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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第六章 誘拐編
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第54話 実力者が必要

 吉本は最終的にはM部隊を乗っ取ることだが、それを行うにはそれなりの力が必要になってくる。吉本も馬鹿じゃないので、それくらいは分かる。今の状態ではとても日銀すらも襲うことが出来ないからだ。吉本は3人ほど仲間を集めて話し合いをしていた。

 「この活動を初めて半年は経つが、人数はお前らを含めて10人だ。人数的にはまだまだ必要だ。あと力が不足している。一人でも警察に捕まったりでもすれば、そいつが俺のことを必ずしも黙っているとは限らない。一応報酬は口止め料でもあるんだけどな。」

 「しかし、吉本さん、このまま日銀を襲ってもM部隊に捕まるだけでは?」

 「たしかにそのとおりだ。今現在大きな銀行はムタチオン対策にM部隊が警備している。M部隊は通常の警察とは違う特殊な訓練を受けているので、わけが違う。しかも俺の能力にも限度があるからな。」

 吉本の熱の能力には限度があるのだ。吉本の熱は人ひとりに対してしか発動しないのだ。ある人物に熱を出させると、その人物の熱を解かない限り別の人物へ熱を発動させることは出来ないのだ。つまり一度に2人以上には使えないのだ。あれだけ多くの警備がいるようでは、吉本の力では歯が立たない。

 「ならどうするんです?」

 「一度に複数を相手できる、つまり倒せるような能力を持った人間が必要だ。」

 「ムタチオンを探すということですか。」

 「そういうことになるな。」

 吉本は自分の実力以上のムタチオンを探すことにした。強盗は定期的にやりながらも、全国を回ってムタチオンを探し回ったが、なかなか見つかるはずがない。見つかったとしても大した力ではない者ばかりだった。そこで、吉本はムタチオンを募集する張り紙を貼って、ムタチオンを呼んで勧誘を行ったがどれも賛同する者はいなくて、決まって戦いになってしまうのだ。

 「そんな簡単に見つかるはずはないか。日本に住んでれば自分と同じムタチオンに会うのは年に1~2回程度だしな。」

 周辺をみればムタチオンは自分だけのように見えるが、世界にはムタチオンが数え切れないほど存在している闇の区域もあるのだ。この闇の区域の存在はM部隊の高層部以上くらいしか知らない。あの幸子ですら知らない、この世からもみ消された闇の区域があるのだ。ムタチオンの巣とも言われている場所だ。



「ムタチオン」初投稿から1年です!




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