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推し命の転生者、弱小ポンコツな推し神様のために万能な推し活パワーで騎士爵領を大領地にする  作者: 鳥助


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13.信仰の集め方を見直す

「ねぇ、ミリアたん。信仰は集まっている?」


 それからしばらくして、ちゃんと信仰が集まっているか確認をした。衣食住を揃えたから、今まで以上に信仰が集まっているはずだ。そうじゃないと、可笑しい。


 期待全開で聞いてみると、ミリアたんは苦笑いを浮かべた。


『えっと……以前よりは増えているよ』


 そのぎこちない笑顔、何か隠しているようだ。


「増えているってどれくらい?」


『そ、それは……それはもう! 沢山だよ!』


「……そうは見えない」


 ミリアたんが何かを隠そうだなんて珍しい。私に隠し事をするなんて……きっと、言い辛いことがあったに違いない。


「ねぇ、正直に言って。嘘をつかれると私は悲しい。それに、ミリアたんらしくない。ミリアたんは何でも正直に言ってくれた。もしかして、私が信用出来なくなった? ここまでしたのに、私を信用してくれないの?」


『そ、そういうことじゃないよ! シアさんの事は信用しているよ!』


「だったら、言えるよね? だって、私とミリアたんの仲だもん。嘘なんてない関係、特別な関係なんだから。ねぇ、言って。隠し事をされたら、私……何をするか分からないよ?」


『ご、ごめんなさい! じ、実は……増えたは増えたんだけど……ほんのちょっぴりなの』


「ほほう……」


 衣食住を整えたのに、増えた信仰は一つまみ程度。ミリアたんがここまでして頑張ったのに、一つまみ程度しか増えなかった。


「あぁ、そっかそっか、なるほどね。つまり、あれだけミリアたんが頑張って衣も食も住も全部用意してあげて、寒さも空腹も不安もぜーんぶ取り除いてあげたのにそれで返ってくるのが『ちょっとだけ感謝しました』くらいの薄っぺらい気持ちってことなんだ」


『えっと……シアさん?』


「へぇそうなんだ。みんなってそういう感じなんだ。優しくされるとそれが当たり前になっちゃうタイプなんだ。じゃあ仕方ないよね。うんうん、分かる分かる。だって、苦しくないもんね。困ってないもんね。命の危機もないし、祈らなくても生きていけちゃうもんね。でもさでもさ、それってつまりミリアたんがいなくてもいいって思ってるのと同じだよね? 違うの? 違わないよね?」


『そうじゃないとは思うけど……』


「だって本当に必要なら、もっと縋るもん。もっと必死になるもん。あの日の私みたいにさぁ……。あぁ、やだなぁ。そんなの許せるわけないじゃん。ミリアたんはそんな軽い存在じゃないのに。そんな、あってもなくてもいい便利な何か、みたいな扱いされるなんておかしいよねぇ? ねぇ? ねぇ?」


『ちょっ……落ち着いて!』


「だったら、教えてあげないといけないよね。本当に必要なものが何なのかってことを。ちゃんと分からせてあげないといけないよねぇ。優しく、丁寧に、逃げられないように……ちゃーんと心の奥まで刻み込んであげないとだよね。だって、ミリアたんのことをちゃんと好きになってもらわないと困るもんねぇ? 私、間違ってないよね? ねぇミリアたん、ちゃんと分からせてあげてもいいよね?」


 ニッコリと笑うと、ミリアたんが激しく首を横に振る。


『少ししか増えなかった理由はちゃんとあるから、落ち着いて!』


「……理由?」


『う、うん……多分だけどね、施してばかりだとダメなんだと思うの。シアさんが全部やってあげちゃうと、みんなは助けてもらったって感謝はするけど、自分で変えられたって実感が持てないの』


「まぁ、確かに……」


『信仰ってね、ただ楽にしてもらうだけじゃ深くならないんだよ。自分の力で一歩踏み出して、その結果が良くなった時に、「導いてくれた」「支えてくれた」って初めて強く結びつくものなの。だから、今はまだ浅いのも仕方ないのかもしれない。みんな、自分で生きる実感が足りてないんだと思う。……だからね、本当に必要なのは、私の力で全部与えることじゃなくて、みんなが自分の力で現状を良くしていけるようにすること、その中で少しだけ背中を押してあげることなんじゃないかな』


 ただ状況を良くするだけでは信仰は増えていかない。その現実を思い知らされた。


「……そっか、私のやり方がまずかったんだね。ごめん、責めるようなことを言って。お詫びに鞭打ちの刑にして?」


『そ、そんな事出来ないよ! それに、初めから気づいていたら、シアさんが残念な気持ちにならなかった。ご、ごめんなさい……私がもっとしっかりしていれば。うぅ、やっぱり私はポンコツ……』


「ミリアたんはポンコツじゃないよ! みんなのために頑張っているし、立派な神様だよ! 私がちゃんと支えられなかったせいだから!」


『……シアさんはいつも優しいね。その優しさにいつも救われてるよ。本当にありがとう』


 そう言って、ミリアたんはニッコリと微笑んだ。あぁ! その笑顔を人間のミリアたんで見たかった! 猫も可愛いけれど、やっぱり人間のミリアたんがいい!


『めげてばかりいられないね。こうして分かったことだし、あとは信仰を増やすためにどんどん行動をするべきだよ』


「前向きなミリアたんでしか得られない栄養素、ありがとうございます! そうだよね、分かったんだから行動しなくっちゃ!」


『でも、どうしたらいいかな? どんな風にすれば、みんなが幸せだって思う領地になるんだろう』


「自分で幸せを掴みに行くことが重要なら、そのための知識は必要そうだね。じゃあ、村人たちを教育しなくっちゃ」


 与えるだけじゃだめなら、自ら掴みにいく形がいいと思う。


『どうやって、教育するの?』


「それはもちろん、ミリアたんの力を使ってだよ」


『わ、私の力で教育を? ど、どうやってやるの?』


 ミリアたんの力はイメージするだけで形を変える。その特性を生かせば、村人を教育出来る。


「私の知識をミリアたんの力を使って、村人に伝授するんだよ。色々と知識は持っているから、その知識を植え付ける」


『えっ、そんなことが可能なの!?』


「きっと、出来ると思う。なんてったって、ミリアたんの力だから、どんなことでも出来るんだよ!」


 ミリアたん、本当に素晴らしい神。みんなが讃えるだけのことはある。ミリアたんがナンバーワンの神様だ。


「じゃあ、早速やってこよう」


『う、うん……。上手くいくといいね』


「絶対に上手くいかせる。だって、ミリアたんの力を使うんだもん。何が何でも成功させるよ」


 ミリアたんをがっかりさせないためにも、どんなことをしても成功させてやる。

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