少年、新しい仲間を紹介する⑤
文章の関係上、今回は短めになります。申し訳ございません。
「はー、今日は疲れただべ。腹減っただよ」
修行を終えた六人は、ラルカの楽園への扉で学園に戻ってきた。既に夜時の初(19時)を回っている。食事の時刻は過ぎているが、事前にグリメルには申告済みだ。
「今日の夕食は何でしょうねぇ。グリメルさんの料理美味しすぎてぇ、ついつい食べ過ぎちゃいますよぅ」
「・・・最近、クリスのおなか、ぷにぷにしてきたにゃ」
カレンがクリスティーナの腹部をつつく。
「だ、大丈夫ですよぅ。今日はたくさん訓練したからぁ、相殺されるはずですぅ」
クリスティーナの情けない声にみんなが笑う。
「今日はありがとう、じゅ・・・ダニエル。おかげで迷いが吹っ切れた気がする」
「全ては我が君のためでございます。お気になさらぬよう」
ジュリアンはすでにダニエルの姿に変身している。
「でもよかった。ダニエル君もみんなと仲良くできたみたいで。これでゴンちゃんは鍛冶の修行に、僕たちは討伐訓練に行けるね」
「お、おう、そうだな」
「ゴンゾ、少し寂しそうだにゃ」
「そ、そんなことないだよ」
「ねぇ、もうおなかぺこぺこですよぅ。早く食堂に行きましょう」
「ああ、そうだな。もう夜も遅い、風呂に入って汚れも落としたいしな」
ライラの言葉に寮へと足を向けた六人に、一陣の風が吹いた。
「うわ、急になんだべや」
「季節外れの突風かにゃ」
「風邪をひくとまずい、早く寮へ戻ろう」
皆が足を速める中、ゴンゾが一人足りないことに気付く。振り返ると一人ラルカが立ち尽くしていた。
「おい、なにしてんだ。早く帰るべよ」
ゴンゾの苛立たしげな声にも、ラルカは反応しない。立ったまま、風の吹いた方向を見つめている。
「ラルカ?」
訝しんだライラがラルカの元に戻ってくる。他の四人も不審に思い、戻ってきた。
「いかがいたしましたか、我が君」
「今の風・・・」
「風?風がどうかしたにゃ?」
カレンたちがラルカの視線の方向を見る。特に何も見えず、夜空が広がっているだけだ。
「死の匂い」
「え?」
ライラがラルカの顔を見た。真顔になっている。
「お、おい、どういうことだ?」
答えず、ラルカは目をつぶり、両手を広げた。まるで夜空に何かを感じ取るように。
「・・・魔物?」
「なに!?」
「いや、違う。・・・戦争?」
全員、顔を見合わせる。
「いや、それでもない。もっと怖い何かだ、これは・・・」
ラルカが目を見開いた。
「疫病だ。疫神がやってくる」
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