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天使と聖女は足元に転がる【赤い毛糸玉】に導かれる  作者: 黒船雷光


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25・千鳥アキラの視点3・私の嬉しいプレゼント

「はい、このクマは千鳥さんの分です」

「ふぁっ!?」思わず変な声出ちゃった。


 朝っぱらからイチャつくモンチとはるかを通り過ぎる車窓から見つけたので、何だよはるかのヤツ、同盟結んだフリして早速抜け駆けかよと笑っちゃう。


 まあ、だって混むし面倒と言うヒロキを説き伏せての通常時刻の通学だ。ウチだって朝イチ狙ってたもんね。


 文句言いつつも混雑の中、ヒロキが(かば)ってくれる。

 ヒロキ…の中に私の居場所は、こうした主従にしかないのは悲しいことだ。

 けど、近くに居てくれるだけでウチは嬉しい。


 電車が最寄り駅に着いたら全力で追っかけた。

 アッサリ追い付いたのははるかが足首のケガが完治せずに未だ杖ついているからだ。


 開口一番、モンチの声かける。すると、はるかの方から挨拶してくれた!嬉しくなって「はるか」に挨拶する。すると彼女は少し驚いてから「おはようアキラ」って呼び直してくれた!


 彼女ってスッゴいお嬢様って話だから(昨日は少しだけ通じ合えた気がしたけど)モンチ狙いのライバルだったのに…今日はアキラって!なんていい奴。

 なんか、ウチは取りこぼしていた青春と言う奴を今拾い直しているんじゃないかって気分になってアガる!


 そして、冒頭のモンチからのいきなり不意打ちのキーホルダーだ。


 いやなんか、はるかの持っていたキーホルダーのクマは結構凝った作りっぽいし、そんな直ぐに貰えるものじゃない…って何処かにあって、でも少し期待したりしてて…その期待通りのクマが朝いちばんで貰えるなんて…


「モンチ結婚して!」

 思わずツッコみ上等で叫んじゃった。


 そしたら、モンチが「嬉しいです!」ってギャハー!!もうキタコレ!

 ハネムーンは月世界旅行が良い!スペースシャトル貸し切りで!!

 はるかが物凄い顔をしてて超笑える。


「ですが、結婚は出来ません」ってスペースシャトル発射延期!


「ま、まあ…ノリとツッコミで?」ジョークなんだって言うヨ、ウチは…

 そしたらモンチが「僕たち未成年ですし…」


 マジメか!


「え?じゃあ、じゃあハタチになったら結婚してくれる?マジで…」


 あ、はるか怖いよ…なんかスゴい顔してる…貴重な体験☆


「法律的に結婚可能かどうかではないと思いますよアキラ…お互い成人するというのは法律で定めるところの基準ではなく、自立して生活力を持ち、互いに支え合って愛だの恋だのを超えた信頼関係が構築できると判断してこそです…もちろんそこに至るまでの互いの想いを交わして……」


「分かった!マテ!はるか!!……おまえもマジメか!!…冗談だってば」


「あ、冗談…ですよね」そこでモンチも落ち込むな!


「お嬢…スペースシャトルは現在では生産されておらず、運用も当然されていませんぜ…」ヒロキ!!お前のツッコミも的外れじゃ!


 何だろ…コレ…めっちゃ楽しい!


「モンチ、コレありがとう。ウチ本当にうれしいよ」

 赤いクマのキーホルダーを掲げる。


 モンチのカバンにも、はるかのカバンにもついている。

 私も受け入れてもらったのだという不思議な実感がある。

 お願いしたのはウチだけど、きっとモンチは言わなくても作ってくれたのではないかと感じる。


「あ、はい、ちゃんと鹿部君のもあります」

「うえぇ?」ヒロキが超ビビってる…笑える。


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