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クズ勇者  作者: K瀬


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2/3

顔がクソ可愛いんだ、俺の幼馴染は



思わず走り出してしまった。何も考えず身体が動いた。

馬鹿みたいだ。

父ですらあの怪我なのに、俺に何ができるんだ。


助けられるのか?

そもそも彼女は無事なのか?


考えるだけ無駄だ。とにかく急がなきゃ。

そもそも、ここにきた理由は幼馴染である彼女を助けるためだ。


何ができるとかじゃない。

死んでも助けるんだ。


そうして、幼馴染の家に着いた。他の家と同じように燃えている。


焼け焦げて壊れた扉から無理やり体を入れる。


身体に木屑が刺さる。

痛い。


火花が顔に触れる。

熱い。


それでも進むしかない。

擦り傷や火傷を体中に負いながら俺は中に入った。


「灯火(とうか)!!」


中に入るとすぐに彼女が見えた。うつ伏せで倒れている。

声をかけても反応がない。だが、まだ生きている。

ただ、呼吸が浅い。


【一酸化炭素中毒】


脳裏にそれがよぎった。

早く外に出さないとまずい。

ただ、入り口は人を担ぎ出せるほど広くない。

どうすれば。


________________



村がモンスターに襲われた。私は二階のタンスの中に隠れてた。

最初に父が殺された。玄関にいってモンスターから家族を守ろうとしてくれた。

次に妹が殺された。妹も隠れていたが。見つかってそのまま食べられた。

そして、母も殺された。

妹が食べられているのを見過ごせなくてモンスターに立ち向かった。

モンスターは三人を殺すと二階の窓から外へ向かっていった。


私は震えて隠れ続けることしかできなかった。


モンスターが去ってしばらくしたとき。家が燃え始めた。タンスから出て逃げようとした。家族の死体をみながら階段を下りた。


階段を降りてる途中で階段が崩れ、私は強く頭を打った。


意識が朦朧とする。


「ねぇねぇ!しょうくん!」


「なんだよ、とうか」


「大きくなったらさ!けっこんしよ!!」


「なんかい言うんだよ」


「大好きだから!たくさん言う!」


懐かしい。

私は少し不器用な彼が好き。


「ねぇ!しょう!私と祭り行こ!」


「面倒くさい。金ないし」


「私がいろいろ買ってあげるから行こ?」


「ただ飯??なら行く」


「やった!!じゃあ今日の夜ね!」


彼はお金使い荒くて、自分のことしか考えてない。

でも、


「そこの嬢ちゃん可愛いじゃん。俺達といいことしよ」


「ごめんなさい。私用事あるので」


「いいじゃんか、ちょっとくらい」


手を無理やりつかまれた。私の力じゃ解けない。


怖い。


「離せよてめぇら、そいつは俺の女だ」


彼は私を救ってくれた。


彼には力はない。頭も多分良くない。顔も別に普通だし。性格もクズだし、でも、彼は私をいつも助けてくれる。


意識が朦朧とする。


「灯火!!」


彼の声が聞こえた気がした。


私の意識はそこで途絶えた。



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