第62話 高熱
「お前ら何しに来たのかは知らんが、こいつがどうなるか分かってるよな?」
吉本は能力でみゆを再び高熱にした。みゆはたちまち苦しくなり倒れ込んだ。息が荒くなり、汗も出てきた。祐也は吉本のオーラを確認した。
「赤とは言えないが、かなり赤に近い色だ」
「おいみゆしっかりしろ」
すると、奥の扉からゾロゾロと吉本の仲間が50人も出てきた。仲間は倉庫一帯を埋め尽くすほどだった。
さとしは、あらかじめ吉本の能力の仕組みを聞いていたので、すぐに対処をする事にした。吉本は触れた人間の体温を自在に変化させることができる。当然高温だけではなく、低温にもできる。さとしは逆にこれを利用して、さとしは自らの体を吉本に触らせる為に吉本に突進した。吉本はさとしをどけようと、さとしの腕をつかんだ。その瞬間能力はみゆからさとしに移って、今度はさとしが高熱を出した。さとしはみるみる苦しみ出す。
「どうした、さっきの威勢はどこにいった?」
「ハア、これで‥いいんだ…」
「なにがいいんだ?」
「みゆ!ハア…あとは任せたぞ!」
「任せて」
さとしに熱が移動した直後みゆの熱は無くなったので、これでみゆは吉本の能力に恐れる必要はなくなったが、今度はさとしに熱が回った。
「だが、こいつの熱はどんどんあがるだけだ。人間は42度を超すと死ぬのを知ってるか?」
吉本はさとしの体温を41度まで上げていた。さとしは平衡感覚を失ってしまい、奇声を上げ始めた。
「うわああああああああああ」
「え?」
「ぎゃあああああああだあああああああひぃいいいいいいい」
あまりの光景で健太や祐也も驚いている。
「ここまで体温を上げれば幻覚やなんだって起きる。まあこのままほっといたら5分であの世だろうけど。」
さとしに気を取られていた健太とちえこは、仲間に取り囲まれた。ちえこは首にナイフを突きつけられ、健太にはスタンガンを突きつけている。
「少しでも何かしてみろ、その2人はどうなるかわかるよな?」
みゆは優先順位を考えていた。
健太は自前のナイフを取り出そうとしていたがみゆがそれを止めた。
「待って健太、何もしなくていいよ」
みゆの顔には余裕の笑が浮かんでいた。




