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ディサイド・デュラハン  作者: 星川レオ
第5部 銀河侵食帝王神ネガ・ディサイドヴァエンペラ
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282章 堅実と鉄絆

 キルバが堅実な戦い方をして来るデュラハンだとわかった大樹とカサエルはその堅実さでは予測不能な攻撃で攻めようという考えに至った。


「予測不能な攻めの手、今お披露目にござぁーい!」


 道人と潤奈の思い出映像が消えた後、皆極(かいきょく)上達(じょうたつ)師超有(しこう)=狸夢操士カサエルはすぐに夢瓶のコルクを開けた。

 海賊の格好をした深也と五匹の狸が出現した。


「ぐっ、今度は俺に来たか…!?」

「ははっ…。」


 冷や汗を掻いた深也に対して道人は同情し、渇いた笑いを上げた。

 カサエルのビーストヘッドは何だか味方さえも冷や冷やさせられる。


「む?この試合は一対一のはず!」

「これは技さぁっ!」

「…わかった!」


 キルバは味方たちから堅物と言われていたが意外と物分かりが良かった。


「そもそも大樹がいるから一対一と言うのも…。」

「いや、そこはパートナーがいないとヘッドチェンジできないで戦う事になるからさ…。」


 愛歌のツッコミに対して道人がフォローした。


「行くぜ、おらぁっ!」


 現れた海賊深也は三日月刀を構え、五匹の狸たちとジャンプして新たに地面の下から現れた海賊船に飛び乗った。


「大きいな…!だが…!」


 キルバはいきなり現れた海賊船に怖じけず、二つの盾からビームを放った。


「照射し続けるビームとは刃物と変わらんのさ。」


 キルバは盾から放たれる二本のビームを操作し、まるでケーキを切り分けるかのように海賊船を解体して見せた。


「おらぁっ、狸共ぉっ!」

「アイアイサー!」


 霧散する海賊船から現れた五匹の狸は海賊深也の言う事を聞き、鎖が付いた錨(いかり)を振り回し、キルバに向かって投げた。


「なるほど、捕縛する策か。」


 キルバは二つの盾と二本の槍にわざと錨(いかり)を巻き付かせた。


「それじゃあ、一つ足りないなぁっ!」

「問題ない。」


 キルバは盾二つと槍二本に繋がれた鎖をわざとこんがらがせて五つ目の錨(いかり)を巻かせた。

 そこから拡散ビームを放ち、狸たちを消滅させた。

 同時に巻き付いていた鎖も消える。


「あいつ、もうカサエルの幻術の仕組みを理解してるぞい…!」

「問題ねぇぜぇっ!」


 海賊深也は目をギラつかせて三日月刀で怒涛の剣戟をキルバスに浴びせた。

 キルバスは後ろに下がり、盾と槍が戻って来るまで頑丈な鎧で向かって来る三日月刀による斬撃をガードする。


「すごい、キルバスの守りを突破しちゃうなんて…!?」


 マリグアは押されているキルバを見て驚いていた。


「良かった、普段通りの俺だな…。」

「えっ?良かった評価なの?普段の深也より殺意増し増しなような気がするけど…。」

「って言うか、何のアトラクションよ、あれ?」


 深也は海賊深也のハイテンションぶりを普段通りだと捉えて安堵していた。

 道人と愛歌はすかさず突っ込みを入れる。

 確かにぱっと見何の遊園地の出し物かわからなかった。


「何だか楽しそうだな、カサエルのビーストヘッドってよ。今度俺も狸に夢あげてみようかな?」

「ま、真輝さん…。」


 真輝はカサエルのビーストヘッドに興味津々なようで道人は困って首を傾けた。


「斬る!」


 キルバは両手で持った槍を交差し、海賊深也を斬って消滅させた。


「お前さん、誰と闘ってたか覚えてるさぁっ!?」

「むっ!?」


 『皆』=狸夢操士カサエルはキルバが海賊深也たちと争っている間に夢瓶を振っていてコルクを開けていた。

 五つの回転するコーヒーカップを出現させてキルバに向かって飛ばした。


「これは頑丈そうな器だな…!」


 キルバはコーヒーカップの強度を理解し、身構えた。


「そこだ。」


 キルバはタイミングを見計らって盾からビームを掃射し、コーヒーカップが二つ並んだ瞬間を狙って一点を貫いた。

 二つのコーヒーカップは同時に消滅した。


「何つぅーっ正確な狙いじゃ…!?」

「大樹、そろそろ三分経つさぁっ!どうするさぁっ?」


 『皆』=狸夢操士カサエルは大樹の近くに着地し、次のヘッドチェンジの指示を仰いだ。

 大樹が考えている間にもコーヒーカップは次々と消滅させられていく。


「…よし、ここはセカンドディサイドで行くぞい!」

「わかったさぁっ!」


 カサエルが元の姿に戻ったと同時に大樹はビーストデバイスをディサイドデバイスから外し、狸に戻した。


「狸、お疲れ様ぞい!」

「ーうん!」


 狸が大樹の左肩に乗ると大樹はすぐにデバイスからカードを実体化させた。


「ヘッドチェンジ!【鉄絆(くろがねばん)法師】!」

『セカンド・ディサイド、承認。』


 カサエルは【鉄絆法師】カサエルに変わり、銀色の唐傘を持った。


「一本の唐傘を…ニ、三、四、五いさぁっ!」


 【鉄絆法師】カサエルが両手を左右に振ると一本だった唐傘が五本に増える。

 【鉄絆法師】カサエルが人差し指で傘にちょんちょんと触れていくとそれぞれメタリックな赤、青、緑、黄、紫と色づいていく。


「【鉄絆法師】カサエル!あ、推参!」


 右手に出現させた傘を右肩に置いた後、唐傘が一斉に開き、カラフルな花びらが【鉄絆法師】カサエルの周りに舞い散った。

 コーヒーカップを全て壊して見せたキルバが【鉄絆法師】カサエルと対峙した。


「あれがカサエルのセカンドディサイドか…。」


 道人たち傀魔怪堕(かいまかいだ)突撃組はカサエルのセカンドディサイドの姿は初めて見たので注目していた。


「また姿を変えたか…ふっ、面白い。」

「…! キルバが笑ってる…?」


 マリグアは笑っているキルバを見て意外そうな反応をしていた。


「あっしの大道芸、気に入ってもらえて何よりさぁ。」

「お前のような奴と戦ったのは初めてだ。今度はどのような見せ物なのだろうな?」

「…大樹。」


 【鉄絆法師】カサエルは振り向かず、後ろにいる大樹に話し掛けた。


「…! カサエル…。わかった、お前さんの好きにすればいいぞい!俺はお前さんにどこまでも付き合うぞい!」

「ありがとう、大樹…!」

「参る。」


 キルバは浮遊した二つの盾から拡散ビームを発射し、【鉄絆法師】カサエルは三つの浮遊した三度笠で防いで見せた。

 キルバは両手で持った槍で【鉄絆法師】カサエルに襲い掛かった。

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