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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第五章 ゴールデンウィーク編
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第44話 使いたくない能力

 さとしはパンチの構えをしたその状態からしばらく動かなくなった。川本はそのすきにさとしを噛み付こうとしたがその瞬間川本はもの凄い勢いで吹き飛んでバスの端から端まで吹き飛んだ。川本は気を失った。周りからは何が起きているのかは分からなかった。祐也がその時見たさとしのオーラの色は銀色になっていた。

 しばらくして警察が来て川本を連行していった。さとしらはすぐにその場から離れて香代子たちは病院に搬送された。香代子の右腕は幸いにも神経が繋がっていて完全にはちぎれていなかった為、切断される事はなかった。ディズニーランドには退院後に行くことにした。

 30分後、さとしは祐也の家についてさっそく祐也の疑問をさとしに問いかけた。

 「さっきのあの攻撃なんだけど、一体どういう原理なんだ?」

 「あれはな、スロー効果をエネルギーに変換したんだ。」

 「そんなこと出来るのか。」

 「俺の能力はスローで周りを見ることが出来るけど時間をスローにするわけじゃない。だから周りをスローには出来ないけど自分をスローにすることは出来る。それをスロー状態と言う。スロー効果はスローで見る。スロー状態は自分をスローにするんだ。」

 さとしは自分をスロー状態にして10分の1の速度にして、パンチを溜めた為、周りから見れば数秒ほどしか溜めていないがさとしの体感は何十秒も溜めたことになる。その溜めた時間をエネルギーに変えて攻撃力に変換したのだ。さとしは本当はこの能力はあまり使いたくはなかったそうだが、やむを得ない為使用したのだ。このバスジャックの件は落ち着いたとみゆらに報告して、一件は落着した。

 さとしは祐也が言っていたムタチオンに対応した特殊なテクノロジーを教えてもらった。

 「この無効化剤ってやつがあるんだけどこれはな、100時間能力を無効化できるんだ。100時間経つと、効力が切れるから、100時間ごとに、打ち込まないと行けない。無効化剤はM部隊の中層部以上の者しか扱えない。無効化剤を製造するのも、特別に選ばれた専門家しか作れない。」

 「なるほど。」

 「ムタチオンには普通の人間にはないM染色体があって、この無効化剤はそれを一時的に制限するものだ。だからムタチオン刑務所にはこれらが使用されている。」

 「そういうのもあったんだな。」

 他にも高層部以上しか扱えない人工衛星の話もした。この衛星は事前に登録したムタチオンを常時追跡する機能があり、重大な犯罪を犯したムタチオンや、または氏名手配中のムタチオンの細胞を登録してその細胞から追跡を行うのだ。現時点では世界で500人ほど指名手配されており、その中でも50人ほどが重大危険指定に入ってるため、衛星による追跡を行っているが、実際は中々捕まえられないという。

 「場所がわかるのに何で捕まえられないんだ?」

 「ここまでのレベルのムタチオンだとM部隊の中層部ですら全く手に負えなくて、高層部も人数は限られているし、何しろ田舎だと特にそうだ。高層部は国レベルでも1人くらいしかいないからな。」

 「つまり、高層部よりも凶悪ムタチオンの方が数が多いから、時間がかかると。」

 「そうなるな。」

 「とんでもない時代に生まれたんだな俺たちは。」

 さとしは祐也と別れを告げて世界中のM部隊支部のリストのコピーと重大危険指定や危険指定されているムタチオンのコピーしたデータをもらって長島スパーランドのホテルに戻った。

 その頃、精神病棟に入院している涼太は、拘束生活を余儀なくされ、全く自由が効かない状態でいた。涼太は必死に叫んでもがくが、すぐに鎮静剤を打たれてしまう。

 一方のみゆは、明日はさとしとデートするので、下準備をしていた。一緒に映画を見に行く予定だ。

 健太は部活に励んでいた。

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