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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第七章 爆破テロ編
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第66話 無言の会話

 2015年5月25日…誘拐騒動から1週間が経った。あれから、みゆの母親は怒ってみゆには近づかないように言われたさとしは、それ以降も一言もみゆとは話していない状態が続いている。

 クラスの中ではもしかして別れたのではないのか、行方不明の騒動も喧嘩とかしたのではないのかと、色んな憶測が流れていた。

 「ねえ恵美、みゆと仲良いんでしょう、あの二人との関係に何かあったの?」

 「それがね、聞いたけどその事は触れないように言われちゃったの。」

 「そっとしておいたら、あんなにラブラブだったんだから。」

 

 みゆはいつも帰りに寄っていた店も来なくなった。

 「そういえば、いつもこの時間に寄ってくるあのカップル来ないね。」

 「たしかに、いつも来ていたんだけどここ1週間来ないな。」

 「単にテストかなんかだろ、気にするほどでもないさ。」


 みゆはさとしと話さなくなって1週間が経って、それ以降事件などに巻き込まれることは無くなり、母親は喜んでいる。

 「ほら、さとしと別れたら平和になったじゃない。もっと良い人を見つけるんだね。」

 「・・・・」

 母親にこの話をしてきてもみゆは無言であり、家族の誰とも話さなくなっていた。

 「おいおい、やりすぎたんじゃないのか?」

 「これくらいの事をしないと、あの子甘えるから。しばらくすればすぐに新しい男見つけるでしょ。」

 夫はこの件に関して少々やりすぎなのではと、妻に言っている。


 2015年6月1日…あれからさらに1週間が経ち、徐々に誘拐騒動の話題も出なくなり、落ち着きを取り戻してきた。みゆも無口になっていたが、友達や家族にも話をするようになった。

 そしていつものように授業を受けていつもと変わらぬ日を過ごした。


 一方のさとしは、あれ以来M研の活動もすっぽかして、宿題もやらず、成績もどんどん落ちていった。これを見て健太が励まそうとするが、さとしはこの件に関しては触れないように健太に言った。

 そして放課後、さとしは下駄箱で靴を履き替えていたら、後ろからみゆが、さとしの肩を2回指で突っついた。さとしはみゆと目を合わせて、何かを訴えた。するとみゆも目で何かを訴えた。目は口ほどに物を言うとはこの事なのだろうか。

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