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アルディア戦記 ~少年はやがて皇帝になる~  作者: wok
エルダ村での日々

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第21話 討伐

三軒が襲撃され死者5名、少女2名が行方不明————


一夜明けて、村の被害が明らかになった。


5年間、平和だった村に衝撃が走った。


ルナは飼っていた鶏コッコの亡骸を見て大粒の涙を流して泣いていた。


アキトはこの世界には人を殺す脅威が存在することを思い知らされた。


トムは雪原に残された足跡を指さし静かに言った。


「おいら、やつらの巣穴を突きとめてくる」


そういうとトムは足跡を追い始めた。


「トムさん、一人じゃ危ないよ」


アキトは言った。


「大丈夫だな」


トムは手を振った。


「やつはああ見えても狩人だ。追跡は十八番だ。任せておけばよい」


ロイドが腕を組んだ。


「それよりもカイト、一刻もはやく駆除したほうがいい。ゴブリンどもはすぐ増えるからな」


「ああ」


カイトは頷く。


「俺達は装備を整えて村長の家に集合だ」


「アキトも装備を整えたら来てくれ」


「わかった」


アキトは頷いた。


「エリナ、ルナちゃん、荷物をまとめたら俺の家へ行こう」


「はい、よろしくお願いします」


エリナは会釈をした。


午前中は村長ヤンバの家で話し合いが行われた。


そしてその日の昼、村をあげて討伐隊が結成された。


カイトは普段使っている大剣ではなく片手剣とシールドを装備していた。


ロイドは短槍、トムは短弓を装備していた。


アキトは背にサネユキを背負い皮鎧を装備していた。


村人たちから見れば、アキトはもう立派な剣士だ。


カイト達自警団の4人と村の男達20人がトムが見つけた巣穴へ向かった。


村の男達は鍬や鎌をもちカイト達自警団の後に続く。


「よし、巣穴には俺達自警団が突入する。他の者は入り口で待機。出てきたゴブリンを駆逐してくれ」


カイトは指示を出す。


「まかせろ、カイト!」


「ぶっ殺してやる!」


「ノブの仇は必ず取る!」


男達は農具を構えた。


「俺とロイドが前だ。アキトとトムは後ろを頼む」


ロイドとトムはランタンに火をともす。


「よし野郎ども行くぞ!」


「うむ」「こわいな」


アキトはカイトを見て頷いた。


そして四人は巣穴に入っていった。


◆ ◆ ◆


異臭漂う通路を進んだ。ところどころに光苔が生えておりそれがこの巣穴の光源になっているようだ。


時折、ゴブリンが襲い掛かってくるがカイトとロイドは流れ作業のように駆逐していく。


トムは時々、赤い玉を地面に落している。しばらく進むと木の扉が見えてきた。


「アァァァアァ」


木の扉の向こうから呻き声が聞こえる。


「すでに孕み袋にされていたか」


ロイドは舌打ちする。


「いつ聞いても嫌な声だな」


トムは下を俯く。


「ああ、だが、やることをやらねばならない」


カイトは言う。


「だな」


ロイドが頷く。


「開けるぞ」


カイトは扉を開いた。


鼻を衝く強烈な異臭が押し寄せてきた。


アキトは手で鼻を押さえ、部屋を覗くと————


そこにはかつて少女だったなにかが蠢いていた。


アキトは言葉を失った。


「俺とロイドでやる。トムとアキトは扉の前に待っていてくれ」


そういうと二人は部屋の中へ入っていった。


扉が閉まる。


しばらくすると呻き声が消えた。二人は扉を開けて出てきた。剣と槍には血糊が付着していた。


それから一同はしばらく無言で前に進んだ。


ゴブリンを駆逐しながら奥へ進むと、両側に松明が赤々と並べられている空間に出た。


そこには10体のゴブリンと1体の禍々しい呪具を身に着けて骨杖をもったゴブリンがいた。


「あれはまずいんじゃないかな?」


トムは矢を番える。


「ゴブリンシャーマンだ。やつは魔法を使う。俺達じゃ対処できない」


ロイドは槍を構える。ロイドの額から汗、いや冷や汗が流れ落ちる。


「魔法?」


アキトは初めてこの世界に魔法があることを知る。


「撤退だ!」


カイトが叫んだ。


「キィィエエエエエエェ」


10体のゴブリンが奇声を上げた。ゴブリンシャーマンは骨の杖を掲げなにかを不気味に唱え始めた。



続く

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