表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルディア戦記 ~少年はやがて皇帝になる~  作者: wok
エルダ村での日々

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/29

第24話 家族

勅使が去り、エルダ村には平穏が戻った。


やがて夜になり、虫の鳴き声が聞こえてくる。


四人はテーブルを囲み座っていた。テーブルに置かれたランタンの光が暖かく周りを照らす。


「姉ねがいなくなるのはいやなの」


ルナが涙声で訴えた。


「ルナの言うとおりだ。帝国にエリナを渡すわけにはいかないぞ」


カイトはルナに同調する。


「ちゃんとお話すれば分かってもらえると思います」


エリナが落ちついた声で言った。


いつもはエリナの言葉に抗わないカイトがこの日は違った。


「話して分かるような連中ではない」


カイトは語気を強める。


「領土領民はすべて皇帝のものであるがくそったれどもの法だ」


カイトはアキトに目線を移す。


「アキトの考えを話してくれ」


「僕も姉さんがいなくなるのはいやだし、帝国の考えは間違っていると思う」


「ならば、今は逃げるしかない」


「逃げだせば、勅命に背いた反逆者となります。私一人が帝都へ行けばみんなはいつも通り暮らせます」


エリナは少し寂し気な目で告げた。


「俺は嫌だ。四人で暮らしたいんだ」


カイトが叫ぶ。


「姉ねがいなくなるのはいやなの、姉ねと暮らしたいの」


ルナはエリナにしがみつく。


エリナは目を閉じしばらく考える。そして目を開けると頷いた。


「みんながそういうのなら分かりました」


「よし、俺たちはアルデ州へ向かうぞ。アルディア王国の首都があったところだ。10年たった今でも抵抗活動が続いている」


「俺はそこでレジスタンスに入って帝国を倒してみせるぞ」


カイトは拳を握った。


「アキトも入るか?」


「兄さんが入るなら…」


アキトは頷く。


「善は急げだ、俺はロイドとトムのところへ行ってくる。明日の夜、逃げるぞ」


カイトはそういうと家を出て行った。


◆ ◆ ◆


翌日、四人は淡々と旅立つ準備をした。


そして、村人が眠りについた夜、一同は家を出た。


街道でトムとロイドと落ち合う。


「ロイドさん、トムさん、どうしてここに?」


エリナが声をかける。


「カイトに頼まれてな。キサラギ山道の入り口まで送る。そのあと、いろいろと妨害工作をするためだ」


「簡単に追わせたりはしない」


ロイドは胸を叩いた。


「追手の妨害工作なら任せて欲しいな。罠一杯しかけておくからな」


トムは微笑んだ。


「ありがとうございます」


エリナは頭を下げる。


「夜のハイキングみたいで楽しいの」


ルナは無邪気に笑った。


アキトは空を見上げて思う。満天の星空に願う。どうか四人無事でありますように。


空が白みかける頃、キサラギ山道の入り口についた。


「俺達はここで木を切り倒しまくって街道を封鎖する。やつらの馬を使えなくしてやる」


「カイト、ひと段落したら連絡をくれ」


「ああ」


カイトとロイドは手をかわす。


「アッキーまたな」


トムが手を振る。アキトも手を振る。


「トム、やるぜ」


トムは真剣な顔で頷く。


ロイドとトムは斧で木を切り倒し始めた。


「よろしく頼むぞ」


カイトは二人に頭を下げた。


四人は手を振ったあと、山道へ消えていった。


収穫祭当日の午後————


ガルドア帝国第三王子セザール率いる親衛部隊がエルダ村に到着した。



続く

評価やレビューなどがあれば励みになります。

よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