288章 新たな仲間 カジート
「えっと、つまりカジートは俺たちの仲間になりたいって事…?」
「おう!」
道人は仮面を取って改めてカジートの真意を確かめたが、素直に返事を返された。
「ちょっと待って下さい!」
ガイアグレート・ジークヴァルの合体が解除され、ガイア・ジークヴァルとユードラ・オリファルゴンとなった。
そこから更にユードラ・オリファルゴンからユーラに戻って道人の右に立つ。
「道人とジークヴァルだけでなく、合体している私も所有者カウントされるのではないでしょうか?」
「えっ?ユーラ、突っ込むところ、そこ?」
「確かに…。」
「納得してる…。」
道人はユーラに突っ込みを入れた後、次にカジートの方も向いて忙しく突っ込みを入れる。
「じゃあ、ユーラのお嬢ちゃんも俺の所有者だ!」
「待ちな!それなら俺もだ!」
ヤジリウスが道人の左に立つ。
「いや、俺だけじゃないな。ハーライムやソル嬢もだ!」
「所有者多いな!まぁ、いいや!あんたたちみんな俺の所有者だ!」
カジートは両手を横に広げてみせた。
「そもそも勝手に決めるな!」
「あてっ!?」
マリグアは右手でカジートの頭を軽く叩こうとするが、擦り抜けた。
「あ、私、実体がなかった。」
「じゃあ、痛くねぇや。」
「何だ?新手の夫婦漫才なのか…?」
「やだ、夫婦だなんて…!私とカジートは別に…。」
マリグアは道人の突っ込みを間に受けて両手を頬に当てて身体をくねくねさせて恥ずかしがっている。
「なぁ、ダイデュード様、いいだろ?俺が地球の人たちの…親善大使っての?わかんねぇけど。友好を結ぶ役を買って出るって形でさ。」
「ふむ…。お前は長年、自分を扱える者を捜しておったが…まさか、他星で気に入る者が現れるとはな…。」
ダイデュードは顎に手を当てて道人たちを改めて見ていた。
「これは縁起が良いってもんだ。地球の人たちと仲良くなるための第一歩ってな。」
「良かろう、許可する。」
「えぇっ!?良いんですか、ダイデュード様!?」
マリグアはさっきまでの恥じらいが治まってダイデュードの方を向いた。
「あの、長年自分を扱える者を捜してたって…?」
「おう、さっき見ただろ?俺の影に剣となった俺を使わせる戦い方を。あれはあくまで妥協に過ぎなくてな。現に最後に出そうとした技も自分じゃ扱えなかった…。だがよ、あんたたちならもしかしたら…って思ってな!」
カジートは右手の親指で自分を指差して道人たちに期待の眼差しを浴びせて来た。
「それは光栄だが、君の望み通りになるとは限らないぞ?」
「そう、ご謙遜召されるな!間違いなく、あんたたちは俺を使いこなす事ができる!実際に戦った俺が太鼓判を激押すぜ!改めてよろしくな、我が主たち!」
「あ、あぁ…。」
カジートはガイア・ジークヴァルの左に立って手を回し、右肩をばんばん叩いた。
「って、固っ!?」
「駄目ですよ?今のガイア・ジークヴァルはオリハルコンの身体なんですから。」
「き、気をつけるぜ…。」
ユーラの注意を聞いてカジートはそう言うと痛みを和らげるためか右手を軽く振った。
「さて、カジートの乱入があったが…お前たちの力と意思は十分に見させてもらった。改めて、レング・ザ・ダイは在り方を改めて、お前たちに協力しよう。」
「ありがとう、ダイデュード殿…!」
卒間がドローン越しでそう言うと愛歌たちも喜びの声を上げた。
「良かったね、潤奈!」
道人はオリハルコンスライドを解き、制服姿に戻って急いで潤奈とシルエット大将軍の元まで走って話し掛けた。
「…うん!」
「ねぇねぇ、何だかあたしたち良い感じじゃない?」
愛歌たちも喜び勇んで走って来た。
「おう、キャルベンと傀魔怪堕に続いて、レング・ザ・ダイとも協力関係になれたしな!」
「まさにワールドワイドならぬ、スペースワイドよ!」
