303章 最速のオリハルコン
味方六体のデュラハン(ジークヴァル、カサエル、ヤジリウス、ソルワデス、カジート、ダーバラ)と四匹の狸、敵九体のディヴェロップメントフォックスにより、公園は瞬く間に大合戦場と化した。
トワマリーはルアンソンの相手を、フィールドフィールドトラッカーは道人たちの守りに入ってくれている。
フィールドトラッカーは苦戦している味方側デュラハンを見かけた際は消化弾を撃ったりと戦っているVCBジークヴァルたちのサポートもしてくれている。
『皆』=狸夢操士カサエルと狸たち以外はそれぞれ一対一でディヴェロップメントフォックスの相手をする形となった。
ディヴェロップメントフォックスは全部で九体いるが、残った二体はハクヤの守りに入っていた。
「御意にぃっ!」
ディヴェロップメントフォックスは大きな狐の尻尾を剣や槍、ハンマーなど色んな武器に変えた。
「…! 尻尾が武器に?」
ディヴェロップメントフォックスはVCBジークヴァルに対して、次々と両手に持つ武器を持ち換えて不規則な攻撃を繰り出して来た。
「やるな!ならば、私も剣を作る!」
VCBジークヴァルは背中から小さなブーメランをいくつも射出し、それを繋ぎ合わせて右手の甲と一体化した剣を作り出し、ディヴェロップメントフォックスに斬り掛かった。
ディヴェロップメントフォックスは高く跳び、宙で一回転して尻尾から無数の槍を発射して来た。
「ジークヴァルの方の主!」
カジートがカジートブレードに変形してVCBジークヴァルに加勢し、亜空間の裂け目を作り出して無数の槍を吸い込ませた。
無数の槍は少し離れた場所の地面に次々と突き刺さっては消滅した。
「ジークヴァルの方の主、俺も使え!」
「わかった!」
VCBジークヴァルは左手にカジートブレードを持ち、縦一閃。亜空間の裂け目を作り出してその中に入った。
「御意に!?」
ディヴェロップメントフォックスはいきなり消えたVCBジークヴァルを捜すために周りをきょろきょろし始めた。
カジートの相手をしていたディヴェロップメントフォックスも駆け付けてVCBジークヴァルは二体を相手にする事になる。
「こちらだ!」
ディヴェロップメントフォックスの右側に出現した亜空間の裂け目からVCBジークヴァルが姿を現した。
VCBジークヴァルは右腕の小型ブーメランを繋ぎ合わせたブレードでディヴェロップメントフォックスを刺し、消滅させた。
刺したと同時にブレードとなっていた小型ブーメランは周りに散らばって宙に浮き、残った一体のディヴェロップメントフォックスを攻撃し始める。
「ここからは殴りの時間だ!」
VCBジークヴァルはカジートブレードを手放し、両腕にボクシンググローブのようにブーメランを装着し、ディヴェロップメントフォックスに右、左とパンチを喰らわした。
「蹴りも持っていけ!」
VCBジークヴァルはディヴェロップメントフォックスを右足で蹴った後、続けて左足で回し蹴りを喰らわした。
「肉弾戦、御意にぃっ!」
ディヴェロップメントフォックスは吹っ飛びながら鉄棒を両手で掴み、三回転してVCBジークヴァルに向かって飛び蹴りと剣がたくさん生えた尻尾による突き刺しをお見舞いしようとする。
「宙に浮かんでいる小型ブーメランはこのためだ!」
「御意!?」
ディヴェロップメントフォックスは飛び蹴りの最中に宙に浮かんでいる小型ブーメランの雨を大量に浴びた。
その隙にVCBジークヴァルはすかさず拳を叩きこむ。
そうすると早くもVCBジークヴァルの両手が緑色に輝きだした。
「よし、俺たちの考案通りだ!行ける、これなら…!」
真輝や深也のアドバイスを聞き、ジークヴァルとソルワデスと一緒にパックを開けて作り出したレアフレームヘッドは会心の出来だと道人は確信した。
「御意に、御意にぃっ!」
ディヴェロップメントフォックスは回し蹴りと共に剣や槍がたくさん生えた尻尾でVCBジークヴァルを攻撃して来た。
