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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第七章 爆破テロ編
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第87話 道中の実力

 愛利は春奈にナイフを持たせて道中に向かわせた。道中は春奈が持っているナイフを能力で取り上げて愛利の方向へと飛ばした。愛利はこれは予想通りの事で再び道中の部下を操って盾にした。また一人部下が殺られてしまった。愛利はこのパターンを攻略して春奈を囮に使わせたのだ。これに道中はさすがに我慢の限界だった。

 「いい加減にしろ。人を操って自分は何もせずに片付けようとしてるのか。そんな根性も無い奴がよく俺に攻撃をしようとしたな。」

 「はあ、中層部だか何だか知らないけど、戦いに卑怯とか言うわけ?」

 「そこまで言うなら仕方ない。お前たち俺から離れろ。」

 

 道中は一般人と下層部の部隊を自分から遠ざけるように指示した。愛利と道中の距離はおよそ30mで、その周囲100mは人がいなくなった。道中は両手を左右に開いて大きく腕を交互に回し始めた。すると周囲にある金属類が動き出して道中の頭上20mほどの高さに集まってきた。鉄パイプや、テントの枠、天井の枠、人々が身につけている時計やメガネなども道中の頭上の一ヶ所に集まってきた。そしてムタチオンの対策グッズなども一緒に一ヶ所に集まって、会場にある全ての金属類が道中の頭上に集まり、直径10mの大きな鉄球が完成した。その鉄球が握り拳サイズに分解されて、会場の天井近くまで上昇し、たくさんの数になった鉄球は半径30mの範囲に広がり、一旦停止した。


 「お前たちに離れるように言ったのは、今からこの山下愛利から半径30mは鉄球の雨が降り注ぐからだ。」


 道中は上げている右腕を下に下ろすと、一気に無数の野球ボールほどの大きさの鉄球が愛利に向けて落下し始めた。


 「さすが中層部、やれる能力の規模が違う。だけどあなたは私の能力を理解してないんじゃないの?」


 愛利は道中の力を目の当たりにしたのにも関わらず冷静にいたのだ。








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