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アルディア戦記 ~少年はやがて皇帝になる~  作者: wok
エルダ村での日々

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第15話 剣帯

朝は水を汲み、昼はカイト達と働く。それがアキトの日課になっていた。


陽光は強さを増し、辺りは熱気に包まれていた。


肥料撒きの仕事が終わりカイトたちと清流で体を洗っていた。


「臭いがこびりついてとれないなぁ」


トムが体を洗いながら呟いた。


「ああ、今日の臭いは強烈だった」


ロイドが相槌を打った。


「だが、それも今日で終わりだ!しばらく休みだぞ、お前ら」


カイトは拳を掲げた。


ロイドは口笛を吹いた。


「というわけでだ、アキト。俺は明日エリナさんの家に行く」


「そこでだ、アキトの剣の腕前を見せてくれ」


「いいよ」


アキトは頷いた。


「へぇ、アッキーは剣を使えるのか」


トムはアキトを見つめた。


「使えるというか、体が覚えているものというか」


アキトはどう話していいのかわからなくて困惑していた。


「おいらもアキトの剣技を見てみたいからカイトに着…」


トムが言いかけたところでロイドが口をはさんだ。


「少しは察しろ。お調子者が、明日は俺の付き合いだ」


「そんな…」


トムは肩を落とした。二人のやり取りを見たカイトは苦笑いした。


「というわけでアキト、明日は昼すぎに行くからよろしくな」


「わかった。姉さんにも伝えておくよ」


「お、おぅ」


カイトは少し照れ笑いをした。


◆ ◆ ◆


翌日————


トントン


扉を叩く音が聞こえた。


「どちらさまですか?」


エリナが尋ねた。


「カ、カイトです」


上擦った声が聞こえた。


扉を開けると二羽の黒兎を手に持ち、大きなリュックを背負ったカイトが立っていた。


「エリナさん、今日仕留めた黒兎だ。おにゃあげだぜ!」


言葉が崩れる。


そして、カイトは黒兎を差し出した。


「まぁ、ありがとうございます。カイトさん」


「早速夕食に使わせていただきます」


エリナは黒兎を受け取った。


「アキトから聞いています。狭い家ですがどうぞお入りください」


「お、おじゃまする」


カイトは緊張した面持ちで家の中に入った。


隣の部屋で遊んでいたアキトとルナも出てきた。


「デカ兄だ」


ルナはカイトを指さし叫んだ。


「はは…」


カイトは苦笑いをした。


「こんにちわ、カイトさん」


アキトが声をかけた。


「よお、アキト来たぞ」


カイトはにやりとした。


「では、こちらにお座りください」


エリナが台所のテーブルを指さした。


「失礼する」


カイトはそういうと座り、続けてみんな着席した。


カイトは咳払いをひとつしてから話始めた。


「今日はアキトの剣術を見てやろうと思いやってきた」


「カイトさん。私からもお願いします」


エリナは頭を下げた。そしてカイトの目を見た。


「任せてくれ」


とは言ったものの目が合ったカイトはうろたえて目線をアキトに移した。


カイトは咳払いをしたあと話した。


「というわけでアキト、以前話していたサネユキを持ってきてくれないか?」


「わかった」


アキトは頷くとベッドの有る部屋へ行き、サネユキをもって帰ってきた。


「おお、それがサネユキという刀か。見たことない不思議な剣だ」


「ではアキト、その刀をもって外に出るぞ」


アキトが頷いた。


そして、二人、いや三人は外に出た。ルナがアキトの後ろに着いてきた。


後ろから声が聞こえる。


「アキト、私はこれから黒兎を調理しますからルナをお願い」


「わかった。姉さん」


昼下がり、三人は家の前の草原に立った。


◆ ◆ ◆


ルナはふたりの周りを楽しそうに駆けている。


「アキト、サネユキを貸してくれないか」


アキトは頷くとサネユキをカイトに手渡した。


カイトが刀を抜こうとしたが抜けない。


「!」


力を込めて抜こうするが抜けない。


「抜けないぞ」


カイトは首を傾げる。


「そんなことは…僕が抜いてみます」


カイトからサネユキを受け取る。


アキトがサネユキを抜いた。


カチンッ


心地よい音とともに抜けた。刀は青白く煌めく。


「!!」


「この刀には意思がある。知能剣に属するものかもしれんぞ」


「まさにアキト専用の刀だ」


カイトは感心する。


そしてリュックの中から古びた剣帯を取り出した。


「この剣帯は俺のお古だがアキトにやる。今からサネユキに付けてやるからな。ちょっと待ってろ」


「いいの?」


アキトは遠慮気味に尋ねる。


「ああ。多少、俺の汗が染みついて臭うかもしれんが気にするな」


そういうとカイトはサネユキに剣帯を取り付けた。


「ありがとう、カイトさん」


カイトはアキトの背に回り剣帯の帯を微調整した。


「よしっ、いいぞ!」


サネユキをアキトが背負うように取り付けた。


そして取付が終わるとカイトはアキトの正面に回り指図した。


「アキト、背にあるサネユキを抜いてみろ」


アキトは右手を伸ばしサネユキを抜いた。


「ああ、ルナちゃん。今アキトに近づくと危険だ。俺が肩車してやるぞ」


カイトはルナをひょいっと担ぐと肩に乗せた。


「きゃ、きゃーたかいの!」


ルナは喜ぶ。ルナが喜ぶ様子をエリナは調理しながら見ていた。


「よし、アキト構えてみろ」


「うん」


アキトはサネユキを構えた。刃が青白く煌めく。



続く

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