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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第四章 修学旅行編
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第29話 一騒動

 4日目の秋葉原の自由行動で、生徒たちは街中を歩いていた。マニアックなものが色々あり、興味のある生徒らは興奮している。さとしらは、健太と涼太のグループで行動していた。しばらくすると、みゆからLINEがきて、グループとはぐれてしまったようだ。みゆは一人で迷子になっていた。さとしが、GPSで現在地を特定し、方向を支持していた。みゆはその通りに歩いていると、一人の30代くらいの男に後ろからいきなり抱きついてきた。みゆは高速移動で瞬時にその場から移動したが、人がたくさん歩いているので、何人かは巻き込まれた。やむを得ないので能力を使用した。みゆはここ秋葉原でも浮いてしまうほどの美少女で襲ってくる男がいても不思議ではなかった。

 歩いていると10人いれば8人は振り向くほどの美貌なのだ。しばらくしてグループに戻った。

 涼太は意外にもマニアックなところがあり、普通は知らないような店まで知っていた。そこに向かう途中、一台のトラックがさとしらに接近してきた。さとしはスロー効果を発動し、衝突を回避した。健太も抜群の身体能力で交わした。

 昼の食事を取ったあと、午後からは一同は渋谷へ向かった。よくテレビとかで出てくるような、店や建物がいっぱいあって、皆は興奮していた。別のグループが話しているのをさとしらのグループが聞いていた。

 「渋谷に来たけどよ、夜に行きたかったな~」

 「だよなー夜の方が絶対面白いぜ。」

 涼太がそれを聞いてさとしらに話す。

 「たしかにそうだよな。」

 「まてまて涼太、先生らが夜にしなかったのは、夜は危険がいっぱいだからだよ。」

 「そうなのか。」

 「そうだぜ、ここは新潟とは違う、何が起きても不思議じゃない。」

 「じゃー夜こっそり渋谷に行ってみるか?」

 「マジで!」

 なんとさとしは夜ホテルを抜け出して渋谷に行くと言い出した。さすがの健太もやめとけと言ったが、涼太が聞かないので行くことにした。ホテルはここから歩いて10分ほどだったので、行けない距離ではなかった。

 「何かあってもここには、特殊能力を持つ奴が2人もいるからな。」

 「おいおい、俺の能力をあてにするなよ。」

 さとしは、みゆに連絡してこの計画を話した。

 ホテルの各部屋に泊まって時間は夜の11時を過ぎていた。実行は12時で、こっそりと抜け出すことにした。12時を回るといったん先生がノックしてきて、いるかどうかの確認をしてくる。確認は声だけなので、涼太の携帯とさとしの携帯を繋いだままにして、スピーカーを使っていかにも部屋にいるという状態を再現する。

 12時になり、さとし、みゆ、健太、涼太のM研のグループで夜の渋谷に向かった。涼太の計算通り先生がノックをしてきた。さとしらが電話越しにいますよーと答えた。先生は部屋にいると思ったのでその場を去った。完璧な涼太の計算でさとしはさすがだと言った。

 渋谷のセンター街に来て、昼間とはまた違った雰囲気に涼太は興奮していた。

 「あんまり騒ぐなよ。」

 するとさっそく、怖そうな20代の男ら3人がさとしのところに近づいてきた。

 「お前らまだ高校生だろ、気をつけろよ職質されるぞ。」

 涼太は聞き流していた。さとしは出来るだけ涼太を抑えているが効果はあまりなかった。スクランブル交差点で涼太は踊りだした。周りの人が不思議そうな目で見る中、さとしはスロー効果を使い、警官が涼太に近づいて来るのに気付いた。さとしはみゆに支持して、高速移動を使い、涼太を移動させた。警官は突然消えた涼太に唖然としている。

 「連れてこなければよかったぜ、お前は中二の要素があるんだから、自覚しろよな。」

 「まあいいじゃないかアハハハハハハハハ・・・」

 「これが俗に言うキチガイだな。」

 「なに冷静に分析してんだよさとし。」

 「みんな落ち着いてよもう注目を浴びてるよ。」

 みゆは高速移動で皆を遠くまで運んだ。なんとかこの状況を切り抜けた。しばらく歩くと路地裏で目つきの悪いスーツ姿の男が若者を殴り飛ばしているのを目撃した。それに気付いたスーツの男がさとしに近づく。

 「逃げるぞ!」

 2人でバラバラに逃げてしまったので、涼太と健太、みゆとさとしで、はぐれてしまった。渋谷の渦に飲まれてしまった4人は、緊急事態に近い状態になった。

 一方、みゆがいないことに気付いた恵美はみゆを探していたがどこにもいなく、他の生徒にも聞いたが知らないという。恵美はみゆに連絡したが、みゆは出なかった。心配になった恵美は先生に報告してしまった。他にもさとしらがいないことが分かりあたりは騒然となった。マスターキーでさとしらの部屋にいくと、そこには涼太の携帯だけが置いてあった。これは確信犯でもあり、先生は察知した。抜け出してすでに1時間が経過しており、涼太の嫌な予感が当たっていた。なんとか合流し、みんなで言い訳を話し合っていた。

 ホテルに帰るとみんなは怒っていた。さとしらは先生に連れられて、5日目のディズニーランドは先生と付き添いで行動することとなった。さとしらは修学旅行が終わった後、2週間の謹慎処分を受けることになってしまった。

 「おいおい、謹慎になっちまったじゃねーか。」

 「大体お前が夜行こうぜって言ったからこうなったんだろうが。」

 「その前に俺は止めとけって言っただろうが。」

 「でも謹慎で済んでよかったじゃないか。もし誰かに誘拐とか、何かされてたりすると、俺らどころか学校全体に迷惑がかかることになる。そんなことになると、ニュースにもなりかねん。俺らのせいで学校が大変なことになるところだったんだから。」

 「当然親にも知らせてるだろう・・・。」

 「まあ良い経験になったじゃないか。」

 5日後からは、先生の付き添いの行動で、次の週から2週間学校の寮に入れられることとなり、2週間の間は一歩も外へは出られず、1日8時間の勉強をさせられることになる。

 しかし、さとしには奥の手があったのだ。

 「いや、落ち込むことはない。まだなんとかする方法がある。」

 さとしは東大に通っている親戚の新庄たかしを呼び出した。緊急の用件で至急ホテルに来てもらった。現在の時刻は2時半で騒動もおさまり、先生を含む生徒はみんな眠っていた。さとしは眠っている皆の記憶を操作して、一連の出来事を無かったことにしてもらうことにした。ホテルのマスターキーをみゆに持ってきてもらって一人ずつ記憶操作をしてもらった。ついでに恵美とさとしの件も解決させてくれた。90人分の記憶を操作し終わったのは4時半だった。残りはさとしらの親の記憶だが、そのまま続いてたかしは新潟に車で行き、それぞれもらった親の写真でさとしらの親の記憶も操作して、そして通信履歴も消去するとともに、涼太の完璧な隠蔽工作を実行した。新潟まではしばらくかかるが、さとしらがディズニーランドにいる頃までには戻ってくる予定だ。

 朝が来て、記憶操作により一連の騒動を知っているのはM研グループとたかしだけである。

 5日目の最終日はディズニーランドである。


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