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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第七章 爆破テロ編
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第91話 愛利と梨香

 2013年3月…愛利が高校を卒業して、クラスの皆で打ち上げをしていた。高校を卒業したのもあり酒に手を付ける子もいて、今まであった出来事を皆で話し合っていた。皆でこうして騒ぐのもこれで最後かも知れない。もう二度と会わない人もいるかも知れない。愛利は皆と騒ぎつつも頭の中でそう思っていて、3年間彼氏がいなかった愛利はクラスに好きな男子がいたので思い切ってその場で告白したのだ。するとあっさり成立してしまい、他の男子もどんどん愛利と付き合いたいと言いだしたのだ。初めはドッキリかなんかだと思った愛利は、試しに隣にる女子に服を脱ぐように言った。すると、なんのためらいもなく服を脱ぎ始めたのだ。

 「本当に脱がなくてもいいのに。」


 自分の言うことを全て聞くというこの現象を見て愛利は自分に何らかの能力があるのではないかと思い、やってはいけないことを試してみた。

 飲食店を出るとき、お金を払うのではなく逆にくれるように言ってみたのだ。するとあっさりとお金をくれて、ついでにレジにあるだけ全部と言ったら本当に全部くれたのだ。


 「(やっぱりそうだ・・・)」


 愛利は自分がムタチオンであることに気付いたのだ。しかし無銭飲食をしたために愛利の中で罪悪感があり、しばらく家から一歩も外に出なくなった。


 「お姉ちゃん、いつまでそうしてるつもりなの?」

 「うるさい」


 4月から中学3年生になる梨香は、母親は梨香が生まれた直後に亡くなっており、父は海外出張などで家にいない日がほとんどであったが、金銭面では困っていないので、学費や、娘の生活費などは十分に払うことが出来たため愛利も生活に困っているわけではない。

 家にはほとんど愛利と梨香の二人で過ごしているため、梨香の面倒は愛利が見ていた。


 そして1年がたち、愛利の引きこもりは無くなって、梨香は高校生になった。







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