少年、少女と一緒に祖父へ再び会いに行く①
「ふうぅ、さっぱりしますねぇ。私ぃ、このために生きてるって言っても過言じゃないですよぅ」
クリスティーナが湯船につかり、幸せそうな表情を浮かべた。学園の寮には男子、女子それぞれに浴場がある。学生たちはほぼ毎日入浴ができる贅沢を満喫していた。
「確かに、それには同意するにゃ。汚れだけじゃなく、疲れもとれるにゃ」
カレンも頷く。クリスティーナの胸を横目で見て、続いて自分の胸を見た。あまりの差に絶望的な気分になったが、首を振って頭から無理やり追い出した。
「それにしてもぅ、ラルカさんって本当に強いんですねぇ。あんなにかわいいのに。いったいなぜなんでしょう?」
昨日の野外訓練のことを思い出し、クリスティーナがカレンに疑問をぶつけた。
「噂じゃ、学長の子孫じゃないかって言われてるにゃ。学長ってエルフ以上に長生きだから、隠し子が何人かいても不思議じゃにぃって聞いたにゃ」
ヨミが聞いたら雷が落ちるであろう下世話な話をしていると、浴場に入ってくる人影が見えた。
「邪魔をする」
ライラだった。銀髪を束ね、その褐色の肌をあらわに入ってきた。
「・・・ふう」
ライラが手桶で湯を掬い、肩から掛け湯をする。流れる湯が豊かな胸の間を流れ、くびれた腰から下り、太ももからふくらはぎを通り、長すぎる脚をらせん状に降りていく。
「はあぁ・・・」
「にゃあ・・・」
思わず二人が息をのんだ。怪力を誇るはずだが、肉体は柔らかい女性としての魅力に満ちあふれている。同性であるはずの二人でさえ見とれるほどだった。
「すまない、入ってもいいか」
「どど、どうぞぅ」
「は、はいにゃ」
二人がスペースを開けると、ゆっくりとライラが湯につかった。褐色の肌が桜色に染まり、妙齢の女性のような色気を無意識に振りまいている。
(す、すごいですねぇ。同い年とは思えませんよぅ)
(か、カレン、ドキドキしてきたにゃ)
「二人とも」
カレンとクリスティーナがびくりとした。
「昨日はすまなかった。二人にも多大な迷惑をかけた」
「そそそ、そんな、謝ることじゃないですよぅ。ねぇ?」
「そ、そうにゃ、むしろこっちは助けられたくらいだにゃ」
「ありがとう、感謝する」
それでもライラは頭を下げた。
「わたしは、弱い」
ライラが独り言のようにつぶやいた。
「わたしはもっと強くなる。二人に、そしてラルカに恩を返すためにも。だが、それは一人ではできない。だから」
ライラが立ち上がった。肢体から湯のしずくが流れ落ちていく。
「二人とも、これからも、よろしく頼む」
真剣な言葉に、カレンとクリスティーナも立ち上がった。
「こちらこそぅ、よろしくお願いいたしますぅ」
「カレンも、よろしくにゃ」
三人に笑顔が見えた。それから少女たちはすっかり打ち解け、ナイチンゲール教諭に叱られるまで、しゃべり続けた。
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