第80話 2人目の中層部
健太と祐也はムタチオン探査ドローンの展示している所に向かった。祐也も事前に調べており、どの装置がどんな機能を持っているのかは把握している。このドローンを開発した企業がこの商品の説明をしていた。
健太と祐也もその話を聞いていて、役員の一人が祐也に試用運転してみないかと、言われた。祐也は焦った、ここで試用すると真っ先に自分に反応してしまい、ムタチオンだという事がバレてしまう。この会場ではムタチオンの立ち入りが禁止されているので、ムタチオンがこの場にいる事がまずいからだ。さらにこのドローンは半径5Kmの範囲を探索するため、いくら広い会場でも、他にさとしやみゆなどにも反応する事になる。
「おい祐也、どうすんだ?」
「断っても誰かがする、完全に詰んでしまった。」
「そもそもここに来るのはリスクの塊だ。やっぱり止めたほうがよかったんじゃないか。」
祐也は意を決して操作する事にした。すると、ドローンの充電が不十分で動かない事が分かった。
「申し訳ありません。こちらに運ぶ前に試験運転をしていたので、充電が切れていました。充電には1時間はかかるので、申し訳ありません。ですのでこの映像で機能を見て下さい。」
祐也は運に救われた。しかし充電がされていなかったのは、企業としてもこれは良くないことである。
今回の「The Mutation」の開催の主催はM部隊第3支部の中層部、道中太郎である。道中太郎も幸子と並ぶ中層部の一人であり、身長は185cmで39歳である。その実力が認められて、30歳で中層部に選ばれた。当然ムタチオンであり、金属類を思うままの形に変化させたり、移動させたりする事ができる。ここでムタチオンの入場は禁止されているが、中層部2人はムタチオンであり、すでに矛盾しているように思えるが、M部隊に認められたムタチオンはこの規定は対象外である。先ほどの祐也が試用しようとしていた、ドローンで反応しても、中層部の2人は問題ない。それ以外の者で反応するのが問題なのだ。
一方のさとしは、みゆと中層部もムタチオンな事に疑問を感じていることに関して議論ををしていた。
「吉川さんもムタチオンなのに、ムタチオンは出入り禁止のルールが矛盾してないか?」
「何いってんの、M部隊のムタチオンはムタチオンに対抗する為に特別に認められた者なのよ。今さら何を言ってんのさっちゃん?」
「さっちゃん…まあそうだな。」
「なによ。」
「さっちゃんって、みゆにちゃん付けした事もないのに。」
「いいじゃん、今ムラムラしてるんだから。」
「生理不順?」
「ちげーよ、普通にムラムラしてんだよ。」
「怖いよみゆちゃん」
「みゆだよ。」
「あれ、顔赤いぞ。」
「うるさい。」
と話している二人だった。




