸夢操士カサエルは残り一体のディヴェロップメントフォックスに対して夢瓶のコルクを開け、海賊船を出現させた。
ブランコのように前後に動く大きな海賊船がディヴェロップメントフォックスに直撃し、上空に吹っ飛んだ。
「ー狐、打ち取ったりぃっ!」
四匹の鎧狸は地面に落ちたディヴェロップメントフォックスに対して各々の持つ武器を突き刺して消滅させた。
「よし、これで全部倒したぞ!補充してみせろ!」
道人はそう言うと油揚げ状態となっている本体のディヴェロップメントフォックスを目で捜した。
「な、何…?一分も経たずに九体のディヴェロップメントフォックスを消して見せただと…?驚いたな、さすがはここまで戦い抜いてきただけの事はある凄まじい連携力だ…。」
ハクヤはあっという間にディヴェロップメントフォックスの分身を全て消滅させてみせた道人たちに驚いていた。
「甘いわね!今の道人たちにとっちゃ、デストロイ・デュラハンなんて相手じゃないのよ!」
「そっちこそ甘いぞ、愛歌。だからこそ、私は最終決戦にもついていけるデストロイ・デュラハンであるディヴェロップメントフォックスを連れて来たのだ。」
得意げにする愛歌に対し、ハクヤはデストロイデバイスを見せて来た。
「ディヴェロップメントフォックス、リミッターリムーバル・アクセルブースト。」
ハクヤがそう言うとデストロイデバイスを変形させた。
「ここでデストロイ・デュラハンのリミッター解除か…!どう出て来るつもりだ…!?」
道人たちは姿を消したまま形を変えたであろうディヴェロップメントフォックスに対して警戒心を強めた。
「おわっ!?」
「ヤジリウス!?」
ヤジリウスが急に背後から攻撃を受け、地面に倒れた。
ダブルブーメランハーライムが駆け寄って起き上がらせた。
「くっ、一体どこから攻撃を…!?みんな、気を付けて!」
「がんばってね、狐ちゃん。さて、ミーもあいつらに触発されて見せようじゃないか、ドラゴニックソーサラーの神髄!我が竜たちの華麗なる舞をねぇっ!」
DSルアンソンはドラゴンキラーナイトトワマリーと剣をぶつけ合っている最中に高くジャンプし、牙を立てた四体の二足歩行竜にドラゴンナイトキラートワマリーを襲わせた。
「見せられるもんなラ、見せてみなさいヨ!戦下手のルアンソン!」
ドラゴンナイトキラートワマリーは横に一回転して二足歩行の機竜たちの接近を一瞬止めさせた。
「一ツ、二ツ、三ツ、四ツゥッ!」
ドラゴンナイトキラートワマリーは四体の二足歩行の機竜に対し、瞬時に袈裟斬り・逆袈裟斬り・横一線、最後に両手で剣を持って真向斬りをお見舞いした。
「くッ、もウ…!ならァッ!」
ドラゴンナイトキラートワマリーは刀身の発光を強め、力込めて剣を握り直した。
「飛べ、竜殺しの刃!」
ドラゴンナイトキラートワマリーは赤い斬撃をDSルアンソンに飛ばした。
「女王様渾身の斬撃!当たれば良かったのにねぇっ!」
DSルアンソンは影の竜二体を盾にし、その場を離れた。
影の竜二体は斬撃によって消滅し、トワマリーは元の姿に戻った。
「懐かしい…!懐かしいぞぉっ…!竜相手に剣を振るう女王様のその姿…!」
「…!? ルアンソン、あなタ…!?」
DSルアンソンは徐々に前世の記憶を取り戻しつつあるようだった。
「トワマリー、しっかり!」
「…! 愛歌、ごめン!」
愛歌の声を聞いてトワマリーは気を取り直し、小型リング二つを両手に持って後ろに下がる。
「地龍を投げろ、竜人たち!」
トワマリーに斬られた二足歩行の機竜たちは一旦、トワマリーから離れて地龍の尻尾を掴んでジャイアントスイングをし始めた。
二足歩行の機竜たちはそのまま機械地龍をトワマリーに向かってぶん投げた。
「私一人相手ニぶん投げとか馬鹿でショ!」
トワマリーは高く跳び上がり、向かって来る四体の機械地龍たちが互いにぶつかり合うように仕向けた。
案の定四体の機械地龍たちが衝突し合った。
「ほら見テ!言わんこっちゃなイ!」
「ははん、まるで竜の階だぁーん!」
DSルアンソンは衝突した機械地龍を足場にしてあっという間にトワマリーの正面に姿を現した。
「もらった!」
「くっ、させなイ…!」
DSルアンソンの断頭剣の横一線をトワマリーは小型リングで弾いて下に落下した。
「地龍ちゃんたち、ご馳走が落ちて来るよ!」
「なッ…!?」
トワマリーの落下地点に四体の機械地龍たちが待ち構え、大口を開けていた。
「上の竜、下にも竜ってやつだ!」
「そんな前門の虎、後門の狼みたいに言ったってぇっ!」
愛歌は急いでデバイスを操作。落下するトワマリーの真下に二つの小型リングを配置した。
トワマリーは小型リングの一つを手で掴んで宙返りし、宙に浮かぶ。
「来て、ルブラン!」
愛歌はスマホから光の玉を飛ばし、ルブランを実体化させた。すぐにショットサーベルヘッドを装着し、サーベルで四体の機械地龍たちを散らした。
「ありがとウ、ルブラン!」
「お早く!」
何とか大勢を整えられたトワマリーは宙に浮いた小型リングを階段のようにして跳び跳ね、SSルブランの近くに着地した。
「王女の近くに、騎士だとぉっ…!?しかも、女騎士だとぉっ…!?」
「…? ルアンソン…?」
DSルアンソンは急に右手を顔に当てて苦しみ出した。
身体から黒いオーラを漂わせ始める。
ハクヤにもDSルアンソンの身に起こっている事がわかっていないようだ。
「消えろぉっ!消えろ、女王様ぁっ!」
DSルアンソン背後の黒いオーラは竜の形となり、トワマリーとSSルブランに襲い掛かった。
「くっ、早くトワマリーのヘッドチェンジを…!」
愛歌は慌てて右肩に乗っているリベルテ=イーグルデバイスを左手に持とうとするが、DSルアンソンが発する黒い竜の爪がSSルブランを吹っ飛ばした。
「ぐあっ!?」
「ルブラン!」
吹っ飛んだルブランの身を案じたトワマリーだったが、その間にDSルアンソンが黒いオーラの竜と共に迫る。
「王女様を今度こそぉっ、頭を!身体を!ドレスをぉっ!ミーの手で、俺の手で滅茶苦茶にぃ~っ!」
「私の妹に…!」
「えっ…?」
愛歌の右側から何かが素早い動きで黒い影が通り過ぎて行った。
愛歌のとなりに誰かが着地する。
「手を出すなぁっ!」
「なっ、にぃっ…!?」
黒い影は跳び蹴りをDSルアンソンに喰らわせ、すぐに回し蹴りも喰らわせて後ろに下がらせた。
黒い影はトワマリーとSSルブランの前に着地した。
「…ごめん、愛歌。遅くなっちゃったかな?」
「じゅ、潤奈!?って事は…?」
愛歌は急に現れた潤奈を見て驚いた後、トワマリーとSSルブランの前に黒い影の正体に目を向けた。
「お姉ちゃン!」
「はい、トワマリー!新生せし『フォンフェル弐式』、ここに見参!」
フォンフェル弐式は両手に持った刀を逆手に持ち、DSルアンソンの前に立ちはだかった。




