あんた何者よ
ギュルギュルとまたぶくぶくと、バケツに入っている水に波を立てて遊んでいるそんな音が背後から近づいてくる。暑い夏の中子供がはしゃぎながら遊んでいるそんな音だった。その音に気がついた私は後ろを振り返った。
背後にはベッドとそこに座っている舞がいるだけなのになんでそんな音がするのか私には理解ができなかった。でも、振り返ったことで理解できた。
「なに...これ...」
水でできた蛇のようなもの。生き物なのかなんなのかわからないけど、危険であることは一目でわかった。
水の蛇が勢いよく襲いかかってくる。
やばい、あれに飲み込まれたら多分平気じゃいられない。
この場から脱出しなくちゃ。私の脳はそう直感した。
私は病室を勢いよく飛び出た。そのまま勢いよく転がった。そのおかげか紙一重で水の蛇を避けることができた。水の蛇は止まることなく病室の向かいにある壁にぶち当たった。そのまま水の蛇は原形もないくらいに水として飛び散った。
「あれ、避けられちゃった。やはりきみの危機回避能力は人並み外れているね」
病室をの入り口の前には舞の姿があった。
「なにをボケっとしてるの?いまの状況が理解できたなさそうだけど」
小馬鹿にしたような口調で舞はそう言った。
さっきまでの舞とはキャラとか口調とかいろいろ違っている。
私は立ち上がっり、舞と対峙する形になった。
「なによ、これ...こんなの理解できるわけないでしょ!あんた何者よ!」
「そう言っている割には随分と平気でいられるものだね。普通の人なら恐怖で声が震えてたり、体が動かなかったりするものだと思うけど。」
「なに言ってるのよ...こんな状況で平気でいられる訳ないでしょ!」
私の言葉を聞いて舞はふっと笑う
「本当にそうなのかな?君からは焦りとか恐怖とかよりむしろ余裕のようなものを感じるよ。 君は恐怖に強いのかな?それともただ、今の状況に頭が追いついてきてないのかな?それとも...以前にもこんな経験があったりして」
舞の最後の言葉を聞いた瞬間私の脳はその言葉の何かに反応した。それがなんなのかわからない、と言うより不確定すぎることな多すぎるからいくら考えてもなにもわからないままだった。
「なに...言ってるのよ...そんなことより私の質問に答えなさいよ!あんた何者なの?私の同級生なの?なんのために私に近づいたの?」
舞はニコッと笑った
「いいよ!教えてあげる。私はあなたの...」
そう言いかけた瞬間床が崩れ落ちた。
下の階に落ちていく刹那、見覚えのあると言うか夕方に見た少女の姿がそこにはあった。




