女王さまとクーペ
前書き
ようこそ、あたしのメインフレームへ。
今回のログは、2020年6月中旬の三笠公園から始まるわ。
ヤンデレ王子こと白井勇希が、あたし以外の女と歩いているという修羅場エラーから起動するのよ。
でも安心して。その正体は、あたしの中学生時代のお古を着こなす、規格外の成長アルゴリズムを持った14歳の妹、黒木桜なんだから。
露出度マックスの涼感アーキテクチャで決めたあたしと、フルアーマー防壁の桜という、時空の歪んだレイアウトを堪能しなさい。
当然の帰結よねッ!
2020年6月中旬。三笠公園。
俺、茅野万桜は、我が目を疑った。
三笠公園の広場、記念艦三笠の重厚な船体と東郷平八郎の銅像がそびえるその中央で、ヤンデレ王子こと白井勇希が、女王さま以外の女と親しげに話しているじゃねえか。
ベージュのトレンチコートを着た勇希の隣で、笑顔を浮かべて歩いているその女は、ネイビーのロングコートにベージュのプリーツスカート、足元はブラウンのロングブーツという大人びたテクスチャをまとっている。
いや、待て落ち着け。友達だ。きっとそうだ。
そうでないとラボが修羅場という名のエラーを起こして、物理的に完全崩壊してしまう。
「ボッチじゃん。なにやってんのよ?」
俺の背後から、おそらく今、この場で最も居合わせてはいけない女の声がした。
女王さまこと黒木舞桜だ。
どうするCEO?
俺の脳内メインフレームが、かつてない速度でパニッククエリを処理し始める。
「なにって、おデートの待ち合わせだよ。ロメオ返ってきたから」
俺は慌てて振り返り、舞桜の光学センサーを物理的に遮断するように両手を大きく広げてみせた。
「ああ、あれを勘繰った? あれはヤンデレの浮気相手じゃなくて、ウチの妹よ。勇希のヤツが甘やかして間食を与えるから、中学生にあるまじき身長になったのよ」
そう言って、舞桜は深い吐息をコンパイルする。
ちゅ、中学生?
あの大人びたトータルコーデといい、高身長なハードウェア構成といい、高校生でも無理じゃねえか?
「そうかしら? あれあたしの中学生の時のお古よ」
シレッと宣う舞桜。
そういや、舞桜の特技は、食卓上で大盛りご飯の茶碗タワーを建立することだったっけ。
あの規格外の成長アルゴリズムが、妹の桜にもバグみたいに遺伝しているってわけか。
俺は、あまりのスペックの暴力に、ただただ絶句するしかなかった。
★ ◆ ★ ◆ ★
あたし、黒木舞桜は、防大組の倉田琴葉ちゃんと、ボッチこと茅野万桜の服装を見て、一言ポツリと漏らしたわ。
「暑くね?」
記念艦三笠の赤茶けた煙突が背後にそびえる三笠公園で、ボッチは深緑のきっちりしたスーツジャケットに白インナー、お隣の琴葉ちゃんには黒のタートルネックの上に薄紫のジャケットを羽織り、グレーのスラックスに手を突っ込むという、チョイ寒トポロジーを構築していたのだ。
「いや女王さま、6月中旬だけど、それはやりすぎじゃねえか?」
ボッチのヤローが、あたしの服装に強烈なツッコミを入れてくる。
あたしの今日のテクスチャは、黒のキャミソール型ビスチェにデニムのショートパンツという、極限まで露出度を高めた涼感アーキテクチャなのよ。
上から薄手のボタニカル柄ガウンを羽織ってはいるけれど、自慢の割れた腹筋と、バスト95の我儘ボディが完全にオープンソース化しているわ。
「一番おかしいのは白井くんと、あなたの妹さんの格好よ」
琴葉ちゃんが、至極真っ当なツッコミをデプロイする。
視線の先では、プラチナブロンドの髪をなびかせた白井勇希と、あたしの妹である黒木桜が、真冬の寒冷地仕様みたいな厚手のトレンチコートとタートルネックニットという、時空の歪んだレイアウトで並んでいた。
「ああ、フルアーマーなんですって。勇希はその付き添い」
あたしは疲れたように吐息する。
