29・花鶴みゆきの視点4・真実を告げるクマ
古賀澤さんの告白は、サスペンスドラマの追い詰められた犯人が独白するシーンの様に鮮烈で、皆んなが描く古賀澤はるかと言う理想から外れた中身が晒されるモノでしだが、不愉快にもならず、独善的でもなく、偉そうに言うのであれば『人間・古賀澤はるかの証明』みたいな、その場にいて共有された事への喜びみたいなモノで満たされた。
私、花鶴みゆきはこの図書室で傍観者としてコレまで国木戸君の物語を紡いできました。
古賀澤さんの毛糸玉の仕込みの経緯を特等席から観覧できたのは行幸でした。
国木戸君の観察と報告は、少し後ろめたい気持ち含めて傍観者として楽しかった。
私は常に私の前に見えないガラス板みたいな隔世のための防御壁を自分の前に常に構えてきていました。
私は国木戸君に変わればいいのに…と願いながら、『自分は関係ないけど』と見えない壁を置いて隔離してきました。
古賀澤さんの告解は、(私からは)完璧に見える人間の葛藤と、正直でありたいという願望と、これまで接して来なかった人たちの繋がりを心地よい、もっと深く…という願いを感じて、衝撃を受けました。
私は…私は、憧れを…自分でないどこかで起きるモニターの向こうのドラマの様に近いけど関係ない距離で起きることに対してだけ関心を持っていたのだと…ふと気づいてしまいました。
なんか、私…眼鏡が曇って見づらいのですが…ああ、私泣いているんだ。
恥ずかしくて顔を覆って眼鏡が曇ってます…
「おー、どうしたみゆきち?はるかの告白に感動したのか?」
ケラケラと笑うアキラさん…の笑顔も、私にかけてくれる言葉も、更に私の心をざわつかせます…そこにガラスの壁はありません。
「わ、私も…健ちゃん…国木戸健一君のことが好きです!」
気が付いたら私も告白をしていました。
「ぎゃはは!やっぱそうだよなぁ~おい、モンチ…どうする?…ここにいるメンバーはたぶん全員お前のことが好きだぜ?!」
アキラさんは容赦がありません…
……え?全員?!




