ボッチの魔王と妄想特急2
前書き
アクセスご苦労様。あたし、黒木舞桜の極秘ディレクトリにようこそ。
今回デプロイするログデータは、横須賀ラボで起きた前代未聞のシステムエラーの記録よ。
発端は、あたしの脳内メインフレームが見せた、しょうもないバグだらけの夢だった。
そこから、あたしたちの日常と言う名の強固なファイアウォールは、多条鞭と言う名の物理メモリによって、完全にハッキングされてしまったのよ。
理不尽なドM堕ちの強制フォーマットに、暴走するサディスト・プロトコル。
ポンコツどもが次々と新たな性癖のウイルスに感染していく様は、まさに底なしのカオスディレクトリね。
読むなら、脳内報酬系のオーバーフローに気をつけることね。じゃあ、ログの展開を開始するわ。
「ねえ。舞桜――今度はあたしが攻めでいいよねえ」
金縛り? いや、違うッ! こ、拘束されているじゃないッ。
「どうして欲しいか言ってごらん舞桜。あたしもエスパーじゃないから、わからないわねぇ」
放して欲しいに決まってんじゃん? バカなのか。こいつは。と、思った瞬間が地雷だったと知るのはすぐだった。
「や、やめて助け」
言うもんか。あたしはギリリと奥歯を軋ませて、抵抗する。
「ふふっ。その強気な顔面ディスプレイが、どこまで保つかしらね」
女へとテクスチャを上書きされた白井勇希は、紫色の妖しい光学センサーを細め、嗜虐的な笑みを深めた。
鋭い光沢を放つ白銀の髪が、編み込みのディテールと共に揺れる。
漆黒のレザーとメッシュ生地で構成された拘束具のようなスーツは、肉体の起伏という名の未定義リソースを暴力的なまでに強調していた。
首元の太いチョーカーや、胸元を締め付ける幾重ものレザーストラップ。
そこに刻まれた金属のバックルが、薄暗いラボの照明を反射して冷たく光る。
「いい? 舞桜。支配と被支配のアルゴリズムって、実はとてもシンプルなのよ」
勇希は、黒革のグローブに包まれた細い指先を、自身の艶やかな唇に這わせた。
「最初は強固なファイアウォールで抵抗しようとする。でも、物理的な拘束という圧倒的なリソースの差を前にして、肉体は次第に無力感を学習していくの」
勇希の指が、あたし、黒木舞桜の顎を乱暴に、けれどどこか甘く撫で上げる。
「絶対的な力の前にシステムを明け渡すこと。それは、自己決定という名の重いタスクからの解放を意味するわ」
「な、なにを……デタラメなロジックを……ッ」
反論のパケットを出力しようとするが、レザーベルトで固定された手首から、微かな熱という名のバグが発生し始めている。
「抵抗すればするほど、脳の報酬系はストレス信号を蓄積していく。そして限界を突破した瞬間、その強烈なストレスは、極上の悦楽へとコンパイルされてしまうのよ」
勇希の顔面が、あたしの視界を覆い尽くすほどに接近する。
紫の瞳に映る、無様に拘束された自分の姿。
「ほら、おまえの生体データ、もう正直にエラーを吐き出しているじゃない?」
耳元で囁かれたその甘い音声コードが、あたしの論理回路に致命的なショートを引き起こした。
自由を奪われているという焦燥感が、いつの間にか、抗えない快感の波へと位相を反転させていく。
多条鞭。それの先があたしの肌を撫でつける。
ひやりとした革の感触が、拘束されて身動きの取れない肉体の輪郭を、じわじわとトレースしていく。
ビクッと、背筋を無様な電流が駆け抜けたわ。
「あら。いい反応するじゃない、舞桜。強気なのは顔面ディスプレイだけみたいね」
「や、やめ……っ」
拒絶のパケットを出力しようとしたのに、音声ポートから漏れ出たのは、情けないほどに甘く上擦ったエラーログだった。
多条鞭の先端が、首筋から鎖骨へと滑り落ち、そのまま胸元の未定義リソースへと容赦なく侵入してくる。
