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ディサイド・デュラハン  作者: 星川レオ
第5部 銀河侵食帝王神ネガ・ディサイドヴァエンペラ
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287章 選ばれた刃

 カジートはオリハルコン化したガイアグレート・ジークヴァルとオリハルコンの鎧を身に纏った道人をじっと見ていた。


「うん、悪くない!これはひょっとしてひょっとするかもな…!」

「「な、何が?」」


 道人はガイアグレート・ジークヴァルと共にカジートの発言に首を傾げた。


「こっちの話だ。さて、そっちも多数ならこっちも人数を増やさせてもらおうか。」

「何…?」


 カジートはそう言うと自分の地面に映る影を実体化させた。


「…!? 影が…!?」

「俺はご覧の通り剣でな。誰かに使われた方が真価を発揮できるんだ。」


 カジートは剣形態に変形して影のカジートに持たせ、宙に浮いた二本の細身の剣が剣形態のカジートに装着された。


「さぁて、実体剣させてもらおうか!」


 影のカジートがガイアグレート・ジークヴァルに斬り掛かる。


「ジークヴァル!」

「あぁ、わかっている!奴の亜空間を裂く刃…!新たな活用の仕方は油断ならない…!」


 道人とガイアグレート・ジークヴァルは左右に分かれる。

 道人は四つのブレードフェザーを、ガイアグレート・ジークヴァルはストレートブーメランとジグザグブーメランをカジートに放った。


「俺を持つって言ってもよ!」


 影のカジートは剣形態のカジートを宙にぶん投げた。


「結局、こいつは影に過ぎないのよ!」


 ストレートブーメランとジグザグブーメラン、ブレードフェザーは影のカジートをすり抜けた。


「影は影って訳ね!」


 道人はそう言うと四つのブレードフェザーを上空のカジートに向かわせた。


「そう言う事!」


 カジートは右ウイングとなった細身の剣で亜空間の切れ目を発生させ、そこに逃げ込んだ。


「くっ!」


 道人は飛ばした四つのブレードフェザーを自分の近くに戻し、浮遊させた。

 道人はガイアグレート・ジークヴァルと共に亜空間から姿を現すであろうカジートを警戒した。


「…! ジークヴァル、後ろ!」

「そらぁっ!」


 ガイアグレート・ジークヴァルの背後に出現した亜空間から人型形態のカジートが姿を見せ、回し蹴りを喰らわした。


「…固ぁっ!?」


 カジートは惑星リフドーの出身なのでオリハルコンがどのくらいの強度なのかわからなかったようだ。


「へへっ!良いねぇっ、良いねぇっ!」


 カジートは奇襲が不発に終わったのに何故か嬉しそうにしている。

 ガイアグレート・ジークヴァルは振り返りながら左手に持ったディサイドレーヴァテインから炎の斬撃を飛ばした。


「もっと試させてもらうぜ!」


 カジートは炎の斬撃を飛行形態に変形しながら避けた。

 旋回しながらウイングで空を斬り、亜空間の切れ目を作り出して逃げ込んだ。

 ガイアグレート・ジークヴァルは胸の球体に光を集める。


「また逃げた…!」


 道人とガイアグレート・ジークヴァルが周りを警戒すると影のカジートが走って来てジャンプした。


「あれはあからさまに罠!釣りだ!」

「罠でも釣りでもねぇよ!」


 道人の咄嗟の言葉は影のカジートに握られた剣形態のカジートに即座に否定された。


「シンプルに来た!?」

「正直斬り!」


 影のカジートは両手に持った剣形態のカジートをガイアグレート・ジークヴァルに向かって振り下ろした。

 ガイアグレート・ジークヴァルはふた振りの剣を交差し、受け止めた。


「ガイア・ブラスター!」


 ガイアグレート・ジークヴァルは剣を交差した状態からガイア・ブラスターを放った。


「お前、自分の剣ごと!?」

「我が二本の愛剣もオリハルコン化したのでな!」


 影のカジートは剣形態のカジートを上空に放り投げたが、ガイアグレート・ジークヴァルは飛行して追いかける。


「自分の愛剣を信じての行動か…!…良いな!」


 ガイアグレート・ジークヴァルはガイア・ブラスターで熱せられたふた振りの剣で剣形態のカジートと打ち合いを始めた。


「よし、俺も!」


 道人も飛行し、ブレードフェザーと共にメタリー・ルナブレードでカジートに斬り掛かった。


