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アルディア戦記 ~少年はやがて皇帝になる~  作者: wok
第三章 アルデ州へ

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第67話 アルローザ大樹海へ

「バッツはなんと言っていましたか?」


アリアが尋ねる。


「セザールのクソ野郎を斬った男なら歓迎する。姫様については見定める必要があると————」


「私は死んだものとされている身…妥当な判断ですね」


アリアは目を閉じた。


「アリアねえは生きているの!」


ルナは椅子から立ち上がった。


「はい、生きています。ありがとう、ルナちゃん」


アリアが手招きするとルナはアリアの膝の上に乗った。


メリダは羊皮紙の地図を取り出すとテーブルに広げた。


「ここがわたくし達がいるところですわ」


メリダは地図を指差す。


「バッツさんのレジスタンスが現在の本拠地としているところはここですわ」


メリダはアルローザ大樹海の中にあるコンゴール高地を指し示した。


「コンゴール高地ですか、それほど遠くはありませんね」


アリアは地図を見つめた。


「その通りでございます。馬であれば一日で最寄りのポルタ村に到着できますわ」


「そのポルタ村でレジスタンスのカトレフさんと待ち合わせする算段はつけてきましたわ」


「カトレフとは、何者ですか?」


「カトレフさんはアルディア王国の准騎士だった男です。そうですわねぇ。誠実そうな男でしたわ」


「そうですか。わかりました」


アリアは自分のポニーテールを触った。


メリダは全員を見渡したあと告げた。


「明日の朝、ここを発ちましょう。今夜の歩哨はわたくしがいたしますわ。みなさまはお休みくださいませ」


「僕は昼間寝ていましたので歩哨なら僕ができます」


アキトが手を上げる。


「ご無理をなさらないでくださいませ。アキトさんが二人を守るために頑張ったことは分かりますし、姫様の相手も大変だったと思いますわ。今夜はゆっくりとお休みくださいませ」


アリアはアキトを見つめた。


「私の相手は大変でしたか?アキト」


「あ、いぇ…ははは」


アキトは苦笑いをする。


「ということで、みなさまはお休みくださいませ」


「わかりました」


アキトは頭を掻いた。


◆ ◆ ◆


「では、麓まで下りますわ。わたくしについてきてくださいませ」


メリダが馬の手綱を引くと歩き出した。3人はメリダのあとに続いた。


恒星エリーゼはテレシアの大地を照らす。


メリダは不規則に道を進んだ。


アキトが考える進路とは異なることが多かった。


そして、同じような場所を繰り返し通っているように思えた。


アキトは首を傾げる。


「あの山小屋は王家の者が避難するために極秘に建てられたものです。ゆえに道も偽装されていますわ」


アキトの様子を見ていたメリダが言った。


「なるほど」


アキトは顎を触った。


「ここからは一本道ですわ」


一行はメリダのあとについていき、やがて麓に着いた。


「ニルス村で馬を調達してきますわ。ここでしばらく待っていてくださいませ」


そう言うとメリダは馬に乗り駆けていった。


半時ほど経った頃、メリダは馬を2頭連れて帰ってきた。


「ルナちゃんはわたくしと馬に乗りますわ。アキトさん、ルナちゃんをわたくしに」


アキトはルナを持ち上げるとメリダに手渡した。メリダは前にルナを乗せる。


「二人はそれぞれの馬に乗ってくださいませ」


アキトとアリアは馬に騎乗した。


「では、参りますわ」


メリダが一同を見渡す。


「案内をお願いします、メリダ」


アリアが頷く。


「いくの!」


ルナは片手を上げる。


「はい!」


アキトが手綱を握った。


そして、3騎がアルデ州の大地を駆けていった。



続く


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