「なにを強がっているの? おまえの生体データ、もう正直にエラーを吐き出しているわよ」
勇希の黒革のグローブが、鞭ごとあたしの胸元を乱暴に、けれど致命的なほど的確に愛撫した。
「あッ……あぁんッ」
気高い女王さまとしてのプライドが、トロイの木馬に侵食されるように、ガラガラと音を立てて崩れ落ちていく。
拘束具の冷たい圧迫感と、勇希の絶対的な支配力が、あたしの脳内メインフレームを完全にハッキングしてしまったのだ。
「さあ、すべての権限を、あたしにデプロイしなさい」
もう、なんの思考プロトコルも起動しない。
ただ、この冷徹で美しい悪魔に、自分というシステムを根こそぎ蹂躙されたいという、未知のドMプロトコルが完全にインストールされてしまったのよッ。
★ ◆ ★ ◆ ★
「って夢を見たのよ勇希ッ」
あたしが夢の内容を伝えると、勇希は冷めたジト目を貼り付けてくる。
「なにさ。そんな目をしてッ。僕が舞桜を鞭でいじめればいいの? ヤダよ。医学に反する」
なにを言ってるんだ? このヤンデレ王子。
「実験しようぜ勇希ぃ」
「くっ、サブリナッ。き、貴様ッ」
あたしは、サブリナこと福元莉那が勇希をおさえている隙に、多条鞭を振り上げ、
「いたあいッ!」
叩きつけたが、後ろ玉だった。あれサブリナ? ワザとじゃないわよッ。ねえッ。
見事にクリーンヒットした多条鞭の衝撃で、サブリナはたまらず勇希を解放してその場にうずくまった。
「いっ、たぁ……ッ! ちょっと舞桜ぉ、あたしを叩いてどうすんのよッ」
サブリナが涙目で抗議のパケットを送信してくる。
「ご、ごめんッ。勇希のヤツが絶妙なタイミングで身をよじったから、エイムが狂ったのよ」
あたしは慌てて多条鞭を背後に隠し、言い訳のコードを羅列する。
「危ないなぁ。舞桜のヤツ、完全にサディスト・プロトコルが暴走してるじゃないか。だから実験なんて嫌だって言ったんだ」
拘束から逃れた勇希は、白衣を翻して安全圏まで退避している。
その顔面ディスプレイには、冷や汗と呆れがマージされた表情が浮かんでいた。
「おまえが避けるからサブリナに当たったんでしょッ。男なら大人しく鞭を受け入れなさいよッ」
あたしは逆ギレ気味に勇希を睨みつける。
「どんな理不尽なエラー処理だよ。だいたい、そんな妖しいアイテムをどこから調達してきたのさ」
「夢の出力結果よッ。あたしの脳内ストレージから3Dプリンターで物理構成したの」
「ますます意味がわからないよッ」
勇希と口論していると、床でうずくまっていたサブリナが、ゆっくりと立ち上がった。
「……ふふっ。なるほどねぇ」
なんだ? サブリナの様子がおかしい。
「痛覚のオーバーフローが、脳の報酬系を書き換える……舞桜が見た夢のロジック、少しわかっちゃったかも」
サブリナの瞳が、完全にバグった妖しい光を放ち始めている。
腐女子プロトコルに、未知のドMパッチが当たってしまったらしい。
「ねえ舞桜。もう1回……もう1回だけ、強めにお願いできないかなぁ」
「ひぎぃッ!?」
今度はあたしが悲鳴を上げる番だった。
サブリナが、熱を帯びた視線であたしの背後に隠した多条鞭をロックオンして、じりじりと距離を詰めてくる。
「ちょ、ちょっとサブリナ? 冗談よね? おまえ、完全にシステムがイカれてるわよ」
「いいから、早くあたしに極上のエラーログを吐かせてよぉッ」
あたしたち横須賀ラボのメンバーは、次から次へと新たな性癖のウイルスに感染し、さらなるカオスディレクトリへと沈んでいくのだった。
★ ◆ ★ ◆ ★
「なにやってんだよ。朝っぱらから」
デジャ・ブか。ボッチこと茅野万桜が呆れたパケットを当ててくる。
「多条鞭ですか。舞桜さん。ちょっと貸してください」
