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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第七章 爆破テロ編
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第97話 徐々に

 「The Mutation」の会場が襲撃されて2日が経った頃、一連の事件は世界中に知れ渡り、各国のムタチオン対策部隊の支部が一斉に通信による会議を行っていた。中国の北京にある第28支部では、日本で発生したムタチオンのテロについてという議題で、支部で会議を行っていた。

 「2日前の事件は世界的に見てもかなり大きな事件だ。中層部に下層部に通常部隊を配置していたのにも関わらず、ムタチオンの侵入を許した。これは第3支部側に落ち度があった可能性が考えられる。」

 「しかし日本の第3支部は高層部がおられます。高層部がいる支部でまんまとムタチオンの侵入を許すなんてミスをすると思うか?」

 「そこが重要なところだ。我々の国も似たようなイベントを開くが、ムタチオンに対しての警備は厳重に行っている。その地区全域でムタチオンが居るかどうかを調べて、ムタチオンがいると問答無用で一時的に拘束する。中国では、ムタチオンは発見次第すぐに拘束することになっている。拘束してから、過去に犯罪歴があるか無いかで逮捕するかどうかを判断する。まあ9割は逮捕しているが。」


 アメリカのワシントン州にある第1支部のトップ最高層部と、日本の第3支部の高層部、ロンドンの第4支部の高層部、バンクーバーの第9支部、北京の第28支部、ニュージーランドのウェリントンにある第30支部のそれぞれのトップがスカイプを通じて話し合いをしていた。


中国「我々は、警備に何らかの落ち度があったと見ているが。」

ニュージーランド「我々の場合は、そちらの支部にスパイでもいるのかと思う。」

バンクーバー「いや、私らの考えでは、さらに裏を描いたムタチオンがいたのではと思っている。」

イギリス「我々は第30ウェリントン支部と同じ考えだ。」

アメリカ「恐らく犯人以外にもムタチオンがいたのではないかと思われる。」

日本「我々も第1ワシントン支部と同じ考えをしている。なぜなら、うちの中層部の道中が山下愛利以外にもムタチオンと交戦したと言っている。」

 「そうです。他のムタチオンと交戦いたしました。しかし髪が長くて顔を確認できませんでしが、直接的な攻撃能力は山下愛利を超えているのはたしかだ。」

アメリカ「つまり、中層部クラス、あるいはそれ以上のムタチオンがいたということか。」

日本「しかし、それほどの実力をも持つムタチオンは先日逮捕し、現在ムタチオン刑務所にいる。」

中国「この前の吉本八郎か?」

日本「そうです。しかし最近気になる事が多いのです。」

アメリカ「それは?」

日本「先日の吉本八郎もそうですが、それよりもう少し前に名古屋を襲撃した北村大輔という男がいましたがそいつも何者かの手によって、抑えられているんだ。」

アメリカ「お前たちでやったのではなく、第三者が手を加えている可能性があるということか。」

日本「うちの中層部の吉川が来た時にはすでに、対象のムタチオンは何者かによるダメージがあるんだ。吉川の能力上、物理的なダメージ跡が残るのは不自然だ。しかも、北村と吉本もそうですが、ダメージ跡が2人とも一致するものがあるんだ。」

ニュージランド「つまりこういうことですか。凶悪ムタチオンを逮捕しているが、M部隊が逮捕する前にすでに第三者によって、ダメージを与えられていて拘束しやすくなっていると。」

日本「そうです。どれもみんな全国ニュースになるレベルの事件を起こした者に限って、決まったダメージ跡、つまり攻撃した跡があるんだ。本人は一切誰がやったか喋らないが、これはかなり気がかりなので自白剤を投与して聞いてみることにする。」


 日本の支部は、さとしらがこれまで対峙してきたムタチオンが毎回第三者が関わっていて、その第三者も毎回同一人物だというところまで推測していたのだ。

 「我々が逮捕する前にすでに何者かが犯人を抑えてることになる。」

 「逆に言えばそれは我々にとって都合がいいのでは。」

 「何を言ってるんだ、危険指定はもちろん、カミソリ能力、突風を起こす能力、人の体温を変化させる能力、つまり新潟の県立高校を襲撃した杉山ひろし、名古屋を襲撃した北村大輔、日銀を強盗しようとした吉本八郎、これら3人には同じタイプの攻撃跡がある。つまりこの3人を攻撃したのは同一人物、そしてこの3人を上回る実力のムタチオンが更にいるということだ。」

 「考えてみればそうだな。しかしこの3人に共通点はあるのでしょうか。」

 「現在この3人に何か共通点はないか調査中だ。新潟、愛知、東京、この3人の起こした事件の現場はそれぞれ全く違う。しかし攻撃した相手は同一人物によるもの。物理的な跡が残ってるということは、物理的な攻撃が可能な能力を持っているムタチオンだ。」


 さとしらが今まで対峙してきた、杉山、北村、吉本、この3人にはみゆが高速移動を使って攻撃した跡が残っており、第3支部の高層部、里山健司は息子である祐也にこの事を少し話して祐也にも調べてもらうことにした。






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