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アルディア戦記 ~少年はやがて皇帝になる~  作者: wok
第四章 反攻、イセル州攻防戦

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75/81

第75話 18歳のアキト

アキトたちがコンゴール高地へ来て3年が過ぎようとしていた。


蒼き月レイズが天上へ昇りつつあった。街道沿いには紅葉した木々が並ぶ。その葉が月光を浴びて妖しく煌めく。


「死ねや、叛徒どもが!」


青銀の鎧の男がへたり込んでいる革鎧の男の首を狙い、剣を振り下ろした。


「助けてくれぇぇぇ」


ズシャッ


その剣を握った腕が宙を舞う!


「うん?俺の腕がぁ…俺の腕がぁ!!おれのぉ!?」


返す刀で胴から斜めに斬られた青銀の鎧の男は崩れ落ちる。


「助かった、アキト!」


アキトは革鎧の男の手を取ると引き起こした。


「長居は無用です。今のうちに後退してください」


「ああ、そうだな」


男は立ち上がると足早に去っていった。


アキトは引き続き周囲を警戒した。


クリシュナとルナがアキトのもとに駆けてくる。


「物資の輸送準備完了しました」


ルナは13歳の少女になった。背に細身の剣を背負い、ポニーテールの髪型をしている。


「にいに、いつでもいけるの!」


「了解です。輸送部隊を守りつつコンゴールへ戻ります」


アキトが指示を飛ばす。


テレシアに来て6年。アキトは18歳の青年になった。背も伸び、体も一回り大きくなった。


アキトたち襲撃部隊は輸送部隊を中心に円陣を組みコンゴールへ戻った。


◆ ◆ ◆


「おかえりなさい、アキトさん」


見張りの兵士が板橋を下ろした。


「私たちは物資の仕分け作業がありますのでここで失礼します」

「にいに、またね」


クリシュナとルナは去っていった。


門の奥にはレイチェルたちが先に帰ってきていた。


「あたいたちも今戻ったぜ。アキトもかっぱらってきたよな?」


レイチェルとカトレフが近づいてきた。


「はい、かっぱらってきました」


レイチェルはアキトたちの略奪品に目を見開く。


「こりゃ、大漁だ。また、あたいの負けか。さすがに陛下には勝てないぜ。あはは」


レイチェルはアキトの肩を叩く。


「いやぁ、僕が…というよりはアリアさんが立てた作戦がうまくいきました」


アキトは苦笑いをする。


「確かに、アリア様が作戦を立てるようになってから我らの被害はかなり少なくなりました。そして物資も以前とは比べ物にならないほど豊富になりました」


カトレフは微笑んだ。


「おかえりなさい」


「おかえりなさいませ」


アリアとメリダが歩いてきた。


「これはアリア様」


カトレフは地に膝をつく。


「姫様とメリダじゃねーか。ふたり揃ってどうした?」


「カトレフさん、立ってください」


「はっ」


カトレフは立ち上がった。


「かぁぁ、カトレフは相変わらず堅苦しい」


レイチェルは頭を掻く。


「ちょうどよかった。誘う手間が省けましたわ」


メリダは澄ました顔で言った。


「今日、愛の夜翔鳥(ノクトゥア)がわたくしのところへやってきたのですわ」


メリダの頬は赤みを帯びる。


「それで、いまから報告のためバッツさんのところへ行こうと思っているところですわ。皆様もわたくしたちについてきてくださいませ」


「夜翔鳥?」


アキトが首をかしげる。


「あとで夜翔鳥をお見せします、一言で言うとわたくしたち斥候が連絡をとる手段の一つですわ」


「なるほど」


アキトは頷く。


「じゃあ、行こうぜ」


レイチェルがそう言うと、一同はバッツの小屋へ歩いていった。



続く


戦記物には地図があったほうがよいと思うので

4章用の地図を用意しました。

https://x.com/nuruteitoku/status/2114263834269790386

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