妹の桜の生体データは、170センチの身長に対して、すでに姉であるあたしを脅かすレベルの質量バランスをレンダリングしつつあるのよ。
あの発育エラー気味の身体を隠すためのフルアーマー防壁ってわけ。
あまりの熱量差にパケットがパンクしそうになったあたしたちは、近くのオープンカフェに場所を移したわ。
だが、カフェにログインした途端、桜の胃袋という名のストレージが大爆発を起こした。
テーブルに並んだ特大のマルゲリータピザを、両手で交互につまんでは猛烈なスピードで口の中へダイレクトアクセスしていく。
中学生のスマートな吸引速度を完全に超越した、野生のギガパケット通信ね。
「勇希、甘やかし過ぎよ。このままじゃ、桜まで我儘ボディになっちゃうじゃない」
あたしがチクリと釘を刺すと、勇希はコーヒーカップを置いて深く嘆息したわ。
「舞桜だって、中高生の頃からずっと我儘ボディだったじゃないか。正直、思春期の僕や拓矢は、教室で毎日のように目のやり場難民になっていたんだよ?」
勇希は、高校の生物室の片隅で、あたしのセーラー服からあふれんばかりの胸元に赤面して視線を彷徨わせていたアーカイブデータを引き合いに出してきた。
ピザを瞬く間に平らげた桜が、きらきらした上目遣いで勇希の顔を覗き込む。
「勇希お兄ちゃん。デザートピザとカルパッチョ追加してもいい?」
必殺のおねだりプロトコルが容赦なく行使されたわ。
「いいとも。好きなだけお食べ」
いいとも、じゃねえわッ!
そして、おまえは貢がせ上手のキャバ嬢かッ、桜ッ!
あたしが鋭い光学センサーで叱責のシグナルを送ると、桜は頬を膨らませてあたしを睨みつけてきた。
「勇希お兄ちゃんが良いって言ったよ? 成長期だからオナカ空くんだよ、お姉ちゃん」
あたしにまでおねだり属性のパケットをマルチキャストするなッ。
あたしは豊かな黒髪をガシガシと乱暴に掻き回して、不本意ながら承認パケットを発行してやったわ。
「だって、舞桜におねだりされてるみたいなんだもん。まあ、舞桜は僕に許可なんて求めないで、勝手に追加注文するけどね」
勇希が呆れたように呟くけれど、いちいちお伺いを立てる意味なんてないじゃん。
どうせワリカンって言っても、男の子のプライドという名のセキュリティが作動して、全部自分で払いたがるくせにね。
男の子って、好きな女の前では常に最強のサーバーでありたい生き物なのよ。
「てか、今はわかるよ? 俺らアホみたいに稼いでるから。中高生の頃はどうしてたんだよ? 親御さん大変だったんじゃねえの」
ボッチが呆れたように、桜が着ているあたしのお古のブランドコートに目を向ける。
普通に新品で揃えれば、確かにラボの予算レベルの高額請求が飛んでくる代物だけどね。
「ビキニエプロンで焼きそばを作る、お手伝いってやつね」
あたしが当然の帰結とばかりに宣う。
海の家で、黒のビキニにデニムのエプロンだけをまとったあたしが、汗だくで鉄板の焼きそばを大量生産していた暗号資産の記憶よ。
「まあ、そうやってお手伝いをして、母さんの友達とかから服を譲ってもらったのさ」
勇希が説明を補足する。
「それで、僕が今の桜とフルアーマー仕様の重装甲に付き合っているのは、ツナギ姿でオッパイを安易に放り出して欲しくないからさ、舞桜みたいにね。不二子ちゃん仕様の暴力的な質量は、舞桜だけでお腹いっぱいです」
その割に、おまえ、あたしのオッパイへのアクセス頻度は異常に高いじゃん。
さすがにあたしの妹である桜に劣情は抱かないでしょうけど、あたしのジト目に気づいたのか、勇希は真顔で言い返してきたわ。
「僕が気にしてるのは、コートの内側に仕込んだ熱中症対策用保冷パックの冷却ステータスだよ」
勇希は、純粋な医学的観測データという名の抗議パケットを視線で返してきた。
まったく、過保護なデバッグ処理なんだからッ!