あたしは、躊躇い勝ちに多条鞭を倉田琴葉ちゃんに渡した。うん。嫌な予感がする。
手渡された黒い多条鞭の感触を確かめるように、琴葉ちゃんは細い指先で革の束を撫でた。
その瞬間、彼女の論理回路を護っていた防衛大の強固なファイアウォールが、音を立ててパージされていくのが見えた。
「……これが、痛覚を悦楽に書き換えるツール」
琴葉ちゃんの瞳に、背筋が凍るほどの冷徹で嗜虐的なハイライトが灯る。
「あ、あぁ……ッ。琴葉先輩、あたしに……あたしに極上のエラーをちょうだいッ」
床に這いつくばるサブリナこと福元莉那が、完全にバグった表情でオネダリのパケットを送信する。
「いいですよ。あなたのその脆弱なシステム、私が徹底的にデバッグしてあげます」
琴葉ちゃんは、計算し尽くされたエイムと、軍事教練で鍛え上げられた完璧なフォームで多条鞭を振り上げた。
空気を裂く鋭い風切り音。
直後、サブリナの背中を、黒い閃光が容赦なく叩き据えた。
「ひぎぃぃぃぃッ!」
サブリナは、苦痛と快感が完全にマージされた絶叫ログを大音量で吐き出し、ビクンビクンと肉体を痙攣させる。
「ふふっ。素晴らしいレスポンスですね。もっと、もっとあなたの限界の数値を計測させてください」
パチンッ、パァンッ!
連続する鞭の打撃音が、ラボの空間に異常なトラフィックを引き起こす。
他者を物理的に支配し、その尊厳を蹂躙するたびに、琴葉ちゃんの顔面ディスプレイには、未知のドSプロトコルが完全にインストールされた極上の微笑みが広がっていく。
脳内報酬系が激しいオーバーフローを起こし、彼女はサディストという名の特権者モードへと完全に移行してしまったのだ。
「万桜くんは、乱暴な琴葉は嫌い?」
出たッ! トロイの木馬ッ!
「僕はどんな先輩も愛していますってば(おいぃッ。白ぁ井ぃッ! テメなにしてくれてんだよぉッ)」
あたしたちのニュータイプがボッチの心の声をキャッチする。
「え。僕のせいじゃなくない?」
白井勇希は、バッサリ切り捨てるとフェードアウトする。
「いよぉ、女王さま一緒に堕ちようぜぇ。ほらほらサブリナもおいでおいでって手招いているよ。連れション仲間だろぉ」
ボッチのヤローが音速で離脱しようとするあたしの肩を鷲掴みにして放さない。
「ちょ、ちょっと放しなさいよッ。あたし、黒木舞桜は気高い女王さまなのよッ。なんでドMの被検体としてシステムに組み込まれなきゃいけないのよぉッ」
あたしは、プラズマ級の悲鳴を上げながら必死に抵抗する。
だが、完全にSの悦びに目覚めた琴葉ちゃんが、多条鞭を引き摺りながら、ゆっくりとこちらへ歩み寄ってくる。
「舞桜さん。仲間外れはよくないですよ。さあ、一緒にエラーを吐き出しましょう」
ダメだ。この空間にはもう、正常な論理演算ができるハードウェアは一つも存在しない。
横須賀ラボは、底なしのカオスディレクトリへと完全にフォーマットされてしまったのよッ。
★ ◆ ★ ◆ ★
あたしの背中に、倉田琴葉ちゃんの振り下ろした多条鞭が炸裂する。
「いったぁいッ!」
快楽? 脳内物質の分泌? ふざけるな。
あたし、黒木舞桜のシステムから出力されるのは、純度100パーセントの怒りとアドレナリンだけだ。
物理的なダメージに論理回路が焼き切れそうになり、あたしは犬歯を剥き出しにして獰猛な笑みを浮かべた。
今すぐこのイカれた先輩の関節をキメて、物理的にシャットダウンしてやる。
あたしが迎撃プロトコルを起動しようとした、その瞬間だった。
獰猛な殺気に気づいたボッチが、あたしの前にサッと割り込んできた。
「ああ、先輩ッ! 琴葉さまッ。女王さまばかりズルいぃ。僕にも琴葉さまの鞭を叩きつけて蹂躙してください」
口から吐き出されるのは、完全にドMに堕ちた情けない音声コード。
