304章 竜使いの反逆者と竜殺しの女王騎士
「ヘッドチェンジ。ツインドラゴニックアーマー。」
ハクヤがデバイスにカードをスラッシュするとルアンソンに竜の顔の意匠が施された頭が新たに装着され、紫竜の顔の両肩パーツが装着された。胸部にも中華風の鎧が新たに装着されてツインドラゴニックアーマールアンソンに姿を変えた。
「ヘッドチェンジ!ドラゴンキラーナイト!」
『あなたは竜が憎いですか?』
「憎くはないわ!あたしたちは竜を悪用する者を断つ!」
『承認。』
トワマリーに赤い女騎士のような頭部と鎧、白いマントが装着され、右手に真っ赤に発光する剣を持ったドラゴンキラーナイトトワマリーとなった。
「…! メタ効果を持つヘッドか…?」
「確かにメタだけど、このヘッドはメタなしでも打点がある!どんなコンテンツでもドラゴンは人気の題材!だから、使う事にしてみた!竜メタでも割と刺さる時は刺さるんだから!」
「な、何だか怖いです…。」
「だ、大丈夫だよ!ユーラに向く事はないし!ね?」
愛歌の発言を聞いて竜の姿であるユードラ・オリファルゴンになれるユーラが怖がったので道人は慌てて慰めてあげた。
その後、道人は分身がやられても補充する事ができるディヴェロップメントフォックスの謎を突き止めるため、ガイア・ジークヴァルたちの戦いに集中し直した。
「さァ、お相手願えるかしラ、ルアンソン?」
ドラゴンキラーナイトトワマリーは気分は女王様モードとなり、首を少し傾けて右手に持った剣をTDAルアンソンに刃を向けた。
「ははっ!汚してやるぞ、女王様!」
TDAルアンソンは両肩から黒い影の竜を二体飛ばして来た。
「何が予測できないヘッドよ!」
「ルアンソンガ竜使いなのハわかってるシ!」
ドラゴンキラーナイトトワマリーは五つの小型リングを足場にし、向かって来る二体の黒い影の竜から一旦距離を取った。
上空で構えを取り、繰り出した横一閃で黒い影の竜の一体を霧散させた。
「吸エ、竜殺しの剣!その怨念ヲ!」
ドラゴンキラーナイトトワマリーの持つ竜殺しの剣は竜を一体倒した認識をして刀身の発光が強まった。
「なるほど、竜を斬れば斬る程にどんどん強化されていく剣か。面倒だな。」
着地したドラゴンキラーナイトトワマリーは残った一体の影の竜も斬ろうとする。
残った一体の影の竜はTDAルアンソンの元に戻った。
「へへン!このヘッドはあなたたチ対策ってだけじゃなイ!竜殺しの剣士デあるジークヴァルとお揃イで愛歌にとっては別のモチベーション的な意味モ含めてあるんだかラ!」
「ト、トワマリー!余計な事は言わなくてよろしい!」
トワマリーの言葉を聞いて慌てた愛歌は頬を赤らめて道人の方を見た。
トワマリーの言う通り、ドラゴンキラーナイトの竜殺しの騎士要素はジークヴァルを意識したヘッドだと道人も思った。
「と、とにかく!そっちは相性がかなり悪いんだから覚悟なさい!」
「甘いな。相性の悪さなどは戦い方で覆し、補ってみせよう。」
「ドラゴンちゃん、いらっしゃい!」
TDAルアンソンがそう言うと影の竜が一体補充された。
「ルアンソン、ここは攻守一体の構え…あのヘッドの時間切れを待つのがベストだ。」
「わかったよ、ハクヤ。」
TDAルアンソンは一体の影の竜にとぐろを巻かせ、自身の身体を守らせる。
もう一体の影の竜をドラゴンナイトキラートワマリーに向かわせた。
「無駄ヨ、また斬っテ威力が増すだけだシ!」
「どうかなぁっ?」
TDAルアンソンが愛歌たちを舐めるように首を傾げるとドラゴンキラーナイトトワマリーに向かった黒い影の竜は急に伸縮した。
「…!? 小さくなっタ!?」
ドラゴンキラーナイトトワマリーは横一閃の後に縦に斬って十字斬りをお見舞いしようとしたが、小回りが利くようになった黒い影の竜には当たらなかった。
「喰らえぃっ、ドラゴンバイトォッ!」