★ ◆ ★ ◆ ★
あたしの時は、サブリナこと福元莉那の発育が最高に良かったため、男どもの視線がうまいこと分散されたのよね。それに、ヤンデレ極道プリンスである勇希と、猿プロトコル全開の斧乃木拓矢という鉄壁のファイアウォールが常時展開されていたからセキュアだった。
けれど、桜の周りって、守護神になりそうなのはゆるふわ少女たちだけじゃなかったっけ? ちょっと心配だわ。
あたしの心配をよそに、桜の胃袋という名のブラックホールへ、カルパッチョとデザートピザが急速に吸収されていく。
まだ足りぬと申すかッ?
「まあ、腹八分目って言うし。ごちそうさまでしたッ!」
桜は満足そうに口元を拭うと、カバンを掴んで塾に向かって元気よく走っていったわ。
……本当に大丈夫かしら? あの無防備なフルアーマー中学生。
「大丈夫だよ、舞桜。あの塾の講師は、全員女性だけで構成されているからね」
勇希が光学センサーを光らせて宣う。
そうだったの? そう言えば、桜の塾の手配とセキュリティチェックを徹底的にやったのも勇希だったっけ。
てか、知性の女王であるあたしが直接勉強を教えりゃ、塾代のリソースも浮くし一番よくね?
「あぁ~……そりゃ絶対にやめた方がいい。餅は餅屋って言うだろ?」
ボッチが、全力で拒絶のパケットを送信して否定してきたわ。
「おまえが教えたら、論理が天才すぎて『なんでこの一行のコードから次のアルゴリズムが導き出せないの?』って、桜ちゃんの脳内メインフレームを物理的にクラッシュさせるに決まってる。凡人のエラーログをデバッグする辛抱強さが、おまえのOSにはプリインストールされてねえんだよ」
「じゃあ、個別の家庭教師をつけるのはどうよ?」
あたしが代替案をデプロイすると、今度は勇希が首を横に振った。
「家庭教師というノードが提供するのは、あくまで『特定の受験を突破するための効率的な攻略パッチ』であって、学問の本質を教えているわけじゃないんだ。今の桜に必要なのは、基礎的なロジックを体系的に学ぶための集団インフラなんだよ」
なるほど、ふたりの論理的な解説に、あたしもようやく納得のコンパイルが完了したわ。
じゃあ、この塾ってなんなのよ?
「純粋に学問の本質を教えるところさ。受験を突破するための、くだらないハックを教える塾じゃない」
白井勇希は、コーヒーを一口飲んでから涼しい顔でインフォメーションをデプロイした。
「実は桜、あそこの個別カリキュラムでもう高校レベルの高等数学と物理学を履修し始めているんだよ。天才である舞桜の妹は、やはり天才という圧倒的な初期スペックを引き継いでいるみたいだね」
え、嘘でしょ?
あんなピザとカルパッチョで脳細胞を物理的に満たしているような小娘が、すでに高校のディレクトリにアクセスしているっていうの?
