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アルディア戦記 ~少年はやがて皇帝になる~  作者: wok
第三章 アルデ州へ

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第71話 四連撃!

闘技場の中央でアキトとレイチェルが対峙していた。


互いに武器を構える。


周りは静まり返った。


「変わった構え方だな。アキト」


「この構えは僕の大切な人達から引き継いだものです」


アキトは静かに答えた。


「そうかい…その想いも好きだぜ…」


レイチェルは木槍をくるくると回転させた。


「では、いくぞ!」


そう叫ぶと、アキトに向かって突進した。


周りから歓声があがる。


鋭い突きがアキトに迫る!


はやいっ レイチェルの一撃は先程の兵士とは比較にならないほど鋭かった。


アキトは木剣で初撃をいなす。


間髪入れず、二撃、三撃と迫る。アキトは二撃目を躱したあと、三撃目から逃れるため大きく後ろに退いた。


「姐さんの三連撃、はぇぇ」

「しかし、やつはなんとか持ちこたえたぞ」

「姐さん、やっちまえ!」


周囲から怒号と歓声が轟く。


その後もアキトはじりじりと後退を余儀なくされた。


「にいにが押されているの」


ルナがぽつりとつぶやく。


「いえ、アキトさんは大丈夫ですわ。あの目を見てくださいませ」


メリダはアキトの目を指さした。


「あの目をするときアキトは強い…。私が戦術盤で負けたときもあの目をしていました」


アリアはルナの手を握った。


「今のアキトさん、かっこいいですわ、ねぇ姫様」


「そうですね」


アリアはアキトをただ見つめていた。


「まぁ、姫様ったら…」


「アリア様とアキトさんはどういうご関係でしょうか?」


クリシュナがメリダに尋ねる。


メリダは両手を腰に当て、背筋を正すと満面の笑みを浮かべて答えた。


「アキトさんは姫様の夫になる運命の人ですわ、つまりアキトさんはアルディア王国の国王陛下になる人ですわ」


「まあ、そうだったのですか!」


クリシュナは目を丸くする。


「こらメリダ!」


アリアが慌てて口を挟んだものの、メリダは頬を赤らめその意識はすでに桃色の妄想世界に入っていた。


「逃げているだけじゃ、あたいは倒せないよ!」


レイチェルの三連撃が次々と繰り出されアキトはじりじりと後退する。やがて、アキトは隅の方まで追い詰められた。


アキトはレイチェルの三撃目のあと引き戻しが遅いことに気づく。


「もう、下がれない。これで終わりだ!」


レイチェルが初撃を放った。その時、アキトは後ろを向いて木の柱の上に飛び乗ると、素早く向きを変えレイチェルに向かって跳躍した。


「なにっ!」


上からアキトの斬撃がレイチェルに襲いかかる。


レイチェルは慌てて両手を広げて木槍を構えた。


斬撃、一閃!


ガツンッ! 乾いた音が響いた。


周囲からどよめきが走る。


アキトは素早く駆けて隅から離脱した。レイチェルは受けた衝撃で腕が痺れてアキトの離脱を阻止できなかったのだ。


「やるじゃねーか、アキト」


レイチェルは体が震えたあとにやりと笑った。


「だが、そろそろ終わらせてやる」


レイチェルは木槍を回転させるとアキトに向かって突進した。アキトは中段の構えでそれに対した。


レイチェルは初撃を放つ。アキトはそれをいなし二撃目を躱す。


三撃目が放たれるそのとき、アキトは右横に大きく移動し木槍に斬撃を加えるべく木剣を振り下ろそうとした。


レイチェルの口元が緩む。


いつもより素早く槍を引き戻すと四撃目を放つ!


「胃ん中、ぶちまけな!」


鋭い突きがアキトの腹部へ迫る!



続く


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