「二人一緒での斬撃祭か!何としてでも勝ちに行くその強欲さ…!とてもシアーナだぜ…!」


 カジートは何度も人型と剣形態に変形してガイアグレート・ジークヴァルと道人の怒涛の剣戟、ブレードフェザーとジグザグブーメラン、ストレートブーメランを防いで見せた。


「この刃同士がぶつかり合う金属音…!俺をここまで奏でられるとはな…!くぅ〜っ…!」

「ねぇ、キルバ。何か今日のカジート、結構テンション高くない?いや、元から底抜けに明るいけど。」

「まさか、あいつ…。いや、まさかな…。」


 マリグアの疑問に対し、キルバは何か勘付いたようだった。

 カジートは亜空間の切れ目を作り、また姿を消した。


「よし、ジークヴァル!こうなったら亜空間ができたらすぐに閉じちゃおうか!」


 道人はデバイスからカードを実体化し、読み込ませた。


「ユーラにスカイヴァルクブレードヘッド!」


 ガイアグレート・ジークヴァルの右肩の竜の頭の形状が変化し、ディサイドヴァルムンクの刀身が青く光り出した。


「何をする気かは知らねぇがぁっ!」


 カジートは道人の右に亜空間を作り出し、剣形態で飛んで来た。


「ブレードフェザー!」


 道人は宙で待機させていたブレードフェザーで輪を作り、盾代わりにした。

 完全には突進して来たカジートを止められないが、距離を取る時間を作るのには十分だった。


「ジークヴァル!」

「あぁ!」


 ガイアグレート・ジークヴァルはディサイドレーヴァテインに纏わせた炎の刃でカジートに斬り掛かった。

 カジートはわざと下降してディサイドレーヴァテインの斬撃を避けた後、上昇する。


「今だ、ジークヴァル!」

「我が剣は空(くう)となりて、現象をも斬る!」


 ガイアグレート・ジークヴァルはスカイヴァルクブレードの能力が付与されたディサイドヴァルムンクで斬撃を飛ばし、現れた亜空間を消した。


「な、何っ!?」

「間に合ったぁっ!」


 道人はカジートが動揺した隙に剣形態のカジートの柄の部分を掴んだ。


「お、俺を持つだとっ!?」

「どっせい、って!」


 道人は三回転し、カジートをガイアグレート・ジークヴァルの元へ投げようとする。


「三回転は欲張りだったな!」


 カジートは人型に戻り、道人は手を離してしまった。


「あっ!?くそっ!」


 カジートはそのまま落下。地面に当たる直前に剣形態になって地面に刺さった後、人型に戻って着地した。

 道人とガイアグレート・ジークヴァルもカジートを追って下降する。


「よし、見せてやるぜ…!俺の奥義…!」


 カジートは剣形態になって影のカジートに両手で持ってもらい、脇に構えた。


「…!? 待って、道人!あいつ、何かする気よ!」

「…! 愛歌?」


 道人とガイアグレート・ジークヴァルは愛歌の叫びを聞いて宙に静止した。


「シアーナシュナイデン…ってなぁっ!」


 カジートは明らかに今考えたであろう技名を口にし、影のカジートに剣形態のカジートを目にも止まらぬ速さで振り始めた。


「…って、おわぁっ!?」


 影のカジートは剣形態のカジートを振っている最中にすっぽ抜け、地面に倒れた。


「…えっと…?」


 道人とガイアグレート・ジークヴァルは互いに見つめ合って頷いた後、人型になったカジートの前に着地した。


「…へっ、失敗しちった!」


 愛歌たちはそれを聞いてずっこけた。

 道人とガイアグレート・ジークヴァルは困った様子でメタリー・ルナブレードとディサイドヴァルムンクの切っ先をカジートに向けた。


「やれやれ…。そこまで!」


 ダイデュードも呆れたように試合終了の宣言を出した。


「いやぁっ、参った参った!この技は未完成でな!影の俺じゃまだ扱えねぇんだよ!一か八か試したんだけどな!」


 カジートはその場に座り、右手で頭を掻いた。


「…よし、気に入った!」


 カジートはその場から立ち上がり、道人とガイアグレート・ジークヴァルを見た。


「道人、ジークヴァル!お前たちは今日からこの俺の所有者だ!」


 カジートは得意げに右手の親指で自分を指差した。


「え、えぇっ…?」


 道人は突然のカジートの申し出に対してつい自分を左手で指差した。


「剣である我は主と共にあり…ってな!よろしく、我が主!」


 カジートは両手を腰に当てて嬉しそうに道人とガイアグレート・ジークヴァルを改めて見て来た。

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