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お母さんは冬の女王様  作者: けら たろ
ー雪たんの日常と現在ー
24/27

雪たんの大根


・・・ずずずずず・・はぁ、


いつものテーブルにいつものメンツ、加えて初香とガリアン、そしてとりあえずブレイバーが関わっている事、王国も関わってくる事も吝かではないという懸念からガリアンの昔のパーティーメンバーも加えての話し合いをしています

お茶請けはきんつばと温かい緑茶です


「で、その少女がブレイバーと言う訳だな、ならばクエスト達成ということで王国に引き渡して万事うまくまとまるのではないのか?」


ガリアンの元パーティーメンバーであり現ギルドマスターであるアレクサンドルは洒落にならないくらいの高レベルなおじさんやおば、いや、おねーさん?達に囲まれて縮こまっている少女を見ながら問いかけます


「そんな事より雪たんの隣にいる植物が気になる、アレクはもっと現実を見るべき」


紺色の髪、光を宿さない紺の瞳を持ったどっからどう見てもアサシンですと主張しているような小柄な女性が話に割り込みます


「あれは何?ひまわり?お茶も飲む?」


視線を反らさず興味津々な女性の視線を受けながらひーちゃんは自分のきんつばを食べ終わってしまい物欲しそうにしている雪たんの前に自分のきんつばを差し出します


ぱぁっー


「ひーちゃんくれるのっ!?・・でもひーちゃんの分がなくなっちゃうよー!うーん、あっ、そうだ!ひーちゃん半分こしよー!」


そう言ってきんつばを不器用に半分こし始める雪たんの頭をひーちゃんは、くぱぁ、と涎のような蜜を口から垂らしながら優しく葉っぱ手で撫でています


「・・・・やさしい・・・」


「まぁまぁ、茜、ひーちゃんの事は後で説明するわ、今はブレイバーの事を話そう、で?先ずは自己紹介から頼むわ、お前さんの事は何もわからんからな、俺の名前は亜門透、クラスはマルチトルーパー、お嬢ちゃんとは同郷だ、此方ではガリアンって呼ばれてる、そっちの紺色の髪の娘は下宮茜、同じく同郷、クラスはシャドウウールスだ、で、ギルドマスターのアレクサンドル、クラスはパラディン、フワフワ浮いてるのが地縛霊兼マジックユーザーのラナ、4人で『ドラムナックル』というパーティーを組んでいた、それなりに名は売れていたと自負している」


ドラムナックル、聞いたことある、そうだ、王都で訓練してた時馬鹿姉から聞いたんだ、確かSS級パーティーで惜しまれながら引退した集団だったような、今でも何人かは国の要職に就いて影から国を支えているとかいないとか


「いぇ、サラッと流そうとしてますけど地縛霊いますよね?地に縛られた霊ですよね?クエスト行けませんよね?」


「あぁ、こいつはこのミニチュアハウスの地縛霊だから何処にでも行けるぞ」


そう言うとガリアンはアイテムBOXから50インチのモニター位の大きさのミニチュアハウスを取り出して見せる、やたら豪華でウサギさんやリスさんのお友達の人形がいるようだ


「ア、アイテムBOX・・・それになんかビミョーに地縛霊じゃないような・・・」


「ふふふ、特技は必殺金縛りですぅー」


「がががががかっ」


なぜか紫が金縛りを掛けられて硬直します、ラナはふよふよと紫に抱きつき何かを吸いとっていますが気にしたら負けです


「あああぁぁぁ・・・」


「ひーちゃーん!あーん!」


「ブモゥ、バクンッ!モゴモゴ・・・ブモゥ♪」


「美味しいねー!」


穏やかな日差し、心地よく凪ぐ風、今日も宿屋兼酒場【プロムナード】は平和です


ラナを見ていた他のメンバー達はおもむろに向き直り話を続けます


「・・・じゃあお嬢ちゃん、自己紹介頼むわ」


同郷者がいる、それだけで何処か安心する事が出来た初香は先程よりリラックスして話すことが出来ました


「は、はじめまして、大根初香です」


「よし、大根、まだその設定引っ張るなら表出ろ、引っこ抜いてやる、よりにもよって20日大根だと?こちとら20日で復活されても迷惑なんだ、なあ、大根、理科は好きか?今から実験してやるよ、大根に流れる血は何色かってのを調べる実験をな!安心しろ、赤かったら『大根に流れる血は赤かった』って本出してベストセラー取ってやるからよーっ!」


クランプが剣の塚に手を掛けて威嚇します


「ひっ、違います!大根と書いておね、です!おねはつかですぅ!」


「はっはっはっはっ、初香とやら、良いネタを持ってるではないか」


「名前で笑い取れるなんて、逸材」


「大根は水分多目で吸いとり辛いから苦手ですぅー」


「雪は大根好きー!」


「いや、話が進まんからとりあえず静かに聞いてくれ・・お嬢ちゃん、すまんな、続きを頼むわ」


「は、はぃ」


初香はぽつりぽつりと自分の事を話始めます

どこにでもある普通の家庭に育ち普通に厨二になり普通にニート経験もして普通に高校一年になって普通に久しぶりに登校しようとしたら普通に召還されたこと

王都でブレイバーと呼ばれ訓練をして深淵の底にレベル上げに行かされたこと、そこで魔族に会ったこと、時折クランプ達から、


「やべっ、蹴ったこと覚えてねーよな」とか


「やっぱり耳にウドは不味かったんじゃない?」とか


「やはり闇に落ちるには角が必須か、ふふふふふふ」


とか聞こえたような気がしましたがあまり気にせず話を続け、何故か土に埋まっていた所を雪たんに助けられた所まで話終えました


「で、今は大根として雪たんに飼われています」



「・・・・・・」


ビミョーな空気が流れる中、ガリアンが問いかけます


「えーっと、大根なのか?」


「はい!歌って踊って喋れる大根です!」


「・・・・それでいいのか?」


「はい!危険もありませんし3食昼寝付き(添い寝))ですし!お小遣いもなんと月金貨1枚ですよ!そりゃ大根にだってなりますよ!」


キラキラと目を輝かせ力説する初香を見ながら皆はちょっと可愛そうな奴なんだなー、なんて思ったりしていました


キラキラーっ









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