「大き過ぎだな、この尻尾は!」
繰り出された蹴りを避けたVCBジークヴァルは尻尾を掴んで尻尾から生えた剣を腕や膝でへし折った。
「うおぉぉぉぉぉーっ!!」
VCBジークヴァルはディヴェロップメントフォックスの尻尾の槍の一つを両手で掴んでジャイアントスイングをやり始めた。
「ジークヴァル、近くで戦ってるダーバラの方!ダーバラが相手にしている狐の方に投げるんだ!」
「おう!」
VCBジークヴァルは道人の指示を聞き、ダーバラが戦っている方のディヴェロップメントフォックスに向かってジャイアントスイングしている方のディヴェロップメントフォックスをぶん投げた。
「援護かい?ありがたいねぇっ!」
二体の激突したディヴェロップメントフォックスに対し、ダーバラはムチと二つの鉄扇で打撃を与えた。
「カジート!」
「おう!」
VCBジークヴァルは近くに浮いているカジートブレードを手に取って亜空間の裂け目を作り出し、ぐったりしているディヴェロップメントフォックス二体のいるところまで瞬時に移動し、右足蹴りを喰らわした。
「ヤジリウス!」
「あいよ、主交代と行こうぜ!」
VCBジークヴァルはカジートブレードをヤジリウスに投げ渡した。
「おらぁっ!」
ヤジリウスは自分の二本の刀を鞘に入れた後、両手に持ったカジートブレードでディヴェロップメントフォックスに縦一閃。
ディヴェロップメントフォックスは背後にステップし、亜空間の裂け目から距離を取った。
「ソル譲!」
「えぇ!」
飛行形態のソルワデスは人型になってカジートブレードをヤジリウスから受け取り、亜空間の裂け目へと入って裂け目と共に姿を消した。
「御意に!?」
「こっちだ!」
ディヴェロップメントフォックスの左に現れた亜空間の裂け目からソルワデスは跳び蹴りを喰らわした。
「どらぁっ、亜空間と次元の斬撃のコラボレーションだ!」
ヤジリウスは二本の刀を抜刀し、ディヴェロップメントフォックスに罰の字斬りを喰らわした。
「御意にぃっ!?」
ディヴェロップメントフォックスの分身体の一体は次元の斬撃によって消滅した。
「はあぁぁぁぁぁーっ!!」
VCBジークヴァルは両手に付いた小型ブーメランによるブースター機能でディヴェロップメントフォックスに連続パンチを繰り出していた。
「よし、これなら…!研磨拡大!」
VCBジークヴァルの両腕はオリハルコン化し、右足で回し蹴りをした後、左足でディヴェロップメントフォックスの頭に踵落としを喰らわした。
「研磨完了!ガイア・ジークヴァル!」
ジークヴァルはわずか一分でVCBガイア・ジークヴァルとなった。
「よし、早い!間違いなく欠点克服だ!続けて!来て、ハーライム!」
道人はスマホから光の玉を出し、ハーライムを実体化させた。
「受け取れ、ハーライム!」
「あぁ!」
ガイア・ジークヴァルはヴァリュアブルチェンジブーメランの頭を外し、ハーライムに投げ渡した。
ガイア・ジークヴァルが自分のガイアヘッドを装着すると、周りの小型ブーメランもハーライムの元へと向かう。
ハーライムが受け取った頭を自分に付けると頭の形状がハーライムに寄せた緑の頭に変化し、ヴァリュアブルチェンジブーメランハーライムとなった。
「おぉっ!?ハーライムに付け替えができるんかっ!?」
「うん、余った残りの分数はハーライムが使えちゃうっていう優れ頭さ!」
ソルワデスが考案してくれたハーライムにも使える頭にしたい、という要素をレアフレームは読み取ってこのような頭になった。
「やるの、道人!よし、俺らも負けておれんぞい…!」
「やったるさぁっ!」
大樹の熱意を聞いた『皆』=狸夢操士カサエルは鎧を纏った狸四匹と共にディヴェロップメントフォックスの一体と交戦していた。
「ーうおーっ!狐には負けられないぞぉっ!」
「狸如きぃっ、御意御意にぃっ!」