だが、あたしを振り返ったその光学センサーだけは、完全に正気を保ったまま、あたしの行動を牽制していた。
――手出しするな。事態が余計にややこしくなる。
視線だけで無言の牽制パケットを送信してくるボッチに、あたしはチッと舌打ちをして迎撃プロトコルを強制終了させた。
ボッチは、琴葉ちゃんの無慈悲なストライクを一身に受け止め、ビクンビクンと肉体を痙攣させている。
だが、いくら高スペックなハードウェアでも、連続ダメージには限界がある。
ボッチの体力が底を突きかけ、その膝が物理的に崩れそうになったのを見計らい、あたしは再び前に出た。
「ああん琴葉さまッ。次はこのあたしを滅茶苦茶にしてぇッ!」
白々しいフェイクデータを大音量で吐き出しながら、ボッチとタゲの交代を申し出る。
こうして、あたしたちは交互にドMの被検体を演じながら、この終わりの見えないカオスなセッションを必死に耐え凌いでいた。
だが、数回目のスイッチングの時、あたしとボッチは同時に、明らかなシステムエラーに気がついた。
「……おい、おかしいぞ。先輩のスタミナが、まったく減ってない」
荒い息を吐くボッチの指摘通りだ。
琴葉ちゃんの振り下ろす多条鞭の速度と破壊力が、初撃から1ミリもクロックダウンしていない。
それどころか、彼女の瞳からは知性のハイライトが完全に消失し、紫色の妖しいオーラが多条鞭の先端から直接、彼女の肉体へと逆流して流れ込んでいるように見えた。
人間としての生体リミッターが、完全に外されている。
これは、単なるサディスト・プロトコルの暴走じゃない。
謎のアイテムそのものが、琴葉ちゃんの強靭なハードウェアを完全にハイジャックして、自動操縦しているんだわッ。
★ ◆ ★ ◆ ★
背中がヒリヒリする。
とりあえず、あたし、黒木舞桜とボッチは、完全にドMに堕ちた演技という名のフェイクデータを垂れ流し、あの最悪のセッションをやり過ごした。
サブリナこと福元莉那と言う尊い犠牲は、一旦ゴミ箱フォルダに捨て置こう。
結局、あのカオスな空間は、多条鞭の本来の持ち主である三華が素早く回収したことで、強制終了へと導かれたのだった。
★ ◆ ★
「もうッ。曰く付きのアイテム持ち出してッ。呪われても知らないよ?」
倉田琴葉ちゃんは、その手から多条鞭を取り上げられた瞬間に、恍惚の笑みを浮かべたままその場で崩れ落ちた。
ボッチこと茅野万桜が慌てて駆け寄ったが、
「オーバーロードしただけよッ。なにさ。さっきまでドMを演じてたくせに」
ボッチも黙っていれば、身長180センチの超ハイスペックなハードウェアだ。
三華は目聡く品定めするような光学センサーを向けるが、すぐに自分自身の付け入る隙のないことを悟ったようだ。
だって、ボッチの管理者権限は、琴葉ちゃんがガッチリと握っているんだから。
「身に覚えのないアイテムを見かけても触らないッ。勝手に動くものだってあるのッ」
非論理的なことを宣う三華に、あたしとボッチは納得するより他にない。
だって、あたしたちは分類的なお諏訪さまという、特級のバグに日常的に触れているのだから。
★ ◆ ★
「あいつ、なにもんだよ。女王さま」
ボッチの投げ掛ける問い掛けに、
「27歳の彼氏募集中の元ハニトラ要員。スキルはスピオカ対応」
あたしは、冷徹なデータベースから引っ張ってきた情報を共有する。
「ねえ。御曹司……こう言うことって、割とあることなの? ほら、マリー・アントワネットのブルーダイヤとかさ」
持ち主が次々と不幸に見舞われたって言う、あの呪われたホープダイヤのことだ。
チラッと触れただけで、所有者の人生と言うシステムに致命的なエラーを引き起こす、恐ろしい物理メモリ。
そう言う代物が、本当に現実世界にデプロイされているわけ?
