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お母さんは冬の女王様  作者: けら たろ
ー雪たんの日常と現在ー
25/27

雪たん喜ぶ


うららかな午後のひととき

宿屋兼酒場の【プロムナード】は今日も平和です


憑き物が落ちたように瞳をキラキラさせながら

私は大根・・・あははははっ!とか言っている初香、その周りをぴょんぴょんと跳ねながら喜ぶ雪たん、それを生暖かく見守るその他多数、やがて諦めたようにクランプは


「はあ、しょうがねぇか、おい大根、ちゃんと飼われろよ」


と、渋々初香を飼う事に同意します、それを聞いた初香はぱぁっ、と、男なら黙って思わず魅入るような笑顔を見せて雪たんを抱き締めます


「はい!全力でお世話されます!近づく奴等は塵芥に変えればいいんですよね!」


「てめー!良くわかってんじゃねーか!いいか、近づく奴等は即、殺、断だ!」


「はい!即効!惨殺!・・・だっ断!ですね!」


断だけ上手い言葉が見つからなかったようですがクランプはその返しに大いに満足したらしくウンウンと何度もうなずき


「よし!そうと決まったら早速レベル爆上げに行くぞ!今日中にレベル3桁だ!」


それを聞いた初香は、ふふん♪と、腕を組みながら


「それは問題ないんですよー、私のユニークスキルレベル関係ないんでー」


「そう言やぁお前さんのユニークスキルって何なんだ?聞いた話によると世界が滅ぶ、なんて大層な噂も聞くがどうなんだ?」


ビミョーな視線でクランプと初香のやり取りを聞いていたガリアンが話に割り込みます


「それよ!そんなに危ないユニークスキルなの?国は危険なスキルホルダーと認識して一時はあなたを亡き者にしてたみたいだし、気になるわ」


「・・・そんな話があったんですね・・・でっ、でも今はいい就職先も見つかったしスキル使えば借金もすぐに返せそうだし、万事おっけぇです!」


「お、おぅ頑張れ、で、お前さんのユニークスキルは?何なんだ?」


「あ、はい!私のユニークスキルは武闘英霊召還です!地球で名を馳せた英雄を憑依させてその英雄の能力を使う事が出来ます!」


「へぇ、っていうとあれか?宮本武蔵とか諸葛亮とかか?」


「あ、いいえ、憑依出来るのはあくまでも武で英雄になった人だけで知で英雄になった人はできません」


「なるほど、だが使い辛くないか?例えば宮本武蔵なら刀だろ?那須与一なら和弓だ、揃えるのが大変だろ?」


「ですです!だから考えたんです!武器なしで強い英雄を憑依させればいいんだって!地球にいた頃より身体能力上がってるんだからそれを引き出せば行けるかな?って!」


「ほぅ、考えたな、ってぇと李書文とかウォンヘェイフォンとかか?」


初香は、はあ?と首をかしげ


「李書文?ウォンヘェイフォン?誰ですかそれ、そんなんじゃなくてもっと有名な人達がいるじゃないですかー!」


「うーん、モハメド・アリとか力道山とかか?」


「古い、ガリアンもうおじいちゃん」


ジト目で突っ込む茜


「もー、しょうがないですねー、ヒントですよー」


人差し指を振りながらちょっと得意気な初香、ちょっとイラッとしますが大根にイラついていてもしょうがありません


「お、おぅ、頼むわ・・・」


初香は嬉しそうにヒントを出していきます


「地球産まれの野菜星人とか打撃無効の身体中伸びる海賊とか、だってばよ忍者とかですよー」


ガタタタタタッ!

にわかに空が曇り始めたかと思うとなぜか紫色になり強風の中、雷が舞い始め隣の飼い犬ペスが遠吠えを始めます

おしどり夫婦で有名な晶さんと健介さんが血で血を洗う争いを始め長年の無理が祟って腰が曲がってしまっている道具屋のベティ婆さんの腰が治りメリハリのきいたモデルウォーキングで周りのじさまたちを魅了していきます、ちなみに晶さん優勢


「えっ?なに?えっ?」


事態について行けずに慌てている初香をよそにプロムナードの面々もカオスってます


「なんでそれぶっ込んで来るかな?なんでそれぶっ込んで来るかな?馬鹿なの?ねぇ、馬鹿なの?・・・ブツブツブツブツ」


「アラートっ!アラートっ!S級非常召集っ!全ギルド員は考えられる限りの最大武装にて待機っ!これは訓練ではないっ!繰り返す!これは訓練では、ないっ!」


「はわわわっ!お父様が!お父様がお茶煤ってる場合じゃねぇっ!って柵乗り越えてこっちに来ようとしてますーっ!」


「わあ、大変ですぅー」


「雪も!雪もやるー!」


「ブモゥ」


紫はその場で頭を抱えてブツブツ言い出しアレクサンドルはギルドを動かしキューテルはこっちに来ようとしているお父さんを引きとめています

それを見ていた雪たんも鼻をフンスと鳴らして椅子の上でテーブルに両手をつきながらぴょんぴょん跳ね、それを落ちないようにひーちゃんが暖かく見守ります


「えっ?なに?」


初香だけ何が起こったのか理解出来ずにいるとガリアンが


「それはダメだろっ!世界が滅ぶんじゃなくて色々な所からの圧力で世界がなくなるわっ!」


「えっ?えっ?だってヒーローですよ?強いんですよ?野菜星人なんてこの星消せるくらい強いんですよ?」


「物理的に消える前に歴史から消えるわっ!」


「ととととととにかくスキルの説明をちゃんとした方がいいわ!この娘いまいち事の重大さをわかってないから!」


「それだ!初香!お前が何をしようとしているのかちょっと聞け!」


そう言うとガリアンはスキルの危険性を説明し始めます、するとどうでしょう雷と風が荒れ狂う天候が回復しうららかに、晶さんと健介さんが仲直りします、ベティ婆さんはそのままのようです


「・・・・そんな・・私のスキルってそんな危険な物だったの?・・・」


自分のスキルの危険性とおいそれと使えない事がわかった初香はどよん、と落ち込んでいます


「そんなに落ち込むな、そのスキルだって使いようによっちゃあかなり強いスキルだぞ、多分レベル上げれば英雄のの能力の混合も出来るだろうし、戦っていれば武器だって揃ってくる、それにお前さんの知らない英雄だって俺や茜がいれば使えるようになるだろうしな」


「安心して、私それなりに歴女」


「そっ、そうですよね!皆さんお願いします!色々教えてください!」


「うん!雪も色々教えてあげるねー!」


「ありがとう、雪たん!」


初香は雪たんを抱き締めます、雪たんも嬉しそうです、そんな2人を眺めながらガリアンは


「とりあえず監視は必要だな、あと、国への牽制として初香は俺のパーティー【ドラムナックル】に入れる、そうすりゃあおいそれと国も手を出せないだろうしな」


「うむ、ギルドとしてもその方が動きやすいな」


「賛成、英雄教える」


「わあ、新しい仲間ですねぇー♪歓迎しますぅー♪」


ドラムナックルの面々は初香を歓迎してくれるようだ


「ぐす、皆さんありがとうございます、がんばります!」


うららかな午後、宿屋兼酒場【プロムナード】は今日も平和です



ブモゥ













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