表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推し命の転生者、弱小ポンコツな推し神様のために万能な推し活パワーで騎士爵領を大領地にする  作者: 鳥助


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/2

2.ミリアの力

「……に……にりゅ……あ」


 あれから半年。頑張って話そうとするのだが、全くもって喋れない。こうしている間にもミリアたんが消えかけているというのに、布教できないのが歯がゆい!


「い……に……み……み……」


 な、なんとか「み」が発音出来た? この調子で、次の「リ」も……。


 その時、頭上で光が現れた。な、なんだ!? 戸惑っていると、光が収束し、その中から白い猫が現れた。その白い猫は私がいるベビーベッドの上に降り立った。


 この白さ……ミリアたんの色に似ている。そう思っていると、白い猫は目をウルウルさせた。


『ご、ごめんなさい! 転生する時に能力を付与するのを忘れてました!』


 この声はミリアたんの声!? じゃあ、目の前にいる白い猫はミリアたんということ!?


『うぅ……大切なことをずっと忘れていたなんて。やっぱり、私は弱小ポンコツ神……』


『だ、大丈夫だよ! 五体満足に生まれてきたし、家族にも恵まれたし! 最高の転生だよ!』


『そ、そう言ってくださると安心します……。他の神からはポンコツだと貶されて……』


『他の神が……ミリアたんを、貶した?』


 その言葉を聞いた瞬間、どす黒い感情が沸き起こる。こんなに尊くて偉大で可愛いミリアたんを貶した奴はどこのどいつだ? ……許さない。ぶっ殺してやる。


『でも、ルンタッタさ……あ、今はシアさんだったね。シアさんのお陰で、自分に自信が持てたよ。ありがとう』


『あぁ、ミリアたんの感謝が骨身に染みる! その純粋な気持ち、尊いー!』


 でも、貶した神は許さん。絶対にどこかで借りを返してやる。ミリアたんを残念な気持ちにさせた、報いを受けさせてやる。


『それで、シアさんに転生特典をつけたいと思っているけど……どんな特典がいい?』


 ここで、転生特典か。だったら、答えは決まっている。


『ミリアたんと一緒にいる特典がいいです!』


『えっ? そ、そんなのでいいの?』


『それが最高の特典です! 出来れば、元の姿がいいんですけど……』


『ごめんなさい……。それは無理なの……』


 な、なんだってーっ! あの尊くて偉大で可愛いミリアたんの姿が見れないのー!?


『神の姿を維持するのが難しくて……。信仰の力が集まれば、姿を維持することもできると思う』


 なるほど、ミリアたんの姿を拝むためには信仰の力を集めないといけないということか。


『もし、信仰の力があればその力を信者に返す事が出来るの。そうしたら、信者は力を得るんだけど……』


『それだ!』


『えっ?』


『私がミリアたんを信仰する。その力を皆に見せつけて、ミリアたんを布教する!』


 信仰の力が返ってくるのならば、その力を使ってミリアたんの凄さを分かってもらえるようになる!


『うおぉぉっ! ミリアたん、ミリアたん、ミリアたん、ミリアたん、ミリアたんっ!』


『す、凄い信仰の力! 力がとても集まっています! これがシアさんの信仰の力!?』


 推し活をしていた頃と変わらない熱量でミリアたんを拝む。すると、ミリアたんの体がどんどん強く発光していった。


『まだまだぁっ! ミリアたん、ミリアたん、ミリアたん、ミリアたん、ミリアたんっ!』


『わっ、眩しいっ! だ、大丈夫! もうこれ以上は大丈夫だから!』


『私の信仰の力だけで、ミリアたんを最高神にぃーーっ!!』


『こんなに力が溢れてきたら……こ、壊れちゃう! この力、シアさんに返すよ!』


 ミリアたんから光が飛び出て、それが私の体を包み込む。こ、これがミリアたんの力! とうとう、私たちは一つになったんだね!


『その力はイメージすれば、好きなように変えられるよ。大切なものはイメージ』


 流石はミリアたんの信仰の力! 好きなように変えられるなんて、とんだチートだ!


 赤ちゃんの私に必要なものは……。喋ることと、移動のために宙に浮くこと、これだ。


 イメージをしっかりして、受け取った力を解放した。すると、その力が体中を駆け回り、体がフッと浮いた。


「おぉ、浮いた! あっ、喋れる!」


 凄い、これがミリアたんの力! ということは、ミリアたんと一心同体になったも当然!


「ふははっ! これで無敵! ミリアたんの布教が出来る!」


 喋れて、自由に浮けて移動できる。最強の力だ!


 と、その時扉が開いた。振り向いてみると、家族がこちらを見て固まっていた。


「えっ、あっ、シア?」


「う、浮いてる……」


「今、喋ってなかったか?」


 これは早速、布教のチャンスか!?


「これはこれは……家族の皆さま。よくぞお越しくださいました。さあ、どうぞお座りください。これからミリアたんの素晴らしさを、たっぷりと語らせていただきますので。ご安心を。すべて聞き終えた頃には、きっと皆さまも……自然と信仰を捧げたくなっているはずですから」


 ニヤリと笑って、そう言うと――。


「わーーーっ! シアが可笑しくなった! 怖い、何これ怖い!」


「邪神、邪神が乗り移ったのよ! 邪神よ、去れ! シアから去れー!!」


「愛する娘が邪神に乗り移ってしまった! シアの体から去れ!」


 阿鼻叫喚になり、家族は混乱した。そ、そんな……布教するのに絶好のタイミングだと思ったのに!


 見て、この浮いている体を! 聞いて、流暢に喋る口を! どこをどう見たって、ミリアの力で奇跡が起こったとしか見えないでしょう!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