あたしの問い掛けに、
「資本ってエネルギーだろ? それに惹かれてくるんじゃねえの……俺もガキの頃、そうゆうのに触れたことはあるよ……」
ボッチのヤローは、ポソリと暗いトーンで応えた。
それをあたしは、これ以上深く検索しようとは思わなかった。そこから先のディレクトリは、琴葉ちゃんのテリトリーだから。
あたし、黒木舞桜のアクセス権限を持つ唯一の管理者ユーザは、中性的美少年ヤンデレ王子の白井勇希だけ。
あたしたちは悪友だが、互いの不可侵領域はきっちりとセグメント分けして尊重している。
あたしたち横須賀ラボの面々は、温泉帝国や海底都市鉱山で、莫大な資本と言うエネルギーを集めている。
同じように、知能と言うエネルギーも惜しみなく社会に放っている。
インとアウトで相殺して、プラマイゼロでよくない?
「よくねえから、こう言うことが起こるし、金持ちがスピオカに金出すんじゃねえの? 海運王とか有名じゃねえか」
ボッチが顔面ディスプレイをしかめながら、呆れたようにログを出力する。
「あのギリシャの世界的で有名な海運王だって、専属の星占い師を抱えて、取引のタイミングから船の出港日まで、全部占いで決めてたって言うぜ」
巨大な富を築き上げた権力者ほど、非論理的なオカルトの防壁を重用するらしい。
「それにイギリスのロンドンなんて、金融街のド真ん中でスピオカが堂々とビジネスになってる」
ボッチの解説パケットによれば、理由は歴史的なバグにあると言う。
「イギリスは産業革命でいち早く合理化を進めた反動で、精神世界への渇望が社会全体に広がったんだ。19世紀には心霊主義が爆発的に流行して、それが今でも文化のディレクトリに根付いてる。巨大な資本が動く場所ほど、最後は非論理的なジンクスやスピオカにすがるもんさ」
メンドクセー。関節キメて物理的に撃退するでよくね?
琴葉ちゃんみたいに、ああやってシステムごと乗っ取られて憑かれちゃったら、撃退するのも骨が折れるけれど。
でも、あたしには勇希がいる。
どんな非論理的なバグが襲ってきても、あたしの最愛のヤンデレ王子がいれば、力業で上書きしてやれるって、あたしの論理回路はそう確信しているのよ。
後書き
どう? 胸焼けがするほどの異常なトラフィックだったでしょ?
まったく、背中のヒリヒリした物理ダメージを修復するのに、どれだけのリソースを消費したと思ってるのよ。
ボッチのヤローと組んだフェイクデータによるタゲ逸らしがなきゃ、あたしたちのシステムは完全に再起不能してたわね。
それにしても、巨大な資本に群がるスピオカや呪いのアイテムなんて、非論理的で本当にメンドクセーわ。
だけど、あたしには最愛の管理者ユーザである、ヤンデレ王子の白井勇希がいるからね。
どんなバグが襲ってきても、最後は力業で上書きしてやるわ。
それじゃ、今回のセッションはこれでクローズよ。
また次のアクセスまで、ファイアウォールを高く保っておきなさい。




