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アルディア戦記 ~少年はやがて皇帝になる~  作者: wok
エルダ村での日々

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第22話 魔法

「ダーク・ヴォルドシア」


ゴブリンシャーマンは杖を地面に叩きつけた。


通路の出口に漆黒の障壁ができた。


「退路を塞がれたぞ、カイト!」


ロイドはカイトを見て叫んだ。


「やむを得ぬ、トムを中心にアキトは左、ロイドは右、俺は正面で敵を迎え撃つぞ」


ゴブリンシャーマンが奇声を発すると10体のゴブリンは向かってきた。


不気味な笑みを浮かべ、杖をこちらに向けると詠唱を始めた。


「ザグルド・ファイア・ツヴァイ」


杖の先に火球が形成され、やがて巨大な火の玉になった。


「…メッセヨ、ニンゲンドモ…」


ゴブリンシャーマンは杖を振り下ろした。


巨大な火の玉がカイト達に迫る。


「あ」


トムが虚空を見つめる。


「アキト、俺の後ろに隠れろ」


カイトは叫び、盾を構える。


火の玉が突進してくるゴブリンを後ろから焼く。


「ギャアアェア」


同胞のゴブリンを焼きつくし、迫ってくる!!


その時!


アキトの脳裏に直接誰かが、語りかけた。


『…魔法は斬れるぞな、斬りぃ…』


アキトはナガトがドラゴンブレスを斬ったときのことを思い出した。


カイトの命に背き、アキトはカイトの前に出る。


「なにをしているアキト!!」


カイトが叫ぶ。


アキトはサネユキを振り上げる。サネユキが青白く煌めく。


火の玉に向けて振り下ろす。


「せりゃぁ!」


中心より少し斬撃がずれた。火の玉は二つに割れたが消滅しない。


アキトは二の太刀を放つ。右から左へ斬り伏せる。


火の玉は縮小したものの4つに分裂し周囲に爆散する。


ボン、ボン、ボンッ、ジュアアアァァァァ


「ぐっ」


「ぐはぁ」


「あつあついなぁぁぁ」


皮鎧が焦げる音、肉が焼ける臭いが立ち込めた。


威力は弱まったものの、カイトの右足ふとももが焼けただれていた。


ロイドは左腕と左ふとももが焼けただれていた。トムは髪の毛が燃えていた。


幸い、威力が弱まったため致命傷には至っていない。


「バカナ————」


ゴブリンシャーマンの杖が震えた。


カイトは膝を地に付けた。ロイドの槍は転げ落ちた。


トムは状況を確認し告げた。


「今シャーマンを斬れるのはアッキーだけだな!」


トムは番えた弓をゴブリンシャーマンに連続で放つ。


「ダーク・シルドシア」


ゴブリンシャーマンは杖を回転させながら詠唱した。


黒い障壁がゴブリンシャーマンを囲む。


弓矢はシャーマンの障壁に当たると方角を変えて壁に刺さる。


アキトは駆けた。ゴブリンシャーマンのもとへ


ゴブリンシャーマンは杖をアキトに向けると短く詠唱する。


「ブリザト」


氷槍が連続でアキトを襲う。


ビューーン、ビューーン


アキトは回避、または氷槍を切り伏せながら突き進む。


そして、ゴブリンシャーマンを刀の間合いに捕らえる。


「斬る!」


アキトはサネユキを渾身の力で振り下ろす。


パリンッ


硝子が割れるような音とともに障壁が砕け散る。


「アリエヌ…」


ゴブリンシャーマンの顔が歪む。


一歩前進し下から上に刀を振り上げる。


ゴブリンシャーマンは刃を杖で受け止める。


だが、サネユキは杖もろともゴブリンシャーマンの体を斜めに切り裂く!


「カトウナニンゲンゴドキニ…」


どす黒い血が噴き出し、ゴブリンシャーマンは地に伏した。


◆ ◆ ◆


戦いは終わった。


負傷したものの全員が生きている。


トムが応急処置をしている。


「もっとやさしく巻かないか」


ロイドが減らず口を叩く。トムは笑いながら処置を続けた。


「アキトが火の玉を斬ってくれなかったら俺達は死んでいた」


カイトが呟いた。


「俺達が生きているのはアキト様様だ。流石は俺の弟だ」


カイトは微笑んだ。


トムは応急処置を終えた。


「アキト肩を貸してくれないか」


カイトは言った。


「うん」


アキトは頷くとしゃがみカイトの腕を肩に回した。


カイトは立ち上がり言った。


「最初に会った時に比べて随分と大きくたくましくなったものだ」


「兄さんのおかげでね」


アキトは微笑んだ。


こうしてゴブリン討伐は終わったのである。



続く

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