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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第五章 ゴールデンウィーク編
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第43話 会社への恨み

 香代子は自分の携帯と言ったが、犯人は明らかに携帯の柄からして香代子とは合わない為、すぐに嘘だと分かった。嘘だと分かり、犯人は香代子に噛み付こうとした。

 「やめろ」

 と言ったのはさとしだった。さとしは縄をすでに解いていて犯人の元に近づいた。

 「それは俺の携帯だ。」

 香代子はさとしに下がるよう言ったがさとしは引かなかった。

 「あんたなんでこんな事するんだ?」

 すると男は話しだした。

 「俺はこのバス会社をクビになったんだ。それでこの会社を潰そうと思ってこのバスを襲った。」

 運転手もよく見ると犯人を知っていた。

 「君は川本じゃないか。」

 犯人の名は川本一郎、35歳でこのバス会社に入ったが、運行時にトラブルをたくさん起こしてきたため、38歳の時会社をクビになった。運転手は川本と同僚で仲が良かった。

 「お前なんでこんなことしたんだ。」

 「うるせーこんな会社なんて潰れてしまえ。」

 川本は運行中に客たちに文句を言ったりして、評判は良くなかった。そのせいでこのバスに乗る客が激減したのだ。会社はこのままだと赤字になるので川本を処分したのだ。そこで香代子は自分の経験した悲劇を川本に語りだした。それを聞いて川本の表情が変わった。

 「お前あの時の刑事の妻か。」

 香代子はそれを聞いて驚いた。川本はあのハイジャックの時一緒に飛行機に乗っていたのだ。川本は思い出して香代子の元から離れる。運転手はバスを停めて、警察を待った。

 「私はハイジャックで家族を一度失ってる。皆でディズニーランドに行こうって言ってたのに行けなかった。でもいつまでも抱えこんでいては駄目だと思ってもう一度娘とディズニーランドへ行くと決めて空港に向かうためにこのバスに乗った。でもなんなの?なんで2度も同じ目に合わないといけないの。ムタチオンって本当に最低よね、平気で人の大切なものを奪ったり殺したりするし。」

 川本は大声で叫び出して香代子に噛み付こうとした。その時さとしが割り込んでさとしの左腕に噛み付いた。

 「さとしー」

 祐也はさとしの所に向かうがさとしは止める。

 「こんな事してどうするつもりだ。会社をクビになったのはお前の落ち度が原因だろ、自分でクビにされるような事していて、クビになったから復讐する。それどうかしてるぞ。」

 「お前に何が分かる。俺は迷っている子供を家に送りに行くためにやっただけの話だ。ある日いつもどおりバスを走らせていると、一人の子供が泣いていたんだ。俺はバスを停めてその子供にどうしたのかを聞いたら道に迷って家に帰れなくなったって言ってたから俺が家まで運んでやろうとした時に、乗っていた客が早くしろとか言ってきたから、文句があるなら乗るなと言っただけだ。」

 運転手もこの事は知らなかった。

 「当然時間もずれたし、客からもクレームが来たが、俺は子供を家に送るためにやっただけだ。それを会社に説明しても、実際にクレームの方が強かったから処分された。」

 「でもな、ここまでする事はないだろ。」

 「俺は最後社長にこんな事言われたんだ。[仕事する力がないからって客に当たるな]ってな。だから俺は真の力を見せつけるためにこの俺の能力を見せてんだよ。そこの女もさっきムタチオンは最低だって言ったよな、どこがだ、この優れた力のどこが最低なんだ。何も力がないお前ら人間の方がクズだ。」

 「クズはお前さ。」

 「お前もなんだ生意気だなガキのくせに。」

 さとしは川本を取り押さえた。川本はさとしの腕を噛もうとするがスロー効果により、全て交わしたが、川本は別のナイフを取り出しさとしに刺そうとした。さとしは交わして川本と距離を置いた。そしてさとしはこの状況からしてやむを得ないと判断し、スロー効果による特殊攻撃を使うことにした。

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