「黒木家の行動パターンは、常に『効率重視』というアルゴリズムで動いている。僕はそれを見誤って、東京本郷大学に進んでしまった」
勇希の瞳に、ヌチャリとした暗い熱量という名のヤンデレパラメータが急上昇していく。
「……まあ、医学徒として舞桜のオッパイの健康と発育をミリ単位で永続的に守り抜くには、最高学府の最新医療インフラで学ぶのが最も効率的だ。君の細胞の1つ1つまで僕の完全なる管理下に置くための、必要な投資だからね。だがその結果、君と離れて過ごすという最大のバグが発生し、僕の精神状態は常に致命的なエラーを吐き出し続けているんだよ……ッ。ああ、いっそ君をホルマリン漬けにして、僕の部屋の無菌室にサーバーごと隔離したい……」
もっともらしい医学的アプローチで最低のヤンデレロジックを宣う極道プリンスを完全に放置して、あたしたちはオープンカフェを後にした。
「てか、あの娘も魔王なんかよ女王さま?」
ボッチこと茅野万桜が、呆れたようなパケットを送信してくる。
「ただの生意気な小娘よ。世界一したたかな、ね」
あたし、黒木舞桜は、我が妹である桜のバックグラウンドプロセスを思い浮かべながら、そう評したわ。
「効率重視ってことは、『近いから』という物理的距離を理由に県立大へ進学し、『できるじゃん』という軽いノリの演算で、人類の文明シフトという特大のハザードを引き起こす可能性があるということですか……。舞桜さん、妹さんは今おいくつ?」
倉田琴葉ちゃんが、冷や汗混じりの音声データで問い掛けてくる。
「今年で14歳だから、大学進学まではあと5年後かしらね」
あたしは、横須賀の海風に髪をなびかせながら、乾いた声音で答えた。
「……保全されないといいわね。あたしたちみたいに」
この最高にセキュアで、孤独な隔離空間にね。
★ ◆ ★ ◆ ★
あたし、黒木舞桜は、愛用のバイクから四輪インフラへ浮気することにしたわ。
今回あてがったのは、狂気的なまでに深い紫の偏光塗料をまとった、パープルヘイズなブーブよ。圧倒的な排気量で物理法則をねじ伏せる、最高にセキュアで凶悪なクーペだわ。
どうして小回りの利く二輪をパージしたかって?
理由なんて明白じゃない。今日のあたしのテクスチャは、黒のビスチェに極限まで丈を詰めたデニムのショートパンツよ。
こんな防御力ゼロのむき出しの我儘ボディで、灼熱のエンジンブロックを股に挟んでニーグリップなんて、物理的に完全なバグ構想よッ。
マフラーの熱やアスファルトの照り返しで火傷じゃ済まないし、飛び石という名の物理攻撃をモロに食らう。おまけに走行風という名の暴風雨で、上に羽織ったボタニカル柄のガウンなんて瞬時に吹き飛ばされてしまうわ。あたしの気高いプライバシーが、全域パブリックに晒されちゃうのよッ。
そんな致命的エラーを回避するため、優雅にブーブのドアを開けようとした瞬間だった。
「待ってよ、舞桜ッ!」
カフェの出口から、ヤンデレ王子こと白井勇希が慌てた様子で追い掛けてきたわ。
「おいてくとか酷いと思う。みんなの伝票まで押し付けてさ」
息を切らしながら、不満気なパケットを送信してくるヤンデレ王子に、
「「白井(くん)」」
悠々と背後から追いついてきたボッチこと茅野万桜と倉田琴葉ちゃんは、
「「ゴチッ!」」
見事な同期処理で、異口同音に奢りへの感謝をコンパイルした。
あたし?
もちろん、そんな言葉は一ミクロンも発動しないわ。
最強のサーバーである彼が、あたしたちの維持費という名のコストを負担するのは、世界の論理を正すための当然の帰結ですものッ!
