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アルディア戦記 ~少年はやがて皇帝になる~  作者: wok
エルダ村での日々

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17/29

第17話 誕生日

ビュッ ビュッ


刀を振る音が静かな草原の朝に響く。


水汲みを終えたアキトは、サネユキを振っていた。


ただっ、ひたすら振る。


昨日、カイトが帰る際に言われたことを思い出す。


「型も技もできている。剣技に関して俺が言うことはない。今のアキトに必要なのは筋力と自重だ」

「よく寝て、よく食べ、よく働き、毎日刀を振るんだぞ」


確かにナガトもギギも剣術を学ぶとよいと言ってくれた。アキトは二人の言葉の重みを今理解できた。


アキトは毎日サネユキを振るうことが日課になった。


毎日ヤンバ村長のところへ行き仕事を貰い、カイト達とともに働き続けた。


アキトが働きヤンバから貰った報酬を家に持ち帰る。


もらった報酬を手渡せばエリナとルナの喜ぶ顔が見られる。アキトはそれが嬉しかった。


朝に夜にひたすら剣を振った。


こうして、エルダ村での最初の夏が終わった。


◆ ◆ ◆


秋————


テレシアの歴は故郷と同じだった。


10月3日。今日はアキトの13歳の誕生日だった。


いつものように仕事を終えたアキトはカイト達とともにヤンバ村長の家の前にいた。


「アキトくん、いつも頑張ってくれてるね。村の人たちはアキトくんに感謝しているよ」


「そして、今日はアキトくんの誕生日だったね。おめでとう」


「村を代表してアキトくんに贈り物を用意しましたよ」


ヤンバは籠にはいった鶏を差し出した。


「これを受け取って欲しい」


「おお、すごいぞ。アキト」


カイトがアキトの背中をたたく。


「よかったな、アキト。鶏は村に貢献したものに与えられるものだ」


ロイドは親指を立てた。


「いいなぁ、アッキーは…」


トムは素直に嫉妬した。


「そういえばエリナさんのところの鶏小屋はボロボロだったな」


カイトは手を顎に当ててしばし考え言った。


「アキト、少し待ってろ」


そういうとカイトは駆け足で自分の家に戻った。


しばらくして、カイトは大きなリュックに木材を入れて戻ってきた。


「では、アキト。エリナさんの家にいくぞ」


「わかった、カイトさん」


アキトは微笑んだ。


二人は雑談しながら歩いた。二人とも笑っている。まるで本当の兄弟のように————


やがてエリナの家についた。


トントンッ


「アキトです。姉さん」


扉が開きエリナが出てきた。


「おかえりアキト」


「あら、カイトさん、こんにちわ」


エリナは会釈をした。


「ご無沙汰しておりまつぞ」


カイトはぎこちなく答えた。


エリナは籠の中の鶏に気付く。


「まぁ、鶏ですね。どうしたの?アキト」


「ヤンバさんから貰ったんだ。誕生日の贈り物として」


「まあ、鶏が貰えるなんてすごい!」


エリナは喜んだ。


奥で遊んでいたルナも出てきた。


「兄にお帰りなの」


「あ、デカ兄だ」


ルナは笑った。


「でも、家の鶏小屋は壊れているんです」


エリナが言うとカイトが胸を叩き言った。


「大丈夫。俺とアキトが鶏小屋を今から直しますぞ」


「行くぞ、アキト!」


そういうとカイトはアキトをつれて鶏小屋へ向かった。そして全員が鶏小屋へ向かった。


カイトは大きなリュックから木材を取り出した。


「よし、アキト。ここを持っていてくれ」


「わかった」


カカカッ ドンドンドンドン


二人の男はただひたすら修復作業を行った。


ルナは籠に入った鶏に夢中になっている。


エリナは後ろから二人の男を優しい目で見ていた。


一時間経過————


小屋の中に藁を敷き詰めおわった。


「鶏小屋、復旧完了だ」


カイトとアキトは手を叩き合った。


「よし、鶏を放すぞ」


コケコケ…コココ


鶏は元気よく歩き回った。


「コッコが歩いているのー」


ルナは鶏に夢中だ。


「ありがとうございます。カイトさん」


エリナは頭を下げる。


「いえいえ、大したことはしてないぞぞ」


カイトは照れた。


「カイトさん、今日はアキトのお誕生日です。お料理も用意しました。一緒に祝ってもらえませんか?」


「もちろんです。俺でよければお願いしますぞ」


「では、皆さん家にお入りください」


そして、四人は再び食卓を囲むことになるのであった。


「おめでとう、アキト」

「おめでとうなの、兄に」

「めでたいぞ、アキト」


家からは笑い声が絶え間なく聞こえた。



続く

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