第十八話 孔裏側放水作戦
孔の進行方向のセンターから溝を掘り、くの字型に掘る。
放水ホースを地中にする為に消火栓の位置から溝を作りポンプ車からホースを溝の中までひく。
孔が来たら目視でセンサー部分を確認して斜め後ろに放水して向きが変えられれば大宮公園に展開したもんどり罠に入るかもしれないと言うまさに運任せのその場の臨機応変な対処となる。
掘った溝の中に入るのは、陸自隊長、千尋、消防隊員の水樹の3名で、水樹がホースを持つ。
植松「ダメだ。片瀬さんがそんな危険な事をやっちゃダメだ。俺は目の前で田岡を失ったんだ。もう止められなかった後悔はしたくないんですよ」
片瀬「心配してくれてありがとうございます。しかし地下なら大丈夫な事は確認済ですから平気ですよ」
植松「なんで俺の周りには意地っ張りばっかなんだ。もしもの事があっても俺は片瀬さんの旦那には俺からは話さないからな」
片瀬「ふふふ、大丈夫ですよ」
大丈夫な保証など何処にもない。
もしもの事、、、あるなら浩、真守をお願い。
◇◇◇◇◇
陸自隊長「現在、大宮駅前を通過。後20分程度だ。もんどり罠の爆破班は準備のまま待機!」
植松「3人共、ここは頼んだ!」
陸自隊長「判りました。退避をお願いします」
植松「判った」
水樹「片瀬さん。余り時間もありませんが簡単に作戦の説明をお願いします」
片瀬「はい。隊長さんも一緒に」
陸自隊長「判りました」
片瀬「東京孔危機管理本部での観測ではあたかも全自動掃除機のような動きでした」
水樹「宇宙人か何かの兵器ですかね?」
片瀬「それは判りませんが、今はそんな話ではありません。移動や進路変更にルールがあります。足場の水を避け進路を変えます」
水樹「全自動掃除機なら外側にセンサーがあってぶつかって向きを変えますね」
片瀬「はい。でも動きは半径よりも沢山水場に晒さないで向きを変えるのですよ。なのでセンサーは裏の中央付近にあると考えてます」
水樹「成る程。ではそのセンサー部分に直接放水して向きを変えようと言う訳ですね?」
片瀬「はい。その通りです。隊長さん、ここからだと角度を何度位に向ければ良いか判りますか?」
陸自隊長「大体20度から30度位左前方です」
片瀬「仮にそのセンサー部分が円形などなら斜め右後ろに放水すれば向きは変わるかとか考えてます」
水樹「正確にそこに放水してみれば良いのですね?」
陸自隊長「このままでは作戦失敗は既定路線なんだ。そう緊張せずに頼む」
水樹「判りました」
遠くから建物が崩れる音が聞こえた。辺りは避難が終わっており電車も自動車も走っていないので他は結構静かだ。
後5分程だろう。
片瀬「お二人共、本当にこんな作戦に巻き込んでしまって申し訳ありません」
陸自隊長もゴクリとツバを飲む。
陸自隊長「しかし、今回の孔の裏側など確認した事のある方はいるのですか?」
片瀬「いえ、いませんね。信濃町の学生が孔の中にドローンを入れたとネットで話題になっていましたが、裏側からの見るのは私達が始めてですね」
水樹「孔が来ます!」
ご愛読ありがとうございます。
後2話で第一部が完結です。お楽しみに♪