TDAルアンソンがそう叫ぶと巨大化した黒い影の竜が牙を立ててドラゴンキラーナイトトワマリーの背後に回り、大口を開けて襲い掛かった。
「トワマリー!」
「大丈夫ヨ、愛歌!回れバ、この場ハ何とかル!」
ドラゴンナイトキラートワマリーはまるでコマのように回転し、大口を開けて襲い掛かって来た黒い影の竜を斬り消してみせた。
竜をまた一体倒せたので剣の発光は強まった。
「態勢を崩す攻撃とか!」
TDAルアンソンは回転し終えた後、地面に尻もちをついたドラゴンキラーナイトトワマリーに向かって突進。
新たに出現させた影の竜も身体に纏わせ、TDAルアンソンはドラゴンの黒いオーラを全身に纏わせた。
「ミーの両手は竜の牙!」
TDAルアンソンの両手に実体化した黒い牙が装着された。
両手の牙でドラゴンキラーナイトトワマリーを突き刺そうとする。
「トワマリーには近づけさせない!」
愛歌はデバイスで五つの小型リングを操作し、向かって来るTDAルアンソンの行く手を妨害した。
「はっはっ、トワマリーの真似ぇ~っ!」
TDAルアンソンは小型リングの一つを足場にして空高く跳び跳ねた。
「真似したばっかりニやられたんジャ世話ないネ!」
TDAルアンソンが高く跳んでいる間にドラゴンキラーナイトトワマリーは起き上がり、剣を構えて後ろに下がった。
「再びのドラゴンバイトォッ!しかも二倍!」
TDAルアンソンは二体の影の竜を合体させて大きな竜の顔に変えて地上にいるドラゴンキラーナイトトワマリーに向かわせた。
「ありがとウ、斬れ味も二倍増しヨ!」
ドラゴンキラーナイトトワマリーは両手に持った剣の光を強めて上に上げた。
「見様見真似ノォッ、一刀両断!」
ドラゴンキラーナイトトワマリーはまるでジークヴァルのように豪快に剣を振り下ろした。
影の竜の顔は霧散し、剣の光は更に赤身を増した。
「この剣はまるで竜の生き血を吸うかのように力を増していく!もう十分に強まったこの刃!」
「その身で味わエ、ルアンソン!」
愛歌の言葉を聞いたドラゴンキラーナイトトワマリーは突進し、TDAルアンソンに斬り掛かろうとする。
「女王陛下たちには致命的な見落としがある!それは俺自身は竜じゃないって事だ!それじゃあ、ナマクラ刀同然さ!」
『あなたは竜の力を宿した鎧を着ています。つまり、あなたは竜です。』
「剣が喋った!?」
ドラゴンキラーナイトトワマリーの持つ剣がデバイスと同じ声で喋った事にTDAルアンソンは驚いた。
「そ、そうよ。この剣は喋れちゃうんだから…!」
反応を見るに愛歌も知らなかったようだ。
「竜判定なラ問題なッシ!大人しク斬られテ、ルアンソン!」
愛歌はデバイスを操作してルアンソンの周りに五つの小型リングを配置した。
ドラゴンキラーナイトトワマリーはそれを足場にして跳ね回り、黒いオーラを纏ったTDAルアンソンを斬り刻む。
ドラゴンキラーナイトトワマリーが斬撃を繰り出す度に黒いオーラはズタズタになっていく。
「調子に乗るなよぉっ、女王様ぁっ!」
怒るTDAルアンソンが両手に力を込めて勢いよく横に出すと身体に纏った黒いオーラは大きな竜の顔となってドラゴンキラーナイトトワマリーに何度も口を開閉させて噛みつきに掛かった。
「くッ、さすがニ大きいナ…!」
ドラゴンキラーナイトトワマリーは剣を振り回しながら一旦後退した。
「このコケにされている感じ…!これだ、この憎悪だ…!この憎悪こそがミーを俺に変えていく…!」
TDAルアンソンはそう言いながら自分の顔に左手を当てて苦しそうにしていた。
「もっとだ、もっと思い出せ…!ミーが誕生する前の、俺の過去をもっと思い出せぇっ…!」
「ルアンソン…?」
TDAルアンソンの様子が何だかおかしいのでドラゴンキラーナイトトワマリーも不思議に思った。
「ミーが俺を思い出すまで、まだまだ付き合ってもらうぞ、トワマリィーッ!」
TDAルアンソンはそう言うと全身から発する黒いオーラを強め、背後に巨大な竜の影を纏いながら突撃して来た。




