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アルディア戦記 ~少年はやがて皇帝になる~  作者: wok
エルダ村での日々

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第27話 峠

昼過ぎ、アキト達は峠を越えた。


「峠は越えたぞ。あとは下るだけだ!」


カイトは声を上げた。


山道は緩やかな下り道になってきた。


「あと少し行けばタニセ吊り橋がある。それを渡り、吊り橋を落とせば追手をかわせるぞ」


ガシャ、ガシャ、ガシャガシャ


その時、後ろから鎧がこすれる音が多数聞こえた————


「確かにてめぇの言う通りだ。だが、残念だったな…」


「囲め!」


聞きなれぬ声が後ろから聞こえた。


「なんなの」


ルナが怯える。カイトとアキトはエリナとルナを守るように立った。


兵士達は剣を抜く。


四人はたちまち兵士達に囲まれてしまった。特にカイトは厳重に包囲された。


「鬼ごっこはここまでだ」


剣を構え、黄色い髪に純白の鎧を着た男が前に出る。


男は四人を見渡し、やがてエリナに剣先を向けた。


「お前がエリナか。確かに、テオドールが推挙しただけのことはあるな」


「あなたは誰ですか?」


エリナが男の目を見て言った。


「俺様か?俺様はセザール、ガルドア帝国第三王子にして次の皇帝になる男だ」


「そうですか、私はエルダ村のエリナです」


エリナはセザールに向かって歩きだした。


「エリナッ」


カイトが叫ぶ。


「大丈夫です。カイト」


エリナはカイトを見て頷く。


そしてセザールと対峙した。


「あの方はカイトです。私の婚約者です」


エリナはカイトをセザールに紹介した。


「私はカイトと結婚します。だから、セザール様の後宮には参りません」


エリナは凛とした声で言い放つ。


「ほーう、俺様に対して見事な物言い大したものだ」


セザールはエリナの堂々たる佇まいに感心した。


彼は剣を鞘に納め、兵士たちに合図を送った。兵士たちも剣を鞘に納めた。


「俺様は鬼ではない。逃げずに事情を話していれば勅命を取り消すよう親父に働きかけたかもしれん」


「だが、エリナよ。勅命に背き逃げてしまった以上お前は国家反逆者なんだよ。反逆者は殺さねばならない。それが餓狼の法だ」


そしてセザールは言葉を選び、ゆっくりと理解できるように話した。


「エルダ村のガルドア帝国臣民エリナに告げる。俺様は無用な殺生をしたくない。今までの鬼ごっこも見逃してやる。ここは勅命に従い俺様の後宮に入れ」


「お断りいたします」


エリナはきっぱりと言い切った。


「私の心は私の物です。命令で心を支配できるものではありません!」


エリナはセザールを見つめた。


「…私の願いはルナ、アキト、カイトと四人で暮らしたい。ただ、それだけです」


セザールはしばし沈黙する。そして静かに口を開いた。


「ならば、やむをえまい。餓狼の法に従うのみ————」


「反逆者エリナをここで処刑する」


セザールは再び剣を抜き、エリナの心臓に剣先を向けた。


風がやみ音が消えた。


そしてセザールの殺気が増大する。


「だめだ、姉さん、離れて!!」


アキトがサネユキを抜き駆けだした————



続く

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