★ ◆ ★ ◆ ★
あたし、黒木舞桜は、納車されたばかりのパープルヘイズなクーペのステアリングを優雅に撫でた。
「それにしても、とんでもないトルクの化け物を召喚したわね。このクーペ、俺のロメオと並べたら完全に反社インフラじゃねえか」
ボッチが、呆れたようなパケットを送信してくる。
「白井くんの黒ベンツと並んだら、どこの組織の会合かって通報されちゃいますよ」
倉田琴葉ちゃんまで、クスリと笑いながら同意のシグナルを発行したわ。
「うるさいわね。あたしの我儘ボディを安全かつ迅速に運搬するには、これくらいの物理的質量が必要なのよ」
あたしが鼻で笑って往なすと、助手席にログインした勇希が、少しだけ不安そうな光学センサーを向けてきた。
「舞桜の装甲としては合格点だけど……バイクへのアクセス権限を完全にパージしたわけじゃないよね?」
ヤンデレ王子は、あたしから二輪という名の危険なアクティビティが削除されることを期待しているみたいだけど、そうはいかない。
「当たり前じゃない。あたしのインフラのコアは、いつだってあの二輪の振動と風よ。今日はこの露出過多なテクスチャだから、四輪という安全圏に一時的にリダイレクトしただけ。バイク愛という名のメインループは、1ミクロンも揺らいでいないわ」
あたしがキッパリと宣言すると、勇希は少し残念そうに、けれど安堵したように吐息をコンパイルした。
ボッチの愛車であるロメオと、あたしの新しいクーペ。
最高にセキュアで暴力的な四輪の並列処理が、今ここに構築されたのだ。
「じゃあ湘南流してみましょうか」
あたしたちは、ロメオとクーペでタンデムと洒落込んだ。
★ ◆ ★ ◆ ★
結局、湘南超えて箱根まで来ちった。
海沿いのルート134を流すだけのつもりが、このパープルヘイズなクーペが叩き出す暴力的なトルクに魅了され、気がつけば西湘バイパスを抜けて箱根のワインディングロードへとログインしていたのだ。
夕日に染まる水面と、どこまでも続く稜線を見下ろす峠道。
あたし、黒木舞桜は、その路肩に停めた紫の車体に軽く寄りかかり、涼しい山風に長い黒髪を梳かせていた。
黒の編み上げビスチェに、極限まで丈を詰めたデニムのショートパンツ。その上に羽織った薄手のボタニカル柄ガウンが、夕暮れの風を受けてふわりと舞う。
胸元のゴールドネックレスが、斜陽を反射してキラリと光ったわ。
背後に鎮座する圧倒的な質量を持つ紫のブーブは、深リムの5スポークホイールと厳ついリアスポイラーを備え、まさに物理法則をねじ伏せる最高にセキュアなインフラストラクチャーそのものだ。
「湘南流すだけじゃなかったのかよ、女王さま」
後から追いついてきたロメオから降り立ったボッチこと茅野万桜が、呆れたようなパケットを送信してくる。
「この化け物のポテンシャルを演算するには、直線の海岸線だけじゃスループットが足りなかったのよ。山道のコーナリングという名の負荷テストをパスしてこそ、完全な同期が完了するってもんでしょ?」
あたしが不敵に笑って宣うと、助手席から降りてきたヤンデレ王子こと白井勇希が、夕日に目を細めながら吐息をコンパイルした。
「君が楽しそうでなによりだけど、その露出度の高い装甲で箱根の山風に当たるのは、医学的にもセキュリティ的にも推奨できないな。早く車内に戻ろう、舞桜」
相変わらず、あたしのバイタル保全に余念がないデリカシーハザードね。
あたしたちは、夕日に照らされるパープルヘイズのクーペとロメオを背に、眼下に広がる壮大なテクスチャを眺めていた。
最高にセキュアで暴力的な四輪の並列処理。
当然の帰結よねッ!
後書き
お疲れさま。
湘南を流すだけのつもりが、パープルヘイズなクーペの暴力的なトルクに魅了されて、気がつけば箱根のワインディングロードまでログインしちゃったわね。
夕日に染まる景色を背に、白井勇希が相変わらずあたしの装甲の露出度に医学的エラーを吐き出していたけれど、それも平常運転のメインループよ。
天才的な初期スペックを持つ桜が、あたしたちのように隔離された空間に保全されないことを祈りつつ、あたしたちは最高にセキュアな四輪の並列処理を楽しんだわ。
どんなインフラに乗り換えても、あたしたちのコアは揺るがない。
当然の帰結よねッ!




