第85話 協力戦
道中が金属操作の能力で、鉄パイプを飛ばして、愛利の方へ向けたが愛利は催眠で道中の部下を操って盾にさせた。道中は咄嗟に鉄パイプを止めようとしたが間に合わず、部下の腹に鉄パイプが突き刺さってしまった。それを見たみゆはこのままだと死者がさらに増えると思い、高速移動を使用し、一気に愛利の背後に移動した。みゆは愛利の首を腕で押さえ込む。しかし愛利は冷静で、瞬時にみゆに催眠を掛けた。
「ここにいる者を皆殺しにしろ。」
催眠にかかったみゆは首を縦に振って、愛利の命令に従った。みゆは高速移動を使い、道中の部下を次々と吹き飛ばしていく。通常部隊では何が起きているのか分からないままやられていった。この状況に道中は会場の外の駐車場に停まっている車を金属操作で浮かせて会場の壁を突き破ってみゆに車を飛ばすが、みゆの速度では、道中の金属操作の速度では追いつかなかった。車は会場に落下し、爆発した。これによりさらに負傷者が出てしまった。
「みゆの奴なにやってんだ。」
「これだとコソコソしている意味は無くなった。俺らも動くぞ。」
さとしと祐也は対策を練る。
「お前のスロー効果でみゆの動きを捉えられないか?」
「みゆの速度の平均は秒速60mで、最高が100mだ。だからみゆの速度を捉えるには100分の1秒以上で効果を発動する必要がある。だが俺のスロー効果の能力は、1秒間に見る長さが大きくなればなるほど効果時間が減少してしまう。」
「つまりどういうことだ。」
「10分の1秒で効果を発動すると、文字どうり、通常の見ている光景の速度の10分の1の速度になる。つまり俺からすると1秒という時間を10秒の長さで見ることができる。だから風船が割れる瞬間やガラスが割れる瞬間も細かく見ることができる。100分の1秒にしてしまうと、1秒という長さを1分40秒の長さで見ることになる。つまりほとんど時間が進まないように見えてしまう。でもそれは俺自身であり、周りの人から見たら何も変わっていない。俺自身をスローにするのをスロー状態と言うが、俺の速度がスローになるんだ。それは周りから見ると逆に物凄い速度に見えていることになる。」
「相対性理論だな。」
「とにかく100分の1秒となると最低でも1分40秒は神経を使うことになるから精神的、体力的負担が大きくなる。なんでやるとしたら一瞬で決めないといけない。」
「さとしは最高で1万分の1秒まで見れるんだろ、なら光も見ることが出来るんじゃないのか?」
「光の速度は毎秒およそ30万Kmだから、1万分の1にすると、秒速30Kmで、それでも第一宇宙速度より断然速いからそれでも見切ることはできんな。」
「光ってめっちゃ速いんだな。」
「ああ、特に最高単位の1万分の1秒を使用すると、しばらくは体力が切れて動けなくなるから出来るだけ使わないようにしている。」
「とにかくみゆの暴走を止めないと。」
「ああ、やってみる。」