鎧狸四匹は小さいながらもディヴェロップメントフォックスの足元で各々の武器を叩きつける。
ディヴェロップメントフォックスも狸に対抗意識を燃やしているのか躍起になって尻尾から生えた剣とハンマーを両手に持って振り回している。
「狸たち、夢瓶を開封するさぁっ!」
『皆』=狸夢操士カサエルは十分に振った夢瓶のコルクを取り、中から一台のゴーカートを飛び出させた。
「御意ぃっ!」
ディヴェロップメントフォックスは飛んできたゴーカートを避けてみせ、足元にいる鎧狸たちを蹴り散らした。
「くっ、避けられたさぁっ…!」
「ーまだまだぁっ、狸の意地を見せてくれる!」
ジークヴァルを模した鎧を纏った狸はゴーカートの操縦席に飛び乗り、空中でUターンした。
「ー再アタック!」
「御意っ!?」
ゴーカートは戻って来てディヴェロップメントフォックスの背後に激突した。
ゴーカートは消滅しそうになる。
「ーカートが消える前にする事がある!行くぞ、みんな!」
「「「「ー飛んでけぇっ!」」」」
四匹の狸は尻尾で四つのタイヤを弾き、ディヴェロップメントフォックスに高速回転するタイヤを当てた。
ディヴェロップメントフォックスの身体は高速回転するタイヤに削られ、火花が飛び散る。
「な、何だか今日の狸たちは一味違うさぁっ!」
『皆』=狸夢操士カサエルは三つの回転する三度傘もディヴェロップメントフォックスに激突させ、ディヴェロップメントフォックスは消滅した。
「驚いた…。何だ、こいつらのコンビネーションは…?以前よりも間違いなく強固なものとなっている…。」
「残念だったわね!明日のあたしたちは間違いなく今日よりも強くなってるんだからっ!確実にね!」
愛歌は驚きを見せるハクヤに対して右手で指をさして強がってみせた。
「ふん。だが、元々数の上で不利だとはわかっていたからこそ、私はディヴェロップメントフォックスを選んで連れて来たのだ。」
「御意にぃっ!」
「さぁっ!?」
『皆』=狸夢操士カサエルの背後からディヴェロップメントフォックスが急に現れ、針を尖らせた尻尾でテールアタックを繰り出して来た。
『皆』=狸夢操士カサエルは咄嗟に三度傘を配置して防いでみせた。
「カサエル、上からもじゃ!」
「さぁっ!」
『皆』=狸夢操士カサエルは大樹の言葉を聞いて後ろに下がった。
ディヴェロップメントフォックスが飛び蹴りで下降して来て煙を立てて着地した。
「…!? 減ったはずのディヴェロップメントフォックスが…!?」
三体は倒したはずのディヴェロップメントフォックスだったが、いつの間にか補充されていて道人は驚いた。
「くっ、分身体は補充できるのか…!」
「というか、本体はどれなんでしょうか!?」
道人とユーラはそれぞれ戦っているディヴェロップメントフォックスたちを確認し始めた。
「なるほど、そういう能力のデストロイ・デュラハンな訳ね…!」
「相変わらズ…せこいのヨ、ルアンソン!」
「勝てるのならせこくて結構さ!ミーにとったは誉め言葉だね!」
トワマリーはまだヘッドチェンジしておらず、今まで宙に浮いた四つの小型リングでリズムよくルアンソンに対して攻撃を仕掛けて様子を見ていた。
「なるほど、明日のお前たちは今日とは違うか…。ならば、こちらもお前が予測できないヘッドで挑ませてもらおうか。」
ハクヤはそう言うとデバイスからカードを実体化した。
「ようやくヘッドチェンジって訳…!なら、こっちも解禁と行こうかしら!」
愛歌はハクヤとルアンソンの出方を伺っていたが、ハクヤに合わせてデバイスからカードを実体化させた。
「待ってて、パパ!今、そいつから戦意を失わせて帰ってもらうから!」
「ふん、私にではなく、友也に語り掛けか。無駄な事を。」
「言ってろ!」
愛歌とハクヤは互いに言葉のドッジボールを交わしながらもほぼ同時タイミングでデバイスにカードをスラッシュした。