「他の星の死の世界と協力できれば、ギャラクシーワイドぞい!」
「来るなら来なさい、ヴァエンペラ!って感じよ!」
深也、グルーナ、大樹、愛歌もやや興奮気味で喜んでいた。
「それでは卒間殿。後に改めて話し合いをしたいのだが…。構わぬか?ヴァエンペラの分身体とやらがリフドーにもいるのかどうか、我々でも調べて警戒し、それから話をしたい。」
「はい、わかりました。よろしくお願いします!」
ダイデュードは卒間の言葉を聞いて頷いた。
「キルバよ、お前にはまた改めて中継をしてもらう必要がある。カジートと共にまだ地球に残ってもらえぬか?」
「畏まりました。」
キルバはダイデュードの方を向き、お辞儀をした。
「それでは一旦失礼させてもらおう。」
「カジートもキルバも、地球の人たちに失礼ないようにね?」
「へいへい、麗しの愛妻の頼みなら。」
「ちょっ…!?」
マリグアがカジートの言葉に何か反応しようとした瞬間、キルバは上空にある盾を手元に戻して投影を解除した。
「おっ、ナイスタイミング。マリグアのきーきー声を聞かなくて済んだぜ。」
「お前たちのだる絡みを見るのが鬱陶しかっただけだ。さて…。」
キルバは潤奈とシルエット大将軍の元まで歩いて来た。
「…先程は我が故郷リフドーに関して不快な言い方をしてしまった…。すまなかった…。」
キルバはそう言うと潤奈に頭を下げて来た。それを見た潤奈は慌て始めた。
「…そ、そんな!?いいの!気にしないで!ね?」
潤奈がそう言うとキルバは頭を上げて潤奈とシルエット大将軍を改めて見た。
「レング・ザ・ダイは地球と関わった事で新たな在り方を見つけた…。私自身もカサエルと大樹と戦った事でそれを実感できた…。」
「キルバ、お前さん…。」
キルバは大樹とカサエルの方を見て頷いた。
「キルバ殿、私がヴァエンペラを倒したいからと言って、レング・ザ・ダイから鎧を勝手に持ち出して改造した事は別問題だと私は思う。」
「…お父さん?」
潤奈たちは一斉にシルエット大将軍の方を向いた。
「その罰はヴァエンペラを倒した後、改めて我が魂を裁いて頂きたい。」
「イチ殿…。わかった。」
「…お父さん、罰って一体どんな…?」
「それは…。」
潤奈はシルエット大将軍を心配そうに見た。
シルエット大将軍に背を向けていたマーシャルも少し振り向いて見ている。
「潤奈、大丈夫だ。父さんはどんな罰にも耐えてみせる。…って、お前を遺して死んだ身じゃ何言っても説得力はないか…。」
「…お父さん…!」
潤奈は涙を流し、シルエット大将軍に抱きついた。
シルエット大将軍もキルバも罰について詳しく言わなかった。もしかしたら、口にもできないくらいのものかも知れない、と道人は眉を歪めた。
「大丈夫だ、私からもできるだけ罪が軽くなるようにダイデュード様に申してみよう。」
「お願いさぁ、キルバ。」
「その時は頼んだぞい!」
「あぁ。」
カサエルと大樹、キルバは改めて握手をした。
「さぁ、みんな。恐らくレング・ザ・ダイとの話し合いはイジャネラ殿も交える事になる。ひとまず、会社エリアに戻って来るんだ。」
「わかりました。」
道人が返事をすると二台のドローンは実験エリアから飛んで行った。
「それじゃあ、みんな!一旦会社エリアに戻ろう!」
道人がそう言うと愛歌たちは頷き、歩き始めた。
「シルエット大将軍さんもひとまず会社エリアに…。」
「あぁ、よろしく頼む。」
シルエット大将軍も道人たちについて行く事になった。
「…罰は受ける、か…。」
「…マーシャル?」
潤奈と道人、シルエット大将軍は振り返り、立ち止まっているマーシャルを見た。
「…何でもありませんよ、姉さん。私は新型フォンフェルの開発に戻ります。」
マーシャルはそう言うとすぐにワープし、姿を消した。




