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7 告白
その夜、里夜は車で桑本ほとりの所属する大手芸能事務所【クリア・クラウン】を訪ねた。【クリア・クラウン】は新宿の高層ビルの2フロアを占有している。
里夜は事務員の案内で社長室に誘導された。
「やあ、内倉君、久しぶりだね」
白い背広に赤いネクタイの太った男が笑顔で出迎えた。左手には金色の時計が巻かれ、靴も新品のように艶やか。髪は短髪ながら、茶髪に染め、派手なサングラスをかけている。
男の名前は井野崎謙作。【クリア・クラウン】の社長で五十五歳。
「こんにちは」
「急用と言うことだが、何だね?」
「新聞を賑わしているネット動画のことをご存じですか?」
「あー、あの殺人映像とか、マスコミで騒いでるやつか」
「私の所属タレントも今、行方不明でして」
「それは気の毒にな。それで?」
「今、行方不明になっている星名麻衣歌と平間臨未のことです」
「二人がどうかしたのか?」
井野崎は胡散臭い者を見るように里夜を見た。
「私、気にかかることがあるんです。それを今日はお話にあがりました」
里夜は覚悟を決め、顔を上げ、井野崎の目を見て、話し始めた。




